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プレイリスト連動!「Spotifyで聴ける日本のベストアルバム100選」を選んでみた!

どうも。

つい、思い立ったので、こういう企画、組んでみました。

題して

Spotifyで聴くことが可能な日本のアルバム100枚!

前も日本のアルバム選はここでやってて。2020年頃ですけどね。ただ、その時はサブスクの状況とかが悪くて、プレイリストにするには至ってなかったんですね。

ただ、その後に結構、日本のアーティストのサブスク配信の状況が飛躍的に良くなりまして。僕自身も「待望で聴ける!」というのをブラジルでいくつか体験しましてですね。で、こうも思ったんですよね。「これは今こそがやっと、世界の人に日本のアルバムの名作選をプレイリストで紹介できる時期ではないかな」と。

もちろん、足りないものはまだまだあります。今回選んだリストもそれらがないから完璧じゃないです。でも、例えばサッカーのワールドカップとかだって、故障者を出すわけじゃなし、その時に出場できそうなメンバーで構成されるわけじゃないですか。もう、この期に及んでまだ解禁してないのなら、それはもう、悪いのはアーティストの責任だ。そう思って選ぶことにしました。せっかく世界の人に聞かれるチャンスをみすみす逃しているわけですからね。

なので、「はなから完璧なものを作れない」のがわかっているので、もう気を楽にして、自分の選びたいものを積極的に入れてみました。そうしたら

定番を重ねるよりも、圧倒的に面白いものができた!

これ、不思議なもので、僕も作りながら、「あれ?これは結構、面白がってもらえるんじゃないかな」という根拠のない手応えを得ましてですね。で、Xで公表したところ、400超えるいいねもいただいたりもして。プレイリストも予想を大きく上回る数、セーブしてもいただきまして。

それがどんな感じかというと、こんな感じでした!

