人事の仕事のやりがいがどうしても見出せない場合の私の考え

人事の仕事がやりたい、という人もいると思いますが、たまたま人事異動などで人事の仕事を担当することになった人もいると思います。

人が好き!会社のみんなを支えるんだ!
って思って頑張っている人がいる一方、
なんぜこんなことをやらなきゃいけないんだ。自分は本当は⚪︎⚪︎がやりたいんだ、とかそんなふうに感じている人もいるでしょう。

また、「ひとり人事」の人もいるでしょう。会社で相談できる人もいない。社労士や人事コンサルタントと顧問契約しているけど、所詮外部の人。なんとなく合わなかったり。

そして人事の仕事は成果がはっきりと見えるものではありません。
採用にしたって、目標人数を採用すればそれで良いっていうものでありません。研修といっても、これで何が身についたのだろうか。組織は役員が決めることではないのか。みんなが活き活きと仕事をしているのか大丈夫そうに見えるけど、本音では何を考えているかわからない。

採用ツール・外部研修・調査・ツール・コンサル、外部リソースはたくさんあるけど、なんでこんなに費用が高いんだろう。はたして効果があるのか。

現場の人とは何となく壁がある。それでも社員のために一生懸命がんばって信頼を積み上げてきたつもりけど、今度は社長から、「人を減らせ」「残業減らせ」と。今度は一部の人から恨まれているみたいだ。

はたして、自分は何をしているのか?

人事の仕事の価値

人事の仕事の価値とか、やりがいについて説明されても意味はわかるが、なんか綺麗事ばかりに思えて実感が持てない。そんな人に向けて、私なりの考えを書いてみます。

労務の仕事

社会保険の手続き、給与計算、勤怠管理など。従業員からしたら、給与は支払われて当然のものですし、その内容は正しいに決まってます。健康保険証は何も言われなくても、自動的にもらえるものです。年末調整もわからなければ人事担当者に聞けば教えてくれる。
この仕事の何が楽しいんだ…と私は思いました。(ちなみに今でもそう思ってます)
仕事だから楽しいとかそういうことじゃないんですけど、私は何をやってるんだろう、とたまに途方に暮れます。

会社的にはアウトソーシングしよう、という選択肢も出てきます。

外注?外注したらいくらかかるんだろう。
どこかの社労士事務所を調べると、従業員が50人の会社だと社会保険手続きの業務報酬は月額7万円だそうです。そして給与計算は月額6万円だそうで、処理によってさらに加算されるみたいです。

そうか、自分は社会保険の手続きと給与計算で毎月⚪︎⚪︎⚪︎万円の仕事をしているのか。

そう考えると、自分の仕事が価値のある仕事に思えませんか?

社会保険や給与計算は専門知識が必要ですが、覚えればできます。
最低限、自分の会社に関係することを知っていれば仕事はできるのです。
慣れればルーティーンワークです。ルーティーンの作業なのに、外部に頼めば何十万もするのか!と驚きましょう。そして仕事に誇りを持ちましょう。

以前、初めて人事を担当する人に、助成金申請の手続きをやってもらったことがありました。時間をかけて書類を整え、やっと申請が終わったら疲れ果てぐったりしていましたが、
「もし、助成金の申請を外注した場合、成功報酬10%だとすると100万円とられる。助成金の1000万円だけじゃない。あなたは今、よそに頼んだら100万円の価値のある仕事をやったんだ。」
と言ったら、起き上がってガッツポーズをしました。

あとは、結局事務作業なので、いかに効率的に進めてゆけるかを追求してゆきましょう。前任者が作成したよくわからないExcelファイルを使い続けるのではなく、その中でいかに工夫するとか、新しいシステムを入れるとか、どんどん進めてゆきましょう。最近は従業員人数にあわせた妥当な金額でクラウドサービスを導入できるでしょう。

ただただめんどくさい仕事が、短時間で終わるようになってくると仕事は楽しいです。人が足りない、予算が足りない、ではなくまずは効率化を考えてください。私ってすごいじゃん、と思えます。

※もっとも、実際は労働法や税務のこと非常に難解です。難しければ外部の力に頼りましょう。

採用・教育・人事評価

採用のやりかた、研修のやりかた、人事評価のやり方、前からやっている方法で一応やってはいるものの、本当にこれで良いのかよくわからない。結果もはっきりと見えるものでもない。

一つ言いたいのは、人事の仕事は情熱でやることではありません。熱意の
ある人を採用するわけじゃないし、情熱や根性で教育するわけでなく、頑張っているから評価が高くなるのではないのです。

そのあたりのことをよく知らなければ、まずは本を読みましょう。
(セミナーは高いし、ネットで検索できる情報はあまり信用しないほうがいいです)

人事関係の本を読むと、スタンダードな考え方があり、方法論があることがわかります。
それまで何となくやっていた仕事を業務として分類し、会社に合わせて実践し、効果検証を行なってください。
研修や面談も思いついた時にやるのではなく、流れを作りましょう。仕事なんです。まずは原則的なそもそもの考え方を学びましょう。ゆくゆくは役員に物申せるくらいの知識をつけましょう。

本を読むと、「なんか横文字の専門用語だけど、これってうちで元々やってることだ」というのもあると思います。人事用語(定義や考え方)を覚えて使うことも重要です。社内用語として新たに名付けても良いでしょう。
「そろそろあれやろうぜ」ではなく、言葉にして、社内で共通言語とすると浸透もしやすいです。(←根拠はないです)

仕事なんです。やり方があり、実践する。
思いつきでやってゆくことではない。勉強すればするほど、わかってきます。自分で考え、実践してゆくと、やりがいが見えてくる・・・と私は考えています。

※最近流行ってるらしい人事施策をそのまま真似はしないほうが良いです。ビジネス記事に載ってる先進的な取り組みを、あなたの会社で真似したところでうまくいきません。

プロ人事

知識をつけると、自分が成長していることを実感します。どんな仕事でもプロ意識は大切で、人事のプロとして誇りをもって仕事をするべきだと思います。
一つ思うのは、会社はその会社の事業をするためにあるのですから、「人事の人」に寄りすぎてしまうと、現業部門と壁ができてくる。なので、組織や従業員ばかり見ればいいのではなくて、その会社の事業やお客様への理解は必要だし忘れてはいけないことです。規模の小さい会社の人事の人は特に。


4月にオープンした人事図書館のメンバーになったので、たびたび人事関係の本を読みに行ってます。
他のメンバーと話す機会もあり、全然規模の違う会社の人だと考えていることがまったく違くて面白いです。
外に目を向けることも必要ですね。


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