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覗き

5月も中旬に差し掛かり、初夏を思わせる気候が続いていて。

扉も窓も開け放し、開放感溢れる状態で営業をしています。

寒い季節のうちしか知らない人は、あの薄暗く閉鎖的なお店が、こんな事になるのかと、驚きを隠せないでしょう。

そんな開放感のあるお店で仕事をしていると、一日に何度かある事が起こります。

それは、覗き。

開け放たれた窓から店内を覗き込む人がいるのです。

多分、確認。

うちのお店は少し分かりづらいので、この店であっているかどうかの。

窓から覗き、

「ああ多分ここだ」

もしくは

「やってる」

この言葉までがセットで。

その後、階段を降りてきて、普通に注文するんだけどさ。

覗かれるのって気分が悪くて。

というか、少し怖くて。

パソコンでこの文章を書いていると、急に視線を感じる時があるんです。

そちらを振り向くと、覗き込んでる人と目があって。

恐怖。

その後、買いに来たとしても、あまり良い印象は持てない。

はっきり言おう。

ちょっとばかだと思ってしまう。

確かにうちは分かりづらい。

その自覚はある。

でも、覗き込むのは違う。

違うっていうのは、人として違くないかと。

覗かれた経験がある人は少ないと思いますが、まあまあ怖い。

35歳、男性、でも、怖いし、気持ち悪い。

あと、やっぱり思う。

ばかじゃないかと。

だってさ、うちのお店を目指して来たんでしょ?

看板があり、テラスにはイスが出ていて、SNSも毎日更新している。

それなのに、看板を無視し、イスを避けて窓に近づき、覗くんだぜ。

どういう神経してんのよ。

これがね、窓が閉まってる時なら分かるの。

空間が隔たれていると、心理的に覗きやすいし、僕もそこまでは気にはならない。

でもだ、窓は開いてるんだ。

言ってしまえば同じ空間なんだ。

それを自分が一方的に覗き込んでいると思っているのが、理解出来ないのだ。


『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』



覗きという行為でお店を確認している時、店内にいる僕はあなたの品位を見定めています。

遠くから見るだけじゃ駄目なのかな。

普通に階段を下りて、店内を確認するじゃ駄目なのかな。

窓から覗くって趣味悪いよ。

もしかして、普段からしているの?

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