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古の神が住んでいる!カンボジアシェムリアップ【DAY11-13】|働きながら世界一周

タイから国境を越えて、カンボジアにやってきた。
日本ではあり得ない、陸路での国境越え。これから何回も経験すると思うけど、一定の諸手続きと数十歩歩けば国が変わるなんて、不思議な感覚だ。

さて、カンボジアのシェムリアップに3泊4日の滞在をしていたわけだが、私は初日でカンボジアのことが好きになった。人々の優しさやホスピタリティと、本当に古の神が住んでいるんじゃないかと思うくらい、そこだけタイムスリップしたような、偉大な遺跡の数々、そして美味しいご飯。遺跡は、本当に神様が住んでいるような場所に自分がいる気がして、日本でいう神社に行ったみたいな気持ちに近いかもしれないが、壊れてしまったものに新しく木々が生命を育む姿にも心打たれた。

遺跡と共存する木々の根

カンボジアはアジアの中でも最貧国で、今回私が見たのは一般的な観光客の視点から見た表の姿がほとんどだろう。裏ではきっと貧困にあえぐ人も多くいるに違いない。そのせいなのかは分からないけど、カンボジアの人は基本穏やかではあるがお金にはがめつい気がする。観光地ならではの強引な客引き(結構しつこかった)には少し辟易したけど、それでも、とても素晴らしい場所だと思った。

そして何より、今カンボジアが平和であって、本当に良かったと思った。遺跡を見て回るうちに、カンボジアの歴史に興味を持ち、いろいろと調べてみたら、内戦により多くの人が亡くなった悲しい過去もあることがわかった。

近所の子供達が無邪気に遊んでいたり、上裸のおじさんがハンモックに揺られ昼寝をしていたり、仕事帰りの若い女性たちが屋台の麺をすすっていたり、そういった風景も平和だからゆえ。

そんな平和への感謝を込めながら、カンボジア滞在記を書いていきたいと思う。

1.タイからカンボジアへの移動

バンコクのホテルを朝6時くらいに出発をして、初めてバンコク市内を走る路線バスに乗る。日本で乗るようながっしり重厚感があるようなものではなく、車体は少し錆びつき窓は全開、開放感に溢れたノスタルジーなバスだったけど、バスがスピードを出すと朝の爽やかな風を浴びることができる。

バスは、乗務員がいて、行き先を伝えてその分の乗車料を払うスタイル。8バーツだったので、32円くらいの乗車料と思うと安い。

30分くらい乗ったところで、カンボジア行きのバスに乗れるバス会社の最寄りにつき、バスを降りた。今回のカンボジア行きバスチケットだが、「12go Asia」というサイトで事前にバスチケットをとっていた。値段は日本円で6,000円ちょい(手数料込み)。

バス停から10分ほど歩き、バス会社に向かう。事務所にはすでに何人かの乗客がおり、準備を待っていた。

事前にカンボジア行きのe-visaを取得していたが、印刷していなかったので、1度バスに乗った後、事務所で印刷してこいと言われ再度事務所に戻る羽目になった。

バスは新しくて、綺麗、Wi-fiも電源もあり、と、ネパールのときに乗った長時間バスに比べればだいぶ快適。

8時前くらいにバスが出発し、途中休憩を挟みながらカンボジアのシェリムアップに向かう。途中菓子パンや水、軽食が提供されたりもして、なかなかの高待遇。国境を越える際の注意事項などを添乗員の方が話していたが、半分くらいしか理解できなかった。

少し寝たり、バスの中でオンラインMTGをしたりしながら、あっという間に時間が過ぎ、11時半ごろだろうか。バスが国境付近に到着をする(ポイペトという街)。

添乗員さんが俺についてこい!みたいな感じで、タイの出国センターに連れて行ってくれる。そこまで人も多くなく、普通にパスポートを見せてスムーズに出国。そこから1度建物を出ると、カンボジアへの入国するゲートが目の前に見える。おお、これが国境か!

カンボジアに入国

1人で少しテンションが上がりながら、100メートルほど歩き、それからカンボジアの入国センターに入り、パスポートや入国情報の紙、e-visaを見せて入国。ここもスムーズに審査が終わり、あとは建物の1階で他の乗客やバスが来るのを待つみたいな流れ。人も多くなかったからか、一通りの手続きで15分も掛からなかった気がする。

その後バスに乗るまで時間があったので、同じく女性1人でバスに乗っていた同じ年齢くらいの人に話しかけてみた。どこの出身なんですか?と聞いたら、私のヒアリング力が正しければシリアと言っていた。
その人も仕事をしながら、海外を回っているらしく、カンボジアには1ヶ月ほど滞在すると言っていた。私が5月くらいに中国に行くという話をしたら、中国は北京に行ったけど、皆英語喋れないし、google mapも使えないから不便だし、あんまり快適じゃなかった!みたいなことを言っていた。