はい。順位はありません。全て編年体によるリリース順にしてあります。盤の名前、100を言っておきますと、こんな感じです。

Sukiyaki And Other Japanese Hits/坂本九(1963)
ハレンチ/フォーク・クルセダーズ(1967)
ヨーロッパのブルー・コメッツ(1968)
サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン
ミコR&Bを歌う/弘田三枝子(1968)
高田渡/五つの赤い風船(1969)
かっこいいということはなんてかっこ悪いんだろう/早川義夫(1969)
カルメン・マキ/ブルース・クリエイション(1971)
Satori/フラワー・トラベリン・バンド(1971)
PYG!/PYG(1971)
風街ろまん/はっぴいえんど(1971)
ガロ/GARO(1971)
元気です/吉田拓郎(1972)
少女/五輪真弓(1972)
HOSONO HOUSE/細野晴臣(1973)
氷の世界/井上陽水(1973)
ミスリム/荒井由実(1974)
黒船/サディスティック・ミカ・バンド(1974)
一触即発/四人囃子(1974)
アイ・ラヴ・ユー、OK/矢沢永吉(1975)
いくつかの場面/沢田研二(1975)
ワインの匂い/オフコース(1975)
チャー/Char(1976)
サンシャワー/大貫妙子(1977)
Live '77/裸のラリーズ(1977)
Feel Happy/原田真二(1978)
素顔の私/八神純子(1978)
愛は思うまま/吉田美奈子(1978)
西遊記/ゴダイゴ(1978)
千のナイフ/坂本龍一(1978)
10ナンバーズ・カラット/サザンオールスターズ(1979)
乗物図鑑/あがた森魚(1980)
ラプソディー/RCサクセション(1980)
カメラ=万年筆/ムーンライダーズ(1980)
メシ喰うな/INU(1981)
A Long Vacation/大瀧詠一(1981)
BGM/YMO(1981)
Perspective/P-Model(1982)
南蛮渡来/暗黒大陸じゃがたら(1982)
DIS/The Roosters (1983)
十七歳の地図/尾崎豊(1983)
玉姫様/戸川純(1984)
VISITORS/佐野元春(1984)
Detestation/G.I.S.M(1984)
BOØWY/BOØWY(1985)
IV~Maybe Tomorrow/レベッカ(1985)
天使たち/The Street Sliders(1986)
カップルズ/ピチカート・ファイヴ(1987)
VI~月に濡れたふたり/安全地帯(1988)
Such A Funky Thing/久保田利伸(1988)
Blue Blood/X Japan (1989)
服部/ユニコーン(1989)
 Bo&Gumbo/ボ・ガンボス(1989)
Greatest Hits Vol.1/The ピーズ(1989)
Canera Talk/フリッパーズ・ギター(1990)
家庭教師/岡村靖幸(1990)
狂った太陽/Buck-Tick (1991)
結晶 Soul Liberation/Original Love(1992)
天国と地獄/カーネーション(1992)
Soul Kiss/CHARA(1992)
Jaguar Hard Pain 1944-1994/The Yellow Monkey(1994)
Life/小沢健二(1994)
5th Wheel 2 The Coach/スチャダラパー(1995)
ハチミツ/Spitz (1995)
Growing Up/Hi-Standard (1995)
空中キャンプ/フイッシュマンズ(1996)
東京/サニーデイ・サービス(1996)
11/UA (1996)
High Time/Thee Michelle Gun Elephant (1996)
Please Mr.Lostman/the Pillows (1997)
A/電気グルーヴ(1997)
Fantasma/Cornelius (1997)
Evil & Flowers/Bonnie Pink (1998)
Ray/L'Arc-en-Ciel (1999)
Discovery/Mr.Children (1999)
無罪モラトリアム/椎名林檎(1999)
Stereo Type A/チボ・マット(1999)
School Girl Distortional Addict/ナンバーガール(1999)
雨に撃たえば disc 2/七尾旅人(1999)
Stilling, Still Dreaming/Tha Blue Herb (1999)
3/キリンジ(2000)
Highvision/スーパーカー(2002)
Hell-See/Syrup 16g(2003)
アンテナ/くるり(2004)
フジファブリック/フジファブリック(2004)
lust/レイ・ハラカミ(2006)
空洞です/ゆらゆら帝国(2007)
Sing/グレイプバイン(2008)
GAME/Perfume (2008)
Uroboros/Dir En Grey(2008)
ファンファーレと熱狂/andymori(2010)
eureka/きのこ帝国(2013)
森は生きている/森は生きている(2013)
Monochrome/KOHH(2014)
Obscure Ride/cero(2015)
Pop Virus/星野源(2018)
Ceremony/King Gnu(2020)
Help Ever Hurt Never/藤井(2020)
Powers/羊文学(2020)
BADモード/宇多田ヒカル (2022)


いかがでしょうか。

「どうせ、完璧にはできない」と思いつつもですね、出来上がったヴァージョン見てですね、「最終的に弄りたいの4〜6枚くらいしかないなあ〜」と思ったくらい、出来栄え、個人的にかなり気に入ってましてですね。

どんな感じかざっと、1列単位で言っていくとですね

PART1 1963-1971 GS、アングラ・フォーク、ニューロック

最初の10枚はこういう感じですね。前に選んだ時はGSのスパイダーズから始めたんですけど、今回、あの「上を向いて歩こう」の全米ナンバーワンでおなじみ坂本九のアメリカ盤のアルバム「Sukiyaki & Other Japanese Hits」がサブスクで聴けるようになってたんですね。これ、正確にはこの名前では登録がないんですけど、ジャケ写と最初の12曲が同じのベスト盤の形で収録されています。

 ただ、この時期は足りないの多かったですね。僕はGSだとスパイダース、モップス、ゴールデン・カップス、タイガース、ジャックスは絶対入れたい人なんですけど、今回あったのがモップスのみ。なので代理として、スパイダースがブルーコメッツ、タイガースがPYG、ゴールデン・カップスが弘田三枝子、ジャックスが早川義夫ソロで代用させました。

