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私たちは "高齢者や障害者が日常生活で抱える課題" や、"その解決に取り組む挑戦者の声" を発信し、その声に呼応して集まったメンバーによるコミュニティを通じて、課題解決を加速させたいと思っています!(スキやコメント、フォローが励みになります、嬉しいです!)

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記事一覧

固定された記事

こんにちは、”Inclusive Hub”です。

⭐ ”Inclusive Hub”とは   日本を「100人の村」に例えると、高齢者が26人、障害者が7人を占めます。過去にそうした方々の不自由の解消から発想され、世の中全体を便利…

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7か月前
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【しんけい #7】商店街のお茶屋から、難病救助隊の隊長へ

今井 啓二さん(前編)  ALS(筋萎縮性側索硬化症)など難病患者や重度障害者の方のコミュニケーションをICTを活用して支援するNPO法人『ICT救助隊』。今井さんは、その…

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12時間前
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【こころ #41】大人の発達障害当事者の声を届ける

嘉津山 具子さん  内閣府による障害者差別解消法についての関係者ヒアリング。それを傍聴する機会を得たことが、嘉津山さんが金子磨矢子さんとともに『発達障害当事者協…

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1日前
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【こえ #43】“取り戻した声”に理解がない世間の目

佐藤 秀紀さん  令和2年。その前年の末に中国で確認された原因不明のウィルスは、日本において2月には『指定感染症』に指定され、感染が一気に広がる中、4月には『緊急事…

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4日前
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【みみ #22】聞こえる人と聞こえない人をつなぐ仕事

石野 麻衣子さん  第18話と第19話でご紹介した松森さんとのコミュニケーションをつないでもらったのが、手話通訳者である石野さんだ。  石野さんの手話との出会いは、…

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5日前
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【め #27】視覚障害のあるユーザーのフロントは自分

大澤 和澄さん  大澤さんは、第19話及び第20話でご紹介した千野さんが代表を務める、スマートフォンアプリと靴につける振動インターフェースで視覚障害者の歩行をナビゲ…

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6日前
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【こころ #40】従来の障害福祉の枠を超えて生み出す

Tenさん  見えづらい困りごとや特性を持つ当事者と共創するインクルーシブデザインを展開する合同会社Ledesoneを立ち上げたTenさんとの会話は、「僕自身も当事者で、LDと…

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7日前
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【しんけい #6】神経難病専門の言語聴覚士(ST)

山本 直史さん  山本さんは、神経難病専門の言語聴覚士(ST)である。ALS(筋萎縮性側索硬化症)など難病患者や重度障害者の方のコミュニケーションをICTを活用して支援…

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8日前
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【こえ #42】もう一度声が出せると知って見えた未来

梅木 正仁さん  「建設業だから、現場で声が出ないと仕事にならない」。喉から声が出づらくなり、近くの耳鼻咽喉科で薬を処方されても全然改善せず、その後、別の病院で…

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11日前
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【みみ #21】聞こえる方に、ただ理解してもらうために

麻野 美和さん & 塩谷 和子さん  第15話でご紹介した、娘さんの片耳難聴が発覚した瀬川さんが頼った先が、片耳難聴の情報・コミュニティサイト『きこいろ』。瀬川さんが…

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12日前
4

【こころ #39】圧倒的に得意な凸で価値を届ける起業家

竹島 雄平さん  発達障害は、得意と不得意の凸凹とも表現される。竹島さんは、凹の部分で苦しんだ経験も梃子に、圧倒的に得意な凸の部分を活かして新しい価値を届けよう…

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13日前
4

【め #26】Go beyond 2020(東京2020を超える)

濵井 南咲希さん  上智大学には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに立ち上がり、共生社会を目指して活動する『Go Beyond』という学生団体がある。20…

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2週間前
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【しんぞう #2】健常者と障害者の狭間での「執筆活動」

古川 諭香さん(後編) (前編から続く) 「単心室・単心房症」という先天性心疾患や「無脾症」、「内臓逆位」といった病気を持つ、古川諭香さん。幼少期に周囲の大人か…

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2週間前
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【しんぞう #1】「会社員」になれなかった先天性心疾

古川 諭香さん(前編) “魚の心臓”と例えられることもある「単心室・単心房症」は左心房と右心房を分ける壁が存在せず、心室や心房がひとつしかない先天性心疾患。難病…

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2週間前
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【こころ #38】制度の外側から当事者の“家族”を支える

林 晋吾さん  林さんは、うつ病や双極性障害など精神疾患を抱える方のご家族やパートナーの方向けの無料コミュニティサイト『encourage』を運営する株式会社ベータトリッ…

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3週間前
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【こえ #41】女性目線の当事者経験を受け取り届ける

山田 昌美さん  山田さんは、ご自身と同様に声帯を摘出し声を失ってしまう状況に直面した女性から、こう言われた。「先生(医師)に聞いてもわからないことや知らないこ…