ちなみにカンボジアに入国して入国センターを出た瞬間、たくさんのトゥクトゥクおじさんや物売りの方が絡んできた。こういう雰囲気は、ちょっとタイと違うな、と思いつつ、またバスに乗り込み、シェムリアップを目指して出発。

何もない大地

到着の予定は16時だったけど、15時には、シェリムアップに到着をした。

2.初めてのシェリムアップの夜

バスを降りると、たくさんのトゥクトゥク勧誘のおじさんが待っていた。私のホテルは、バス降車場所から歩いて5分もかからない場所だったので、歩いて行こうと思っていたが、あいにくトゥクトゥクお兄さんにつかまってしまったので、ホテルまで乗せてもらうことにした。

トゥクトゥクのお兄さん

お兄さんの名前はPichと言い、私より1個年上とのこと。

今回カンボジアで何をするか、アンコールワットに行くくらいしか決めていなかったので、お兄さんがいろいろと提案してくれたものに乗っかることにした。

ホテルにチェックインすると、ホテルのスタッフの皆さんが全員笑顔で迎えてくれた。まだ3カ国目だけど、今回のホテルは1番ホスピタリティが高いところかも。部屋に入ると、ベッドに装飾が、、旅の疲れもあったので、とても嬉しい心遣いだった。

歓迎のアート

少しホテルで仕事をして、夜はシェムリアップのパブストリートを言われる、1番の繁華街へ、トゥクトゥクのお兄さんに連れて行ってもらった。

さて、何を食べようか。カンボジア料理かな!

屋上のテラスで街並みや空を眺めながらご飯を食べられるレストランがあったので、そこに行ってみることにした。お店は全く混んでなく、すんなり入れたので、まずはカンボジアビールを注文!さっぱりしていて飲みやすい。

暑い中で飲むビールはうまいよね

メニューを見てもいまいち何が何だかわからなかったので、お店のお姉さんにおすすめを聞いたら、クメール風のレッドカレーをおすすめされたので、それを頼むことにした。あとはパパイヤサラダ!

 パパイヤサラダ
レッドカレー、野菜がたくさん入ってる

生暖かい風が吹いて、とても気持ち良い。
注文したクメール風のレッドカレーは、全然辛くなくて、むしろかぼちゃのようなものが一緒に煮込まれていて、甘くて美味しかった。

その後、疲れた体を恒例のマッサージで癒しに行った。ネパール、タイ、カンボジアとそれぞれマッサージを受けたけど、カンボジアマッサージはまた他のどれともまた違ったような形だった。腸マッサージもしてくれて、これがめちゃくちゃ痛かったんだけど、気持ちよかった。

そして今回のカンボジアの旅での1回目の失敗。マッサージ代金は14ドルだけど、マッサージをしてくれたお姉さんにチップを渡そうとして、20ドルを渡してしまった。サービス料金より高いチップ料金を払う客がどこにいるのだろう、、そしてなぜそんなことをしてしまったのかも未だわからない、、苦笑

マッサージ屋さんを出てしばらく後悔の念に襲われたが、マッサージは気持ちよかったし、お姉さんやその周りの人が少し幸せになるならそれでいいか、と割り切ることにした。

色合いが素敵な路地

3.仕事、のちハード観光

その夜はホテルでゆっくり休んで、次の日朝から仕事、13時から遺跡周りの旅が始まる。

仕事→暑くなったらプールで泳ぐという素敵なワークスタイル

あまり前提知識を持っておらず、本当に今回トゥクトゥクのお兄さんにおんぶに抱っこの観光だったのだが、まずはチケットセンターに行って、3日間分のチケットを購入。値段は62ドル。

アンコールワットは、次の日朝日を見に行くことにしたので、今日行ったのは、プリヤカーン、ニャック・ポアン、タ・ソム、東メボン、プレループの5つ。

基本はトゥクトゥクで移動だから楽ではあるんだけど、なにしろカンボジアのこの季節の午後の気温は40度。炎天下の中、遺跡の急な階段を登る場所もあったりして、本当にハードだった、、トゥクトゥクのお兄さんが冷たいおしぼりと水を提供してくれて、ありがたかった。

ただそんなハードさを乗り越えるくらいの美しさや神々しさが遺跡にはあって、5つ行ったところ全部違っていて、それぞれ素晴らしかった。

プリヤカーン
崩れているのも歴史を感じさせる
タ・ソム
東メボン
東メボン
プレループの夕日

個人的には最初のプリヤカーンの、神聖で静かだけど迫力を感じる雰囲気にまず感動をした。東メボンやプレループの高い塔から見下ろす景色もよかった。いずれにせよ、こういった遺跡が10〜12世紀に作られて、今も残っていること自体もすごいし、1,000年という期間で栄枯盛衰があって、それを積み上げて今があるって、なんかロマンを感じるよね。