そのうち僕が「あっ、代役いけるじゃん!」と持ったのがPYG、そして弘田三枝子だったんですね。PYGはご存知の方も多いと思いますがタイガースとテンプターズとスパイダーズの組んだドリーム・バンド、弘田三枝子は、GSの前の60s前半のアメリカン・ポップスの日本での歌い手として、九がキングならミーコはクイーンの位置付けなんですよね。そして、ソウル・ミュージックのカバー歌わせたら、再評価必須なほどにうまかった。日本におけるダスティ・スプリングフィールドというか、女性におけるロックやソウルの先駆けですね。

アングラフォークも、フォーク・クルセダーズ、これは幸いにしてありましたけど、本当は遠藤賢司さんを選びたかったところ、高田渡さんにしました。これも苦肉の策ではあったんですけど、アングラ・レコード・クラブ(URC)の第1弾アルバムであり、さらに有名なプロテスト曲「自衛隊に入ろう」が収録されていることがポイント高かったですね。

あとニュー・ロックは定石通りにフラワー・トラベリン・バンド、そしてカルメン・マキとブルース・クリエイションの共演盤にしました。FTBはやはり現在でもニューロックの世界の中では筆頭格のバンドで、それゆえ、はっぴいえんどの日本語論争での張本人にもされたわけですけどね。

あと、カルメン・マキは日本で最初に本格的なロックを歌った女性として、評価は絶対すべきです。彼女に関しては、セールス的にも成功した1974年の「カルメン・マキ&OZ」を入れる手もあったんですけど、今回選んだ盤も入れると、ブルース・クリエイションのニュー・ロック時代の功績も讃えられて一石二鳥ですからね。

PART2 混沌を終え、ロックのメジャー化への道 1971-1974

1970年前後は学園紛争などもあってロックやフォークが混沌とした頃ですが、それを終え、1971年から72年にかけて徐々に商業化が整って行った時期でした。そこで象徴的なのは1971年11月リリースの、はっぴいえんどですね。4人それぞれの圧倒的な音楽的才能と、確固たる価値観を持った、「日本語で、しっかり文学的な意味を持った歌詞」でロックした意味ではやはり画期的。ただ、タイミングが微妙に早すぎ商業的成功位には至らずで。彼らのソロ・ワークからはやはり国際評価も高い細野晴臣で。

 その裏で、吉田拓郎井上陽水がフォークを日本で巨大な文化に持ち上げ、はっぴいえんどのメンバーもバックで絡んだ荒井由美が日本における女性シンガーソングライターの背骨と需要を生み出していきます。

 この時代、本当は、頭脳警察とか、サブスク音源ないですが村八分とかも頭にはよぎるんですけど、今回の僕の気分が「売れたことで過小評価されてきたアーティスト」を極力紹介したいのでGARO五輪真弓も紹介しておきます。GAROは元から備えていたロックの素養、それが後続の日本のフォークシンガーのアリーナロック化の先駆けにもなっているし、五輪真弓の場合はユーミンより先にキャロル・キング・スタイルの高度なSSWで商業的実績も伴っていたことは語られるべきでしょう。金延幸子という手もあったんですけどね。

 ニュー・ロックの時代を経てロックも進化しまして、グラム(フュージョンでもある)サディスティック・ミカ・バンド、四人囃子のようなUKロックのダイナミズムを直接的に発展継承させたバンドもいました。本当は日本の誇る偉大なる3コード・ロックンロールのキャロルを入れたかったところですが、ないので矢沢永吉、永ちゃんの一番それに近い時期を。あと、可能ならチューリップや甲斐バンドも食指伸びたのですが、ブラジルだとベスト盤以外がサブスクにないんです!

