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時間がないから「できない」のではなく「ないからこそできる」理由


年末年始は
毎日ちょっとずつ仕事をしていました。

そしてこの「ちょっとずつ
の要因は家族と過ごしていたから。

普段のように単身赴任で
潤沢に時間があれば話は別ですが、

家族と一緒にいる時間が大半の
帰省期間は、

仕事をするには”一見”不向きです。

年始4日に提出予定の
提案書が2件。

加えて毎日、運動することと
noteを書くことを自分に課していたので

いよいよ時間がありません。

結果から先に言うと、
2件とも無事提出完了。

提案書の内容には満足しています
(ただいまプロセス中なので結果は後日)

大掃除(風呂、換気扇、トイレ)
家事(洗濯と食器洗い)
料理(朝食を一回つくる)
公園(娘二人と遊びまくる)

を完遂させたうえで
ということは言うまでもありません。

家族をがっかりさせるようなことは決してしない
と誓って挑んだ年末年始でした。


■そのときは知らなかったのですが

「制限」がかかると
人はクリエイティブになる

という考え方は割と有名みたいです。


アフリカのマラウイ(貧困国)
という国が干ばつに襲われた2001年。

とある少年が

自転車の部品やプラスティック板
といった廃材を組み合わせて風力発電機をつくり、

地下水をくみ上げることに成功、
多くの人の命を救いました。


4つのオモチャで遊ぶ子どもと、
16個のオモチャで遊ぶ子どもを比較すると、

前者の集中力は2倍になって
いろんな組み合わせを試して遊んでいた

という実験結果があります。
前者の創造性が上がったというわけです。


「お金がない家庭で育つとは?」

というテーマでエッセイを書いたあとに
創造性に関するテストを受けた学生は

何もしなかった学生よりも
良いアイデアを出す確率が22%も高くなった

という結果が、
研究で報告されています。


これら事例に触れると
私も既視感を感じられずにはおれません。

年末年始は
毎晩21時に寝て、翌朝3時に起きていました。

家族が起きてくる
朝9時ごろまでが勝負。

限られた時間

自分に課せられたタスクを
いかに効率よくこなすかという問題に、

創造性が働いた可能性が
大いにあります。

逆に、潤沢に時間があれば
どうだったか?

なんだかんだと言い訳して

後回しにしていなかったかと、
いま考えるとちょっと恐ろしくなります。

企画などのアイデアを練るときは、

あえてリソースを減らして
制限をかけるといいかもしれません。


■大昔、

サバンナを生きていた人間は、

いつ猛獣に襲われるやもしれぬ
危険な環境が常態でした。

そして突如としてあらわれた
獣に対して、

瞬時に対策を考えて、
斬新なアイデアを思いつかなければ

生き抜くことはできなかったはず。

限られた時間(一瞬)で
いかにクリエイティブに思考するか

が生死を分けるという
厳しい生存競争下で、

人間の脳内には、

高速で思考すると
自動的に創造性が高まるような仕組み

を進化させた
と言われています。


スピーディに思考すると、

喜びや報酬の感覚に関わる
脳のドーパミンが活性化する可能性があり、

テンションが上がって
意外なアイデアが思いつきやすくなるのかもしれません。

そういえば私も、
あと2時間、あと1時間と、

家族が起きてくる「締め切り時間」
が迫れば迫るほど、

資料の作成スピードが上がって
アイデアがわいてきたように感じます。

細部の調整は
東京へ戻る新幹線で終わらせるとして、

大枠を完成させることができたのは
おそらく、

時間の制限が大きく貢献したのでは
と感じています。


■また、

企画書をつくる合い間に、
洗濯したり、

企画書を書いては、
食器洗いをしたり、

煮詰まってきたら走りに行ったりと、

仕事とは関係ないこと
をしているときほど

いいアイデアが浮かんできました。

トイレの最中に
「次元転移装置」を想起したのは

バックトゥザフューチャーのドク
ですが、

「シャワー中にいい考えが浮かんだ」
という逸話もよく耳にします。

よいアイデアは

意識と意識のはざま
にこそ浮かび上がる
として

多くの研究がその効果を立証しています。


リーキー・アテンションは、

目の前のことに
頭半分は集中しているけど、

残りの半分は全く違うことを考えている
という状態のことをいいますが、

洗濯物をたたみながら
企画を考えたり、

走りながらアイデアを巡らしたり、
食器をあらいながら考え事をしたり、

心ここにあらずとまではいかず、
いい感じで注意散漫になるような状況

にいることで創造力が高まることは
わりとよく知られています。

洗濯機が回っているときの
ちょっとした”雑音”も、

適度に注意力を削いで
リーキー・アテンションを発動させた可能性があります。


■時間がない、

周りがうるさい、お金がない、
まだ能力が足りない、経験がない…

できない理由をあげろといわれれば、
人間は天才的です。

いくらでも、
泉から湧き出るかのごとくに。

でもそのできない理由を裏返すと、
実は創造性を高めるための源泉だった

ということは科学的見地において
間違いではなさそうです。

そして私の実体験からも。

一見すると仕事には不向き
のように思えた年末年始の帰省期間は、

実はクリエイティブを発揮するための
最高の舞台だったように思います。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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