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3週間前
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こんにちは、”Inclusive Hub”です。

こんにちは、”Inclusive Hub”です。


⭐ ”Inclusive Hub”とは 
 日本を「100人の村」に例えると、高齢者が26人、障害者が7人を占めます。過去にそうした方々の不自由の解消から発想され、世の中全体を便利にしたものは、電話、タイプライター、リモコンなど数多くあります。同じように、日本が世界に先んじて直面する「高齢障害社会」からこそ新しいものを生み出したい。

 その目標に向けて、東京都の支援の下、不自由への想像力を広げ

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【しんけい #7】商店街のお茶屋から、難病救助隊の隊長へ

【しんけい #7】商店街のお茶屋から、難病救助隊の隊長へ

今井 啓二さん(前編)

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)など難病患者や重度障害者の方のコミュニケーションをICTを活用して支援するNPO法人『ICT救助隊』。今井さんは、その理事を務める。

 しかし、本業は「商店街のお茶屋」だった。ただ、仕事には全く関係なかったが、中学時代からアマチュア無線にいそしみ、手作りの衛星を打ち上げてパケット通信するプロジェクトにも参加するなど、「商店街では有名な“パソ

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【こころ #41】大人の発達障害当事者の声を届ける

【こころ #41】大人の発達障害当事者の声を届ける

嘉津山 具子さん

 内閣府による障害者差別解消法についての関係者ヒアリング。それを傍聴する機会を得たことが、嘉津山さんが金子磨矢子さんとともに『発達障害当事者協会』を創設するきっかけだった。

 そのヒアリングでは、車いす利用者、酸素マスクを装着した難病患者、手話を使う聴覚障害者など様々な障害のある当事者自身が、それぞれの障害への“合理的配慮”を求める状況を説明していた。しかし、発達障害だけが「

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【こえ #43】“取り戻した声”に理解がない世間の目

【こえ #43】“取り戻した声”に理解がない世間の目

佐藤 秀紀さん

 令和2年。その前年の末に中国で確認された原因不明のウィルスは、日本において2月には『指定感染症』に指定され、感染が一気に広がる中、4月には『緊急事態宣言』が発出された。その年は、初動対応の遅れなども批判された『コロナ“禍”』の始まりだった。

 同じ頃、佐藤さんの喉(のど)には、別の“禍(わざわい)”が一気に広がっていた。『緊急事態宣言』の頃からか、喉が「最初はもじょもじょとい

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【みみ #22】聞こえる人と聞こえない人をつなぐ仕事

【みみ #22】聞こえる人と聞こえない人をつなぐ仕事

石野 麻衣子さん

 第18話と第19話でご紹介した松森さんとのコミュニケーションをつないでもらったのが、手話通訳者である石野さんだ。

 石野さんの手話との出会いは、中学2年の時。たまたま手話ができた先生を中心に学内で手話サークルが立ち上がった。子供心に「“見てわかる言葉”が面白かった」。勉強するうちに「ハマってハマって、いつか聞こえる人と聞こえない人をつなぐ仕事をしたい」と頭に浮かんだ。

 

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【め #27】視覚障害のあるユーザーのフロントは自分

【め #27】視覚障害のあるユーザーのフロントは自分

大澤 和澄さん

 大澤さんは、第19話及び第20話でご紹介した千野さんが代表を務める、スマートフォンアプリと靴につける振動インターフェースで視覚障害者の歩行をナビゲーションする『あしらせ』を開発・販売する株式会社Ashiraseで、顧客の成功体験を実現する『カスタマーサクセス』というポジションで活躍されている。

 前々職はBtoBの企業に勤め、仕事の目的はあくまで「企業のメリット」だった。前職

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【こころ #40】従来の障害福祉の枠を超えて生み出す

【こころ #40】従来の障害福祉の枠を超えて生み出す

Tenさん

 見えづらい困りごとや特性を持つ当事者と共創するインクルーシブデザインを展開する合同会社Ledesoneを立ち上げたTenさんとの会話は、「僕自身も当事者で、LDとAD/HDです。」から始まった。

 Tenさんのお話の前に説明しておくと、『発達障害』は大まかに以下の通り分類される。

コミュニケーション能力や社会性に関連する『広汎性発達障害』(自閉症やアスペルガー症候群など)

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【しんけい #6】神経難病専門の言語聴覚士(ST)

【しんけい #6】神経難病専門の言語聴覚士(ST)

山本 直史さん

 山本さんは、神経難病専門の言語聴覚士(ST)である。ALS(筋萎縮性側索硬化症)など難病患者や重度障害者の方のコミュニケーションをICTを活用して支援するNPO法人『ICT救助隊』が主催する『難病コミュニケーション支援講座』に参加した際に、講師として登壇されていた。