PART3 歌番組の時代を彩ったロックやシティ・ポップ 1975〜1978

時代がどんどん華やかになっていく70年代なかば、70年代前半に商業主義を嫌ったフォーク勢がテレビに出演しない裏で、歌番組でロックが主張を始める時代にもなりました。

その筆頭的存在がGS時代のスーパー・アイドルのジュリーこと沢田研二ですよね。ここで選んだ盤は、この当時の日本のロックの精鋭たちをここぞ集めた、この当時の彼の立ち位置を示しています。

また、1977年くらいからはCHAR、原田真二、世良公則&ツイストのアイドル性も伴った「ロック御三家」の登場でロックが茶の間と小学生子供の間にも浸透します。

この頃、フォークをやってたタイプや、ブラック・ミュージック嗜好の強いアーティストも現れ、楽曲の高度化も進みます。一つの流れとしてオフコースがあり、別の流れとしてシュガーベイブがあるわけですが、後者の絡みから大貫妙子、吉田美奈子を。まあ、山下氏本人があればそれに越したことはなかったんですけどね。

また、「売れたことによる過小評価」を今回あえて破るのがテーマなんですけど、そこでシティポップ再評価も国際的にある八神純子、そして「西遊記」のサントラはやはり無視できないゴダイゴを。ゴダイゴは当時ロックではなかなか食えなかった時代にテレビの音楽担当してロックを届けていた存在としての話もできます。

あと、この時代にのちにつながるものとしてシューゲーザーの元祖、裸のラリーズ、そしてエレクトロ・ミュージックのパイオニアとして坂本龍一ですね。

あと、この時は歌謡曲もいい時代なんですよね。太田裕美、キャンディーズ、山口百恵。あれば僕だって1枚くらいは検討したかったですよ!

それと中島みゆきも、存在感が独自なので考えたくはありましたが、サブスクにないのです!

PART4 ニュー・ウェーヴと元はっぴいえんどの頂点 1979-1983


まず、ここで一つは大瀧詠一YMOの、元はっぴいえんどの2つの巨匠がシーンの頂点に立ったことですね。元々、実力的には抜きん出たはっぴいエンドでしたが、いかんせん売れてなかったがためにはっぴいえんど史観なるものも抵抗を受けやすいのですが、1981年3月21日に奇しくも同じ日に出たこの2枚で日本ロック史の流れが決まったところもありますね。

この時代は、はっぴいえんどの古くからの知人たちもニュー・ウェーヴで自身を再活性させてた時期でもあり。ムーンライダーズや、あがた森魚もそうですね。後者の早すぎるジョイ・ディヴィジョンを意識したサウンドは驚くばかりです。本当は矢野顕子さんも選びたくてたまらなかった!

そして、フォークをやっていたRCサクセションが、グラムやパンク、ニュー・ウェイヴのグラマラスさを表現しながらも、ソウルフルなロックンロールと、アイロニーとユーモアを混ぜた反骨精神溢れる言葉で、その後の日本におけるロックンロールの雛形を決定的にしたのも見逃せません。

あと若い世代のニュー・ウェイヴもやはり台頭著しくて。その中での後世への影響力でいえばINU、P-MODEL、じゃがたら、ルースターズは欠かせないかと。僕は東京ロッカーズは、「そこまでファン層って後世についてきてるのか?」という疑問が消えないのでフリクションやPhewは割愛させていただきました。

あと、やはりサザンオールスターズですよね。「ロック御三家」というより、サザンを含めた「ロック四天王」にすべきだったと今も思うんですけど、そこからシティポップやニュー・ウェーヴまで器用にこなしながら桑田佳祐の独自のオリジナリティを発展させて、この時期の最大人気のバンドになったことはやはり評価すべきだと思います。

あとPART3に続いてこの時代もアイドル最盛期でもあったので松田聖子、中森明菜も考えないではなかったですが、今回そこまでの余裕はなかったです。

PART5 ニュー・ウェーヴのメジャー化とバンドブーム 1984-1988


このパート5で昭和終わりです。この時代はやはりまずは、ニュー・ウェーヴがメジャー化したことですね。ニュー・ウェーヴも前半はかなり先鋭的に尖ったイメージで、それこそ戸川純のような異端児的なイメージもあったわけですけど、これをうまく大衆レベルに乗せたのがBOØWYでありレベッカだったと思います。

