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薬膳おせち

日本のお正月には欠かせないおせち。
しかし、がん患者にとって、これほど体に悪い食事はありません。
お正月の三が日、料理から開放されるかもしれないですが、縁起や迷信に肖ったおせちは、長期保存のための保存料、紅白の着色料、色つやを良く見せるための合成添加物のオンパレード。これらは、身体の代謝や臓腑の機能を低下させる毒でしかありません。
新しい年を健康で過ごしたいのであれば、迷信に惑わされず、本当に身体に良いもの、身体が喜ぶ手作りおせちがオススメです。

【十全大補湯の薬膳チャーシュー】
水の代わりに十全大補湯の生薬の煎じ汁を使った薬膳チャーシュー。水を煎じ汁に変え、調味料は、醤油、砂糖、酒におろしニンニクとおろし生姜、ネギの青い部分を使用。圧力鍋があれば簡単にできます。

十全大補湯は、『大平恵民和剤局方』に1151年に収載された処方で、10種類の生薬を配合した漢方方剤。川弓、当帰、地黄、芍薬、蒼朮、人参、茯苓、甘草、黄耆、桂皮を加えて、気・血・陰・陽のバランスをとるように配合され、古くから病後、術後、疲労倦怠感に有効とされてきました。最近では、がん細胞の悪化抑制、転移抑制効果が報告されています。今回、さらに養血安眠の竜眼肉、眼を滋養するクコの実をプラスしました。

豚肉は、脾胃、腎に作用し、体内の水分を補い、目眩、耳鳴、口渇、空咳、便秘などに働きます。

【茯苓松葉焼き】
松葉焼きレシピの片栗粉の分量の半分を茯苓粉に変えて、ケシの実の代わりに黒ゴマをトッピング。

茯苓は、心、脾、腎に作用し、利水作用により余分な湿を取り除き、消腫、疲労、不眠、健忘などに働きます。

黒ゴマは、肝と腎を滋養し、養血、皮膚の乾燥や便秘などに働きます。黒ゴマが白髪に良いとされるのは、腎に作用するためです。

鶏肉は、脾胃に作用し、気を補い、虚弱体質、食欲不振、下痢、不正出血、帯下、咳などに働きます。

【栗きんとん】
栗きんとんをきれいな黄色に仕上げるクチナシの実は、山梔子という生薬。山梔子は、清熱作用により余分な湿を取り除き、解毒作用があります。

さつまいもは、肺・脾胃・腎・肝に作用し、臓器の気を補い、脾胃を健康にし、通便を良くし、がん予防に最も用いられる食材です。

栗は、脾胃、腎、心、肺、大腸に作用し、活血止血作用があり、冬に養いたい腎を滋養します。腎は、成長や老化に関わる臓器。腎を養うことで、骨や歯が強くなり、物忘れ予防、耳の聞こえが良くなり、白髪予防などアンチエイジングに働きます。

【お煮しめ】
こんにゃく、椎茸、にんじんのお煮しめは、だし汁、醤油、黒砂糖、みりんのみを使用した無添加おせち。

こんにゃくは、脾胃、肺、大腸に作用し、清熱、解毒作用があります。

椎茸は、胃を健康にし、不正出血、がんの出血に働く止血作用があります。また、コレステロール、中性脂肪を低下させ、動脈硬化を防ぎます。抗がん作用、免疫機能を強化します。

にんじんは、脾胃、肺、肝に作用し、血を養い、目の乾燥、かすみ、視力低下、咳、乾燥肌などに働きます。また、抗がん作用、免疫機能を強化します。

【れんこんのきんぴら】
れんこんのきんぴらは、ごま油で、れんこんを炒め、黒砂糖、醤油、みりんで味付け。仕上げに白ごまを入れました。

れんこんは、止血により不正出血などを改善します。

白ごまは、脾、肺、大腸に作用し、皮膚の乾燥、便秘などに働く他、脳の働きを高めると言われています。

【海老とホタテのうま煮】
海老とホタテのうま煮は、だし汁、醤油、みりんのみを使用した無添加おせち。

海老は、肝と腎に作用し、陽を補い、腎を滋養する食材なので、寒い冬にオススメの食材です。

ホタテは、脾胃、肝、腎に作用し、体内の水分を補い、目眩、耳鳴、口渇、便秘などに働きます。

【平飼い卵の伊達巻】
平飼い卵とハチミツで作る伊達巻。

卵は、心、肺、肝、腎、脾に作用し、体内の水分を補い、血を養い、空咳、口渇、不眠、精神不安、目眩、安胎などに働きます。
安い卵は、劣悪な環境で、抗生物質、ホルモン剤など投与された鶏から生まれた卵なので、間接的に毒を摂取しているのと同じです。なるべく平飼い卵をオススメします。

薬膳は、食材そのものが持つ効能を知り、自分や家族の体質や体調に合わせて、身体の弱っている機能を補ったり、不調や病状を改善することによって、日々の健康を保ち、未病、防がんすることができます。

私達は、口から食べるものだけでなく、目で見るもの、鼻から嗅ぐ香り、耳から聞くものなど、心と体に入るものから作られています。

新しい年も、心と体を健やかに保つ良いもので満たしていきたいと思います。

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