さて、13時にホテルを出て、ホテルに戻ってきたのが18時くらいだった気がするけど、本当に体が熱っていて、ホテルについているプールで体を冷やすことにした。夕日を見ながら、重力を感じずに水にぷかぷか浮いている時間は、自分が無になれる気がして幸せだった。

4.屋台のおじさん〜食い逃げ事件〜

その日の夜ご飯は、ホテルの近くにあるご飯屋さんを散策したのだけど、歩いて5分くらいのところに、美味しそうな屋台麺のお店を見つけて、買ってみることにした。

本当に道沿いに屋台があって、机と椅子が並べられているような感じなんだけど、私の前に現地のお姉さんが頼んでいるやつが美味しそうで、同じやつを頼んだ。

おじさんが作る激うま麺

屋台はおじさんがワンオペでやっていて、カンボジアの方には珍しくあまり英語が話せなさそうな感じだった。ジェスチャーでなんとか頼んで、好きな麺を選んで作ってもらう。頼んだやつを席で食べようとしたところ、席が埋まっていて座れない。

どうしよう。そうだ、ホテルで食べようと思い、こぼれないように大事にプラスチックのお椀を持ちながら、歩いて5分のホテルに戻る。

よし、食べよう!と思った瞬間、自分が支払いを忘れていたことに気が付く。普通に食い逃げじゃないか、、、

焦る気持ちと目の前で私を待っている麺、、冷めてしまうからとりあえず食べからお金を渡しに行こうと決めて、とりあえず食べることにした。

クイティウ

まずはスープ。うん、シンプルな味に少しスパイシーさや香草の香りがあいまって美味しい。麺も美味しい。

あとから調べたけど、どうやらクイティウって米粉麺で、スープは鶏や豚っぽい出汁に東南アジアの醤油のようなものが入っている気がする。

食べ終わって、21時30分くらいだろうか、また屋台に戻って、おじさんにお金を払いに行く。そうすると、肝心の屋台がない!!!
隣の屋台のお兄さんに聞いたところ、「もう帰っちゃったよ」とのこと。

なんてことだ、、なんてことをしてしまったんだ、、

あんなに美味しい麺を心を込めて作ってくれたのに、、本当に申し訳ない気持ちになって、また明日同じ場所におじさんが来てくれることを願って、再訪することにした。

5.アンコールワットの朝日へ

次の日は、朝5時集合で、アンコールワットの朝日を見に行き、その後さらに3つくらい遺跡を回る予定。

眠い目をこすりながら、準備をしてホテルを出ると、トゥクトゥクのお兄さんがすでに待っていてくれた。ホテルからトゥクトゥクで20分くらいだろうか。国立公園の入場ゲートを通り、しばらくすると、朝早い時間にも関わらず多くの人が集まっている場所があった。そうか、きっとここがアンコールワットか。

お兄さんがおろしてくれて、たくさんの観光客とともに、まだ薄暗い空の中、アンコールワット目掛けて歩く。アンコールワットは見えているものの、遠く、距離を感じる。

入り口の門のようなものを潜り抜けると、すでに空が赤く染まり始めていて、アンコールワットの形もはっきりと見え始めた。

アンコールワットに続く中央の通路は、右と左のそれぞれ中庭のようなもので挟まれており、どちらかというと右の中庭の池の前に大量の人が集まっていた。きっとそこが1番の朝日スポットなんだろう。

朝日を見ようと多くの人が集まる

まだ朝日まで時間があったので、周辺を散策した後、私も池の前に行ってみる。だんだん空が明るくなってきて、太陽が今か今かと出てくるタイミングを伺っているように思えた。ベストスポットで座って朝日を見る、というのが1番快適そうではあったが、すでにたくさん人がいたので、私は適当にうろうろしていた。

そして日の出時間から20分くらい過ぎた頃だろうか。ついに、アンコールワットの背後から太陽が顔を出す。オレンジの光が周辺を照らし、アンコールワットが池に反射して見える。

朝日とアンコールワット

世界遺産や写真で誰もが知っているし、正直写真で見たことあるしなくらいの期待値だったのだけど、それを大きく上回る感動だった。このアンコールワットの朝日は、1000年前と変わらず今もあるのだと思ったら、変わっていくものもあるけど変わらないものもあるということを教えてくれる気がした。

