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Bianchi 新型ORTRE(オルトレ)インプレッション

Bianchi ORTRE(オルトレ)の新作試乗会に行ってきました。
かなり派手目なスタイルと特徴的なハンドル周りが注目を集めましたね。
外付けのエアロパーツがUCI非承認になったり、色々話題に事欠かない1台です。
様々なメディアに今後インプレなどが登場するでしょう。
スズキの目線でどう感じたかも含めてお伝えしようと思います。

フロント周りの空力パーツがすごい!

先ずは注目のコレ!ボーテックスジェネレーター。
UCI規定だと使用不可ですが基本的にはノンカテゴリのレースでは使用可能です。
もしJBCFやニセコクラシックなどでは外しておいた方がいいかも知れません。
外した状態であれば問題ありません。

このパーツの目的は一番影響の大きい「脚」の空気抵抗を減らす事。
この部分で負圧を発生させて空気の流れを整えて脚の部分の乱流を減らしてくれます。

ボーテックスジェネレータはフォーク部にもデザインされています
これはUCI承認済みです。
ヘッド側の外付けパーツのみがUCI規定にある「空力的付加物」と判断されました。

ハンドルもエアロな専用品!

空力的にはかなり影響があると言われているのがハンドルです。中央部に開いてる穴とジェネレータによってライダーの胴体の空気抵抗を減らしています。
ヘッド長を短く取り前面の投影面積をコントロールするのは最近よく見られる手法です。バイクの空気抵抗についてはフロントセクション側の影響がとても大きいのです。
これはかなり考えられた設計だと感じました。

ただその代わりヘッドもハンドル周りもほぼ専用設計となります。
つまり他のメーカーのハンドルなどを使う事は一切できません。_またスペーサーを上側に積む事もできないのでコラムを切らずにハンドルを下げて様子を見て。。。
と言った事も出来ないのです。
かなり思い切った設計ですがフォーミュラカーのようなレース機材と思えば当然かもしれません。

ライディングインプレッション

写真のORTRE ProですがハイエンドのRCもしっかりと乗ってきましたよ。

ORTREに関して思った事は「バイクの動きが軽い!」という事です。
割と奇抜なデザインをしていますが、踏み出しが軽いのは勿論なのですが一番顕著に感じたのは「バイクを振った時の動きが軽い」という事です。
典型的なイタリアンバイクはこれに立ち気味のヘッドアングなどの影響で「ハンドルの切れ味が鋭い」という感じがあります。
しかしこのバイクはハンドリングは安定しています。
スペシャリッシマに乗った時も同様な印象を受けましたので、スケルトンの影響も大きいと思われます。

ORTRE PROはフレームにカウンターヴェイルという衝撃吸収素材が使われています。切れ味の鋭い軽い乗り味のあるバイクは全体的に角が立った感じがするものなのですが、PROに関しては細かい振動だけが「消えている」という印象です。
長時間のライドにはこの特性がかなりプラスに作用すると思います。
長距離を走ったりレースだけではない用途(ロングライドなど)も考えるなら最上位グレードのRCで無くて良いのではないか?と感じました。

空力に関してですが「明確にこのパーツが効いている!」と感じるのが難しいのです。緩斜面の下りでもスピードの乗りが良くてバイクが「流れる」感じがします。
影響の大きいフロント側の設計が効いている事は間違いがありません。
REPART CORSE(レパルトコルセ)のホイールもオーソドックスな造りながら、とてもマッチしていると感じました。
見た目の派手さから少し身構えましたが、走りはとてもスムーズで好印象でしたよ。

RCはカウンターヴェイルを排して、軽量&高剛性を目指したバイクです。
塗装の塗膜すら薄さにこだわっており場所によっては下地が透けて見える事もあるくらい。徹底したレーシングスペックです。
乗った感じは「パリッと軽い」空力性能は同等なのでPROと変わりませんが、登りセクションでの反応性は非常に高くて思った通りにバイクが動きます。
剛性もPROより高く非の打ち所がないレーシングバイクだと感じました。
パッケージが完成されているので「何処かをカスタマイズして」という感じではなくて「このまま乗るのが最高」と言った感じです。

現代のエアロロードは上り性能が劣るなどという事はないのですが、下りが速いのは勿論の事むしろ登り性能の良さが印象に残るバイクですね。

欠点を挙げるならばハンドルを含めて専用設計の部品が多いのでユーザーレベルでの整備は困難です。
また好みのハンドル周りに変えたりといったカスタマイズの余地が少ないこと。
ポジションの自由度が高くない(ハンドル角度が変更できない)のである程度バイクに合わせてあげる必要がある。

見た目の派手さが目を引きますが「老舗の正統派ロードレーサー」という印象でした。

ご質問などあればスズキまでどうぞ。