あと、この時代、ニュー・ウェーヴと並んでメジャー人気のあったロックに、ブルース・スプリングスティーンに範をとったハートランド・ロック・スタイルがあったんですけど、その中でもニュー・ウェーヴやヒップホップと斬新なアプローチを試みた佐野元春や、バブル前の幸せな日本にくすぶる10代の不満を爆発させた尾崎豊が特別だったと思います。

あと、メタルも強い時期だったのでラウドネスも当初入れる予定だったんですけど、なぜか一番いい時期に限ってサブスクになかったのと、のちのスラッシュ・メタル、デス・メタルへの影響も考えてG.I.S.Mに変えました。海外のその手のファンの浸透度もかなりのものですしね。

この時代はマイケル・ジャクソンやプリンスの影響などもあり、日本でもブラック・ミュージックがカルチャーも含めて興味を持たれ始めた時代でもあるんですけど、久保田利伸は圧倒的ですね。彼の存在は、今のKポップを考えても先を行き過ぎてた感じしますね。あと、安全地帯もこの時代の売れっ子のバンドでしたけど、井上陽水進化系のニュー・ウェイヴ・サウンドもいいんですけど、玉置浩二がプリンスの影響なども受けてソウルフルに進化した時代からあえて選んでます。

本当はブルーハーツ、もちろん選びたかったんですよ。でも、ないので代わりに再評価も進んでるストリート・スライダーズをロックンロール代表で選んだら、これはハマりましたね。

あと、これも本当は苦肉の策ではあったんですけど、ピチカート・ファイヴが初期しかサブスクにないので昭和の時代に入れてみたのですが「かなりの渋谷系先駆」みたいに見えるので悪いチョイスじゃなかったですね。

PART 6 バンドブームと渋谷系. 1989~1992

やっぱ、まずこの時代はバンドブームですよね。なんか記述で「イカ天からバンドバームが」と言うものをよく見ますが、間違いですね。BOØWYやレベッカ、そこに加わってきたもので盛り上がったものの延長を、テレビ番組が盛り上げて高年齢層や子供が知っただけだといまだに思ってます。

だけど平成初年度にたくさん逸材は出ましてX Japan、ユニコーン、ボ・ガンボスと選びました。本当はブランキー・ジェット・シティも選びたかったんですけどないのでピーズを選びました。入れとくと銀杏BOYZあたりにつながる線も見えるし、あと、僕が評価したいのは、この当時のパンクって日本語の乗りが悪く、音が一音あまって妙なメロディになりがちだったところ、語感がタイトにしまっててロックンロールとしてキレがあるんですよね。

あとPart 5からの続きとしてのプリンスからの影響ですね。岡村靖幸は改めて説明するまでもないですね。バブル期の日本の日常を別角度からスポットあてた描写力でも見事です。あと「女プリンス」とも呼ばれてたCHARAは90s以降の日本のアーティストのオルタナティブな女性像作った意味でも大きいです。

あと、もちろん渋谷系ですよね。猫も杓子もなバンドブームの喧騒が終わり、それに醒めた人たちが満を持すかのように先鋭的なセンスで時代を牽引した。フリッパーズ・ギター、オリジナル・ラヴは当然選びます。あと、ここに、僕の好みでもあります、いまだにミュージシャンズ・ミュージシャンとして高い評価を受けるカーネーションで。人脈的に高野寛も考えたんですけど、サブスクになくてですね。

あと、V系の本格発芽が始まる頃ですが、そうなるとやはりBuck-Tickは欠かせません。

PART 7  日本のロックの急速な多様化・発展 1994-1996

この期間、渋谷系から、世紀末での日本の音楽のイクスプロージョンの間におけるこの時期もすごく大事ですね。

渋谷系のひとつの集大成として小沢健二の「Life」があるのはやはり大事ですよね。あと商業的にスピッツが、かなりインディ・ギターバンドのセルアウトされない流儀にこだわったタイプのバンドがミリオンセラーの成功を勝ち得たのも大きかったでしょう。

