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20周年記念のイベントをVisualizeしたプロセス 【前編】


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はじめに・自己紹介・Visualizer TETSU-LAWについて

今回、LISTENers 20周年記念の映像から会場の演出まで担当したVisualizer TETSU-LAWです。 
株式会社TETSU-LAW & Co. の代表、渋谷道玄坂の配信バーSHIBUYA+BArのオーナーそして、いくつかのコミュニティオーナーもしております。
現在はリスナーズ株式会社の映像ディレクションを中心に顧問もしております。

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「Visualize」とは「視覚化・可視化」することを言います。
私は「Visualizer」=「想いをカタチにする人」として使っています。

今回、リスナーズ株式会社の20周年記念イベントで何をVisualizeしていったのかを私の葛藤も含めプロセスをストーリーでお届けします。

そもそも、20周年記念イベントの映像制作の一部を依頼された私が、関係者の方々との対話を通じて想いを伺い、会場に来るまでの仕掛け、会場内の音楽から空間の使い方、進行など、結果的に20周年記念のイベントを総合的にプロデュースする形になりました。

これから周年を迎える企業の皆さんに考え方やプロセスをこの記事を通して体感していただければと思います。
リスナーズ株式会社では周年記念プロデュースも始めましたのでお気軽に相談ください。もれなくTETSU-LAWもそこに参加し一緒に創ることもあります!どうぞよろしくお願い致します!

リスナーズ株式会社 「聴く×伝える×つながる」をコンセプトにウェブから出版までのメディア運営、および各種コンテンツ制作を行うインタビュー・執筆・編集の 編集のプロフェッショナル集団。

制作チームに参加、そこから見えてきたもの

20周年イベントの話を伺ったのが3月末、既に企画・運営チームが組まれていて、4月に本格的に相談をされました。当初の依頼はビジョン映像の制作。会場で「これからのリスナーズはこの様に動いていきます!」というビジョンを映像化して欲しいというものでした。この時にリスナーズ顧問として参加することになります。

話を重ねながら、私が本格的なオファーを受け動き出したのが5月初旬!20周年イベント当日の日付は6月21日!これは遅すぎる!そう思いましたが、大体イベントや制作というものはギリギリまで創造性を詰め込み、最高を目指して取り組むので時間がなくても大丈夫そういう確信だけがありました。
しかし、どのような創造のプロセスを踏んでいくかは未知数です。

そこから毎週全体ミーティングに加え、映像ミーティング2本の定期ミーティングが始まりました。

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周年記念イベントで「誰に」「何を」伝えたいか大枠は既に決まっており、イベント会場も決まり当日をどう運営していくかという話になっていました。

制作のプロセスの中で私はVisualize「想いをカタチ」にする上で何度も何度も聴きます。リスナーズ株式会社の代表、垣畑さんに何度もお聴きしました。
周年記念イベントで「誰に」「何を」伝えたいですか?何度も聴き、さらに角度を変えて何度も聴く、その時、輪郭が見えてくるのです。

ストレングスファインダーという強みを発見するツールがあります。私の場合、数ある項目の中で、「着想」が一番の強み。

「一見つながりを見出だせない何かと何かにつながりを見出す」
「着想」の人は、整っていたり、秩序だった状態よりは、混沌としていて複雑な状態を好む傾向にあります。混沌として複雑な状態の中にこそ、ひらめきのヒントが隠されているのです。 また、様々なアイディアがひらめく「着想」の人は、「何事もやりようはある!」と考える人でもあります。

その着想を生かすため、私はとにかくコミュニケーションをして「聴く」「現場に行き観る」、そして、蔦屋書店で一見関係なさそうな本を数十冊をチョイスし、組み合わせて「知のザッピング」をする。この作業により、様々なつながりを見出していきます。今回の件では、「リスナーズ株式会社20周年イベント」「代表、垣畑さんの想い(以下:代表)」「リスナーズがこれからどこに向かうのか」その他そこに付随する様々な要素、「コロナ禍」「来場者は経営者」「開催日は平日」「開催時間」「会場」、、、、などを組み合わせてみる。

自分自身の中でひらめきとスパークが何度も起きます。

定例会議をするうちに、見えてきたものがあります。様々なプロフェッショナルな方々がそこには参加されており、このままでも開催できる材料は揃っていました、しかし大切なテーマやコンセプトが無い。代表は「20周年がテーマかと思っていました」と。今回、リスナーズ株式会社は自社の20周年を開催するのと同時に、今後周年記念イベントをプロデュースしていくビジネスも展開したい狙いもあったため、より一層、この20周年の場がプロモーションになっていないといけない。それを理解した私は、早急にテーマとコンセプトを提案しました。そうすると皆に共通言語目的ができ、「この場合どうすればいいのか」といった課題が出てきた場合に、立ち戻ることができます。さらに、ご来場いただいたお客様に、こちらの想いを体感していただくためにも必要です。

テーマ・コンセプトを決める

今回、このコロナ禍でオンラインではなくあえてリアル開催とし、代官山のイベント会場までおいでいただくという体験を膨らませ、コンセプト「旅」にしてはどうかと考えました。

「旅」とは住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと
「旅」とは偶然をデザインする行為

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「会場まで小さい旅をしていただく」、「リスナーズの20年の旅路」、そして「リスナーズの旅はこれからも続く」などの要素。

そしてリスナーズは「聴く」企業です。それらを組み合わせ、コンセプトワード「Journey to LISTEN(聴く旅)」と決めました。

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現場のプレゼンテーションでは「聴く」がいかに大切か、そして「聴く」を使ってどこに向かうのかというビジョン、そしてそれを会場で聴いてくださるお客様。「聴く企業」を伝えるための、テーマ「Power of LISTEN(聴くチカラ)」
聴くチカラをカタチにするために、という切り口で整えていく。