「百聞は一見にしかず」とはよくできた諺だ。私はいま世界一周旅行をしながら、それを感じているんだと思う。

朝日を十分に堪能したあと、アンコールワットの遺跡の中に入った。これもまた、壁画が描かれていたり、遺跡の上階から景色を見下ろしたり、ここに古の王や政治家、仏教徒などがいたということを想像しながら歩いた。

アンコールワットは、さすが有名どころということもあり、日本人観光客もたくさんいた。カップル、Youtuberぽい人、旅人ぽい人などなど、、、今時点では日本人と会えても全く嬉しくないのは何でだろうか。あと、不思議なのが、同じアジア人でもやっぱり日本人は同じ日本人への嗅覚があって、遠くからでも「あ、これ日本人だな」っていうのが瞬時にわかる。私も含めだけど、大多数の人が、平和で温厚でお人好しに見える。悪いことではないと思うけど、だからスリとか狙われやすいんだろうなとも思ったり。

アンコールワットの後、カフェで朝ごはんを食べて、さらにアンコールトム(バイヨン寺)、タ・ケウ、タ・プロームを回った。

アンコールトム

タ・プロームでは、1人客の私を気遣ってか、警備員のお兄さんが映え写真を撮ってくれた。感謝しかない。

タ・ケウのどこまでも続く急で足場も悪い階段が、上りはまだなんとか登るにしても、下りが怖過ぎて足がガクガクして下りられない。手すりなんてものは当然ないから、2本足でおりるのが怖くて、お尻をずりずりと引きずり下りるという何とも恥ずかしい姿。しかも、直射日光で熱々になった石を決死の覚悟で触り、ずりずり下りる。そんな姿をヨーロッパ系の若いカップルに冷ややかな目で見られた。いやいやこれ下りるの絶対怖いって!

どこまでも続く階段その1
どこまでも続く階段その2

その日の観光はお昼前には終わり、午後はホテルで仕事をすることにした。

6.屋台のおじさんとの再会

夜の19時過ぎになって、昨日の食い逃げをしてしまった屋台のおじさんがいるかどうか見に行こうと思い、ホテルを出る。「どうかいてください」と願う心も虚しく、そこには昨日の屋台の姿はなかった。なんでだろう、たまたま昨日この場所に出店していただけだったのか。もうおじさんには会えず、食い逃げした日本人としておじさんの記憶に残るのだろうか。

とりあえず朝ごはん以降何も食べてなかったので、夜ご飯を食べて、それから最後のラストチャンスでもう1回この屋台の場所に戻ってこようと決めた。

カンボジア料理も、初日のレッドカレーから始まり、ロックラック(牛肉を甘辛く炒めたもの)、アモック(魚や肉と野菜をココナッツで煮込んだスープ)など一通り食べてきた。それでなぜか、急にピザとかハンバーガーが食べたくなってくる。

ロックラック withフライドライス
アモック(フィッシュ入り)

一通り周囲を物色した結果、結局客が1人もいないカンボジアレストランに入ることになった。そこで、 鶏肉とカシュナッツの炒め物とごはんをいただく。カンボジアのレストランには、大体追加できる調味料が載ってて、これがまた味変できるのが良い。

味変調味料

美味しくご飯を食べた後、元来た道を戻り、半ば諦め気分で屋台のおじさんを探しに行く。最初行った時間が19時過ぎ、その時はちょうど21時前くらい。

そうすると、何やら見覚えのある帽子をかぶった小柄なおじさんが料理をしているのが見える。もしかして、、と思い近づくと、やっぱりおじさんだった!やっと会えた!!!

興奮する気持ちを抑えきれず早足でおじさんのところに向かい、昨日支払いをしてなかった、本当にごめんと伝えた。おじさんは覚えてくれていて、笑っていた。そしてお会計は1ドル。え、あのクオリティで1ドルは安くないか、、?!コスパも含め、今回のカンボジアベストグルメかもしれない。

余談だが、大体カンボジアのレストランでご飯を頼むと、7ドル〜8ドルくらいする。普通に日本と同じか高いくらい。マーケットや屋台だったらもっと安いけど。観光地だからかな。

兎にも角にも、きちんとおじさんにお支払いをすることができて、本当に心から安心した。これからも美味しい麺を作り続けてほしい。

7.まとめ

そんなこんなでカンボジアの3日間はあっという間に過ぎていった。
次の日(4日目)は、朝に少し観光した後にそのまま空港に向かうという予定だ。

正直4日間では短すぎる滞在だったと思った。もう少し、暮らすように滞在してみて、カンボジアの生活に触れる機会があってもよかったのかもしれない。

また、戻ってこよう。灼熱の赤土の大地へ。さて、次はシェムリアップからプーケットに移動。旅はまだまだ続きます。

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