グラマラスなところからは、マニアックな趣味性の強いイエローモンキーが大物バンドになったことも見逃せないですね。

本当はこの時期、Luna SeaのブレイクがあってV系人気に火が着くんですけど「Mother」が僕の住んでる地域のSpotifyになくてですね。あったら入れてました。

ただ、長い目で見て大事だと思うのは96年にフィッシュマンズ、ミッシェル・ガン・エレファント、サニーデイ・サービスが立て続けてブレイクしたことかな。全部それぞれにシーン開拓したバンドですけど、この勢いと多様性が「日本の音楽シーンでいったいなにが?」と思わせるものがありましたからね。彼らはこれだけが良いわけではなく90年代後半は傑作揃いですが、その意義は時間がたつにつれこうかを発揮して行くでしょうね。

あとシーンも多様化してますね。パンクロックはHi-Standardの登場でリアルタイムのUSパンク流にモダン・アップデートされ、UKロック影響下の強い下北沢からはピロウズが象徴的にいて、ヒップホップではスチャダラバー、R&B、クラブではUA。これだけ揃えばさすがにフェスも出来ますね。

「この時代、もっとメジャーなもの、あったろ?」と思われる方もいらっしゃるとは思います。ただ、それは「入りきれなかったもの」だと思っていただきたいです。

PART 8. 日本のシーンの頂点期. 1997-1999


この時代はもうすごかったですね。特に99年。この年だけで7枚も選んでますからね。それも、他の時代に一生懸命振り分けてやっとこの枚数です。

この時代は、どメジャーも、インディも、多ジャンルもフェスも揃って大賑わいの、今思い返してもすごい時期でしたね。

どメジャーでいうと、Mr.チルドレンとかラルク・アン・シエルですね。ミスチルはポップなイメージのままに成功して軽く見られていたところがドシッと貫禄出たのがこの頃ですね。ラルクは、実はLuna Seaの代役で選んだんですけど、でも、やはり99年のアルバム2枚同時リリースの頃の勢いと質は買いたいです。

でも、やっぱ現象になった存在でいうと、宇多田ヒカルと椎名林檎でしょうね。後世の影響考えても。2人して25年も経つけど女王みたいですからね。宇多田はここに入らないのが逆にすごいですけどね。

あと、この時期は世界も音楽シーン的に日本に注目した時代ですけど、コーネリアスチボ・マットですね。ともに欧米の批評媒体で大絶賛。99年の第1回コーチェラ・フェスティバルにともにメイン・ステージで出てるのも伝説です。

それからフェスの時代ですけど、やはりエレクトロでずっとシーンもフェスも牽引している電気グルーヴや、ライブで存在感を証明して一躍台頭したナンバーガールは欠かせないですね。ナンバーガールは椎名林檎とともに、日本のインディロックの言語作った存在としても影響力、相当なものですけどね。

この時代は選ぶの難しくて、かなり割愛してますけど、女性代表でBonnie Pink。やはり彼女もトーレ・ヨハンソンという世界的なプロデューサーと仕事して日本のサウンド進化させてますしね。aikoも一定の質で長持ちしてる意味では考えたんですけどね。あとヒップホップは色々花咲いてるんですけど、伝説って意味でTha Blue Herbかな。ブッダ・ブランドあれば考えましたが。

あと、もう一つどうしようかと思って。あればブラッドサースティ・ブッチャーズとかも考えたんですけど、考え方変えて、「今、中村一義を選ぶよりは」で七尾旅人の伝説のカルト名盤も方を選びました。

PART 9 喧騒後のエアポケット 2000〜2009


前から言ってますけど、この時期、好きじゃないんですよ(苦笑)。せっかく毎年開催のフェスもできたのに、そんなタイミングでフィッシュマンズもミッシェルもアンバーガールもいなくなるんですから。それだけじゃなく、解散、活動休止、もっとたくさんいましたけど。