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)が障害をうけることで

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【こえ #42】もう一度声が出せると知って見えた未来

【こえ #42】もう一度声が出せると知って見えた未来

梅木 正仁さん

 「建設業だから、現場で声が出ないと仕事にならない」。喉から声が出づらくなり、近くの耳鼻咽喉科で薬を処方されても全然改善せず、その後、別の病院で検査し声帯の下あたりに『喉頭がん』が見つかった。

「退職まであと1年」と迫った64歳での出来事。声が出なくなり、仕事が出来なくなるが、声帯を「取らないという選択肢はなかった」。さらに、転移ではないが、肺にも別の癌が見つかった。輪をかけて

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【みみ #21】聞こえる方に、ただ理解してもらうために

【みみ #21】聞こえる方に、ただ理解してもらうために

麻野 美和さん & 塩谷 和子さん

 第15話でご紹介した、娘さんの片耳難聴が発覚した瀬川さんが頼った先が、片耳難聴の情報・コミュニティサイト『きこいろ』。瀬川さんが「ファンになった」と話された運営当事者の一人が、麻野さんだ。

 麻野さんは、子供の頃に左耳が難聴で、周囲の理解を得られない場面に直面してきた。子供心に、「口では“大切なものは目に見えない”なんて言うのに、“目に見えない”自分の難聴

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【こころ #39】圧倒的に得意な凸で価値を届ける起業家

【こころ #39】圧倒的に得意な凸で価値を届ける起業家

竹島 雄平さん

 発達障害は、得意と不得意の凸凹とも表現される。竹島さんは、凹の部分で苦しんだ経験も梃子に、圧倒的に得意な凸の部分を活かして新しい価値を届けようとしている、当事者起業家だ。

 小中高は、「人との会話を活発にする反面、集中力が持続しないネガティブな部分で苦しんだ」。当時は『発達障害』なんて診断される時代じゃなく、読み書きと理解力は段違いに早く英語も得意な一方で、「先生からは問題児

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【め #26】Go beyond 2020(東京2020を超える)

【め #26】Go beyond 2020(東京2020を超える)

濵井 南咲希さん

 上智大学には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに立ち上がり、共生社会を目指して活動する『Go Beyond』という学生団体がある。2020年の前に開催された平昌冬季パラリンピックに調査派遣された学生2名が「様々な違いを超えてその場で感動を共有しあう姿に心を打たれた」ことが発足の原点で、濱井さんは現在、5代目の代表を務める。

 『Go Beyond』には

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【しんぞう #2】健常者と障害者の狭間での「執筆活動」

【しんぞう #2】健常者と障害者の狭間での「執筆活動」

古川 諭香さん(後編)

(前編から続く)

「単心室・単心房症」という先天性心疾患や「無脾症」、「内臓逆位」といった病気を持つ、古川諭香さん。幼少期に周囲の大人から受けた対応で、「差別」というものがこの世にあることを知った。

また、社会人としての一歩を踏み出そうとした時には目で見えない内部疾患を伝えることの難しさに直面。数多くの不採用通知に絶望し、ようやく雇用された会社では持病と上手く付き合う

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【しんぞう #1】「会社員」になれなかった先天性心疾

【しんぞう #1】「会社員」になれなかった先天性心疾

古川 諭香さん(前編)

“魚の心臓”と例えられることもある「単心室・単心房症」は左心房と右心房を分ける壁が存在せず、心室や心房がひとつしかない先天性心疾患。難病指定されており、現在の医学では根治が難しい。

そんな病気と生きてきた古川諭香さんは脾臓がない「無脾症」や「内臓逆位」など、心臓病から起因する病気も数多く持っている。

「昨日仲良く話していた友達が急変して、翌日に病室からいなくなってしま

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【こころ #38】制度の外側から当事者の“家族”を支える

【こころ #38】制度の外側から当事者の“家族”を支える

林 晋吾さん

 林さんは、うつ病や双極性障害など精神疾患を抱える方のご家族やパートナーの方向けの無料コミュニティサイト『encourage』を運営する株式会社ベータトリップの創業者だ。

 『encourage』では、匿名の掲示板を使ってご家族やパートナーの方同士が悩み相談や情報交換ができ、抱えがちな困りごとや支援制度について専門家が監修した記事やコラムを読むこともできる。2017年9月から運営

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【こえ #41】女性目線の当事者経験を受け取り届ける

【こえ #41】女性目線の当事者経験を受け取り届ける

山田 昌美さん

 山田さんは、ご自身と同様に声帯を摘出し声を失ってしまう状況に直面した女性から、こう言われた。「先生(医師)に聞いてもわからないことや知らないことが、山田さんのインスタにすべて出ていた。しかも女性目線で」。そこを共有することに「価値があるんですよ」と、山田さんは笑顔で教えてくれた。

 山田さんは、症状が出始めた頃を「自分のことを後回しにしていた」と振り返る。お母様が認知症を発症

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