能力が、思わぬところでジャマをするお話。

速読能力は天下一品のソウ マチです☆ 天下一品のラーメンを食べるのは遅い(ねこ唇だから熱いとヤケドする)ですけれど、速読は天下一品です! 爆速で読みます!

小学生になる前だったかな? IQテストを受けたところIQの数値がグレーゾーンで、ずいぶんと親を心配させました。今なら説明できる! 解答用紙の印刷がズレていて、わたしはそれが気になっていたのです!「この線はクニャっとなってるけど、なんでだろう? なにか理由があるのかな?」そう考えているうちにタイムオーバー。結果、グレーゾーン(;^ω^) ビビりだから、テストと関係ない細かいところが気になるねん(;^ω^)

そうは言ってもやっぱりアタマは悪かったのかなぁ? 小学校低学年の頃は、お勉強ができませんでした。さんすうはもちろん、ひらがなも漢字もニガテだった。文字の「とめ」や「はね」の概念が理解できず、正しく書けない。それだけでなく鏡文字(鏡に映したように反転した文字)を書いたりしていました。そういえば、ほんの数年前まで鏡文字を書くことができた。反転だけじゃなく逆さ文字も書けてた。人と向かい合って話しているときに、サラサラと相手が読める向きで文字を書いて「よく逆さに書けるねぇ!?」そう感心されていました。今はできません。鏡文字って子どもの頃はフツーに書けるらしいですけれど、大人になると書けなくなるらしい。わたし、数年前まで子どもだったのでしょうか? いま51歳なのですが(;^ω^)

お勉強ができるようになったのは「本」と出会ったからです。いろいろな本を読んでいるうちに知識が増えて、学校のお勉強が得意になった! それに本を読んでいると楽しい! 主人公といっしょに冒険に出たり、不思議な世界をさまよったりできる! 本っておもしろい! 

乾いたスポンジが水を吸収するように、幼いわたしは本の知識を吸収してゆきました♪ 世界にはいろいろな人がいる! 見たことも聞いたこともない事象があふれている! そして常識を超えた楽しい想像の世界が広がっている!

当時はずうううっっっっと本を読んでいました。だって面白いんだもん。歩きながら本を読んでよく叱られていました。中学生になっても高校生になっても本は一番のお友だちでした。いつでも本と一緒♪ 社会人になってからも読書は続き、とうとう「本が読みたいから」というアホな理由で仕事を辞めて、それからずっと読書が生活の中心でした。最低限の生活費を稼ぐために働いて、あとはずっと読書三昧。さいわい実家暮らしだったので困ることはなかった。

結婚してからも読書生活は続きました。子どものいない主婦だったので、時間は無限にあった。仕事で留守がちな夫に会えなくても平気です。だって本があるから。書店と図書館とレンタルコミック店をハシゴして、本や漫画を読み漁っていました。読んだ冊数は莫大な数になると思います。1日でハードカバーの本を3冊読んだりしていました。

そうなのです。たくさん本を読んでいるうちに、速読ができるようになったのです。気づけばものすごい速さで本を読むようになっていた。無意識に文字の羅列をカタマリにして、ブロックごとに読む感じです。キャラの名前は文字でなく一つの記号として認識している。「華両院きせるぎ」というキャラは〇、「ジャーマス・トマソン」は◇、華両院きせるぎがジャーマス・トマソンを殴ったら「〇は◇を殴った」と認識して読む。

さらに文章の始めで文末が予想できますから、それも記号として認識する。始めが「よもや」なら「~なかった」と否定形で終わりますし、「ましてや」なら後に説明がくる。他にも「ある日」ならイベントが起こるし、情景描写はキャラの心情描写でもある。小説には共通したルールのようなものがあって、そういうのも記号として認識できるのです。うまく説明できなくて、すみません。ノリというか流れがあるのです。だから300文字くらいの文章がアタマの中で「〇が◇を☆して♪した」に変換される。めっちゃ短くなる。結果、爆速で本を読む。

これ、すごく困るのです! すぐに読み終えてしまうので、読む本がなくなってしまう! わたしは本の世界で楽しみたいのに、すぐに冒険が終わってしまう!! ですから3日に一回は図書館へ行っていました。同じ図書館だと怪しまれるから市内の5館をまわっていたけど、今思えば返却する本で異常に利用回数が多いとバレてたな。

重度の活字中毒だったわたしが本を読まなくなったのは、皮肉な理由でした。それまで呼吸をするように読書していたのに、パッタリ読まなくなってしまった。なぜか??











作家になってしまったからです。

作家になる前は純粋に物語の世界を楽しんでいたのに、楽しめなくなってしまった。「この本がおもしろい理由はなんだ? わたしのお話に使えないかな?」「この言い回しは良いな! わたしのお話に使えないかな?」 楽しむはずの時間が仕事になってしまう。これはキツイ!!

さらに書店さまや図書館さまに顔バレしたのも大きな理由でした。作家になる前は気兼ねなくウハウハな本やウフフな本を読んでいた(←内容はご想像におまかせします)のに、顔バレしたら恥ずかしくて読めない! 変態だと思われてしまう(←本の内容はご想像におまかせします)!! 店員さまや司書さまは気にしていないと思うのですけれど、わたしは気になるのです! そしてパタリと本を読まなくなった。そして本を書くようになった。

せっかく速読能力があるのに宝の持ち腐れです。もったいない。ところがこの能力が、思いもかけないところで思わぬ結果を招きまして……。




めっちゃ苦労しています(;^ω^) 

登録販売者のお勉強で、のたうちまわって苦しんでおります! 能力のせいでお勉強が進まない!!

登録販売者というのはお薬に関する資格です。クスリの名称がアホほど出てきます。そのクスリの名前がエチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン……(涙)。おわかりくださいますでしょうか? 速読能力がバケモノのわたしからすると、ぜんぶ同じ記号にしか見えないのです(涙)。文字の形で無意識に記号化するので、ぜんぶ同じに見えてしまう(涙)。ジプロフィリンもアミノフィリンもテオフィリンも同じ(涙)。でも試験では個別の違いを問われます。ですから一つひとつを記憶しないといけないのですけれど、はっと気づけば記号化してる(涙)。ぜんぜんおぼえられない(涙)。

ここ数日、たったの1問も進まず難儀しております。解答を読んでも意味がわからない。クスリの名前が頭に入ってこない(涙)。

この能力、いらんなぁ(涙)。なんとかして捨てられないかな??(涙)。


サポートも嬉しいですけれど、拙書「姫さまですよねっ!?」をぜひご笑覧くださいませ(^▽^)/ 愉快で楽しい本です♪♪