テーマとコンセプトが決定したら、ビジョン映像を作っていくのですが、どの様な会場どの様に映像が流れるのかをイメージするため、私は現場を見に行きます。当たり前のような気もしますが、映像だけを制作し 、上映は会場のオペレーターに任せる方もいます。私の場合は会場が遠方であったり、特殊な場所でもお願いして見に行きます。全体を把握しその中で映像はどう扱われるか、どんな役割として、そこに存在するのかということを考えます。

会場視察とシミュレーションにより、プランをひっくり返す

会場を見に行った際にまた気になった点を発見!これを全体会議で伝えると既に決まっていたものがひっくり返る、、、一番最後にチームに参加した私は言うかどうか少し考えましたが、「今までのプランがひっくり返ることもあるかもしれませんがお伝えします」と投げ込みました。

それは、会場でどの様にイベントが進んでいくのかの進行表を見ながらシミュレーションをしている時に気がついたことです。

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↑こちらが1階の会場「オープニング、プレゼンなど」

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↑こちらが2階の会場「飲食、懇親会、来場者の挨拶、エンディングなど」

写真を見てみなさんがその場に滞在することを想定した時、2つの写真を見ながら思うことはありますか?注目すべきところは、天井の高さや開放感について。

<1部>1階の会場で司会の方が挨拶をし、オープニングの映像からはじまり、代表の挨拶から、プレゼンテーション、ビジョン映像という流れ。それが終わると休憩を挟み、2階の会場に移動。
<2部>2階の会場で、飲食、懇親会、来場者の挨拶からエンディングなど、来場者の方が大半の時間を過ごす。

その様な流れが既に決まっていました。

代官山の会場はメインフロアの1階はとにかく天井が高く開放感があります。2階は1階に比べ圧迫感と窮屈さを感じます(コロナ禍だとさらに気になる点)。

<1部>の後に2階に移動し滞在時間が長い<2部>を過ごす。
圧迫感と窮屈さを感じた会場のイメージのまま来場者の方が帰ることをシミュレーションした時、会場の使い方を変えようと思ったのです。

しかし、<1部>を2階<2部>を1階にスイッチする使い方ではよくないのです。結局やはり、圧迫感と窮屈さのある場にて大切な時間を過ごすことになるから。そこで会場スタッフ皆さんの協力を借りて、休憩時間に一度上の階に上がっていただきドリンクをサーブ、その間に下の準備を終えて<2部>も開放的なメインの1階の会場でスタートするという方法を考えました。

これには皆さんの協力が必須で、来場者の経営者の方達にも螺旋階段を一度上がって、また降りてくるという煩わしさもあったのですが、滞在している間にいかに心地よくその場で過ごせるかを考え、そのプランを提案しました。

この様に現場に行って見えるものがあります。「開催企業」「来場者」のことを考え自分がどちらの立場にもなって考えてみる。そういうことが何においても大切だと思っています。

「聴く企業」の代表の話を聴いて見えてきたもの ①質感

ビジョン映像を作る上で何度も代表に「聴く」を繰り返しました。これは、映像のイメージを作るために行ったことですが、何度もコミュニケーションを重ねる中でイベント全体のイメージも見えてきたのです。

来場者は案内を受け取り、会場で話を聴き、交流をし、帰っていく。

コロナ禍でますますオンライン化が進み、招待状もメールやSNSなどのデータで簡単に届く時代だからこそ、リアルの重みや質感を生みたい、そこに1つチカラを注ぐことは大切ではないかと思いました。来場者が会場にいらっしゃる前にリスナーズ株式会社の20周年イベントの一片に触れる、「この企業、何か変わりそうだな」と期待をして来場する、そのために「ティザー映像(予告映像)」「その映像を届けるための招待状」を制作することにしました。ティザー映像を届けるためだけにQRとタイトルが入っているだけの招待状。

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招待状は今回のコンセプト「聴く旅」から着想し、「旅に必要なパスポート」としてパスポートサイズで贈りました。経営者の方々に届くので、質感とイメージは特別感と高級感のあるものに仕上げました。「既にオンラインで案内をもらっているのに、わざわざこの映像のためだけに送る?」そういう声が聞こえてきそうです。だからこそ、想いを届けるために贈りました。しかしティザーカードでは最低限のデザイン。過剰に語らない。しかし「我々は今までと変わるんだぞ」という想いを込めました。

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ティザー映像

ティザー映像を見ていただければ分かりますが、こちらは空や飛行機の映像を入れ「旅」を思わせる映像になっています。来場者も会場に「旅」しにきて欲しいのです。一緒に「聴く旅に出ましょう!」という想いを込め、そこにオープニング映像やビジョン映像の断片が入っている。短い言葉で「私たちは“聴き”続けてきた」「“聴くが変わる”」「ようこそ“聴く”旅へ」と伝える。

元々オーダーを受けていたビジョン映像は完成していない中で、会場の使い方ティザー映像ティザーカードを提案・制作。その後何度も何度もさらに聴く上で、イベント進行の仕方オープニング映像制作ビジョン映像のロケーションなど、いくつも提案し制作をしていくことになります。

6月10日あと11日で本番を迎えるのですがここにきて大問題が発生!?
演出に影響を与える、会場を暗転するのに自動開閉のブラインドとカーテンが2分近く時間がかかる!?

次回はその問題を逆手にとりどの様にクリアしたのかのお話から。

後編はこちら↓

これが私のストーリーの前編です Visualizer TETSU-LAW

「すべての人にストーリーを」 リスナーズ株式会


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