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◉今お寺に求められている3つのこと。まとめ【お寺の日々#187】

今お寺に求められている3つのこととして、「ショート法話とお寺の掲示板」「御朱印」「終活の取り組み」の3つを取り上げました。

最後に、まとめと補足をしていきたいと思います。

このシリーズの最初に書きましたが、経営に「プロダクトマーケットフィット」(PMF)という考え方があります。

「サービスや商品が、顧客の求めに合っている状態」のことを言います。

いくら良い物でも、求めに合っていなければ、必要とはされません。

誰もがスマホを持つ時代に、どれほど性能の良い公衆電話やポケベルを作っても、それほど必要とはされません。

お寺においても、時代に合わず、求められている取り組みをしていなければ、必要とされないのは、悲しいですが同じことです。

そうした視点からお寺を眺めてみた時に、日本のお寺に今求められていることとして、今回はこの3つをあげました。

もちろん、お寺に求められていることはそれだけではありません。

お寺の置かれた環境や、周りにいる方によって、それは変わってきます。

目の前にいる方がお寺に必要としていることが、求められていることでもあります。

そうすると、どんな方々がお寺の周りにいるかによって、そのお寺に求められていることは変わってきます。

そして、この3つ以外にも、お寺がこれまで担ってきた役割や、大事にしてきたことは沢山あります。

それが必要ないということではありません。

それは前提としてあった上で、今の日本のお寺の置かれた状況を、宗派といった括りも超えて概観してみた時に、求められていると感じたことを、私なりに書いてみました。

日本のお寺というように、主語を大きくすると、考えるべき要素が多くありすぎますし、本当はよくありません。

しかし、たまには俯瞰して、時代の流れの中にあるお寺を眺めてみることで見えてくることもあるように思います。

◆何でもすれば良いということではない

そしてもちろん、求められているからといって、何でもすれば良いというわけでもありません。

戦意高揚のために戦争加担してきた仏教教団の歴史がそれを物語っています。

求められていることに迎合することで、間違った方向に進んでいくことや、失われていくものがあります。

ですので、「目の前の方に求められていること」と、「仏教やお寺が本質的に持っている良さ」の両面が重なるところを、各自探っていく必要があります。

そうした視点からお寺を眺めてみた時に、「ショート法話とお寺の掲示板」「御朱印」「終活の取り組み」の3つをあげました。

◆今お寺に求められていること

現代は、生き方や考え方が多様化しているために、迷いやすく悩みやすい時代であると言えます。

そんな中、短かく分かりやすい言葉と、現代の私たちに響く言葉で、生き方や考え方を示してくれる「ショート法話」や「お寺の掲示板」は、時代に合った方法だと思います。

また、ストレスや生きづらさといった苦を抱える方が多くいる現代に、「癒し」や「安らぎ」を求めて、神社やお寺に参拝をされている方がいます。

そうした方の参拝の入り口の一つが、「御朱印」になっています。

この「御朱印」が苦に対しているという点が、お寺が「御朱印」をおこなう意義にもつながる部分だと私は感じています。

ただ、繰り返し教えを聞き続けることを大切にする真宗では、収集すること自体が目的化しやすい「御朱印」を授与されないお寺も多いです。

そこには、「大切なものは何でしょうか?」という問いかけがあります。

とはいえ、「御朱印」(参拝記念印)を入り口として、教えに出遇っていく可能性も否定はできません。

最初は寺社観光が目的だった方が、寺社観光を繰り返すうちに、徐々に宗教的な情操が養われていく場合と同様です。

また、「終活」への関心の高まりは、介護や医療、死後のことや相続などについての課題意識が高まってきたことが理由としてあります。

それは、少子化や核家族化、長寿化などの現代日本の社会環境を起因としています。

しかし、「終活」について関心があっても、「何から手をつければ良いのか」「誰に相談すれば良いのか」が分かりづらいものです。

こと供養に関することで言えば、言葉が適切かは分かりませんが、「供養難民」が多くいるのが、現代の日本社会の実情です。

こうした状況下で求められているのは、「終活」に関する悩み事を相談できる窓口であり、ある程度ワンストップ(一箇所)で相談できる場所です。

その場所は、お寺が相応しいのではないかと私は思います。

終わり

2024.05.03(金)

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【信行寺 今後の催し】
◉朝参り
・5月5日(日)午前8時〜約30分
・内容:読経・ストレッチ・法話

◉永代経法要
・5月17日(金)、18日(土)13時30分~15時頃
・内容:読経・講演
・講師:尾角光美さん(一般社団法人リヴオン代表理事)

◉オンラインお寺参り
・5月25日(土)午前7時~約30分間
・内容:読経・法話

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