で、その後を受けた邦ロックが、世代替わりくらいですごくウケて。それがだんだん、リスナーの中でも、一見同じようなロックなんだけど、なんか微妙に分かれてしまうものが出てきた、そんな時代ですよね。

なので、90s末のデビューからの生き残りメインですよ、ここは。いわゆる「98年の世代」からくるり、スーパーカー、息の長いバンドに成長し進化続けるグレイプバイン、シティ・ポップ再評価に先駆けたキリンジ、そして00年代に最高傑作だした90sアンダーグラウンドの大物ですよね、ゆらゆら帝国。彼らはやっぱ、この時代に頼もしかったですよね。

いわゆる「邦ロック」の世代でいうなら、やっぱ特異な独自性があるのと、ソングライティングの力でシロップ16gフジファブリックにどうしてもなりますね。僕の中ではまだ、「バンプやアジカン選ぶんだったら」というのは正直にあります。あと、あればART SCHOOLの初期とかも考えないではなかったです。

Perfumeは、いわゆる「アイドルを評価する」という、まだ一部の人しかやってなかったポプティズム評価を日本でおそらく最初におおっぴらにいろんな人にやらせた意味では画期的だと思います。

あと、ラウドロックで海外にも受けの良いディル・アン・グレイとONE OK ROCKで1枚か2枚で迷ってディル・アン・グレイだけにしました。

「ちょっとマニアックかもしれないけど」とは思いつつも、日本のIDMの代表的アーティストでもあり、こっちの方面からの細野晴臣再評価考えてもレイ・ハラカミいるかなと思って入れました。ヒップホップからNujabesというのも考えたんですけど、あれ、邦楽にあまりにも聞こえないので(笑)、こちらで。

PART 10 2010年代から現在の10枚 2010〜


最後が「2010年から現在までで10枚」というのがすごくキリが良いなと僕も気に入ってるんですけど(笑)、ぶっちゃけ、この10枚以外思いつかないくらい、ここは気に入ってます。

まず、そもそもがプレイリストを「上を向いて歩こう」から「マルセイユ辺り」で、と決めてたように、最後が宇多田ヒカルになるように作ってました。あのアルバム、僕も2022年の11位、これまでの僕の年間ベストでの日本人アーティストでの最高位にしてますけど、あそこまで海外メディアに絶賛された日本のアルバム、他に知らないんですよ。その意味でやはり画期的だし、今後のオールタイム企画でも上位常連になると思います。

邦ロックで風向き変えた意味ではandymoriきのこ帝国、外せないなと思います。邦ロックのバンド、「いつになったら90s終わるんだ」と思ってましたけど、このバンドが終わらせたと思っています。きのこ帝国はナンバーガール・フォロワーのところから今の羊文学に至るシューゲーザー的な流れ、図らずも作ってますね。チャットモンチーも考えたんですけど、その意味で軍配あげました。

あと、USインディものも日本で気づくとマニアに浸透してたんですけど、それでいうと森は生きているかな。この手のサウンドで最近でも絶賛されるのって、岡田拓郎がらみが多いことを考えても。

ヒップホップも面白くなってると思うんですが、僕がブラジルでの生活で普通に耳にするそれと一番違和感ない意味でKOHHですね。平易な言葉での禅問答みたいな言語センスも好きです。

あと、シティ・ポップから、Spotify通じて海外にもリスナー作り出している点でcero、星野源、藤井風、King Gnuは外せないですね。この辺りは、邦ロックの延長線上のシーンとは明らかに違うものだなと思います。

あとはbetcover!、GEZANはもちろん良いし、僕がやたらアルゴリズムに推薦されるカネコアヤノ、ドレスコーズ、踊ってばかりの国も面白いし、米津玄師やYOASBIみたいなボカロ出身組も僕の中である一定の答えが出れば今後考えたいとも思うんですけど、今回はこんな感じですね。

では、これがプレイリストです!

すごく良い曲揃ってるので、楽しんでいただけると嬉しいです。












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