見出し画像

小池都知事、Social Distance はふろしき何枚分ですか?ふろしきはマスクの代用になりますか?『ふろしきのココロ』小池百合子(小学館)(エシカル100考、93/100)

ご存知でした?小池百合子都知事ってふろしきマスターらしいですよ。

2009年に『ふろしきのココロ』という、ふろしきの魅力と有用性と結び方などの使い方、オススメふろしき紹介などを日英2言語で書いた本を出版してるんですよ。

これ、かなり凄いです。好き嫌いは別として、そしてコロナ対応頑張ってということも置いておいて、素直に小池百合子さん凄いなぁ、、と思いました。2009年時点でこんな本を出していたとは。

ふろしき。

ふろしきは今、最先端です。

コロナに席巻されていますけど、気候変動も待ったなしの人類の大問題。世界に遅れをとりつつ、日本でも脱プラスチックなどのために2020年7月からレジ袋(プラスチック製買物袋)が有料化されます。

有料化というと、お金はらえばいいんでしょ!と思う人がいるかもしれませんが、そうではなくて使わないことを目指す。8割減以上を目指す。レジ袋が禁止されている国だってたくさんあります。途上国といわれる国の人々だって、かなり徹底して行ってノウハウを貯めています。

当然マイバッグを持ち歩くことになるんですが、いろいろなエコバッグよりもよりエコなのがふろしき。使い方の多様性に富み、芸術性もあり、日本文化に根差し、作るのも楽で、なにより小さく折り畳めるので持ち運びしやすい。

さらに循環型社会を想起させる、、らしいです。

『ふろしきの大きな特徴は、循環することです。人の手で結び、包み、目的に合わせて使ったふろしきは、ほどくと再び一枚の布に戻ります。贈り物をふろしきで包んで手元から出せば、またそのふろしきは別のものを包むことになるでしょう。ふろしきは、存在そのもので、私たちに「循環」を教えてくれます。』

『ふろしきは、一枚の布でありながら、様々な用途に用いられ、「捨てる」という動詞がありません。まさに循環を体現する一枚の布であり、レジ袋撤廃だけでなく、循環型社会の構築を目指す私には最適に思えました。しかも、日本の伝統であり、一枚の布をキャンバスと捉えることもできます。』

たしかに、Sustainable&Circular。

気候変動が気候危機と呼ばれ、洒落じゃなく人類社会の存続を脅かしている(皮肉にも、コロナによる経済活動の停滞により気候変動に改善の兆しもあるそうですが)この現在、ふろしきは最先端アイテムとして超大注目なわけです。

(と、いうことを僕に教えてくれたのはエシカルプランナーのけいこさんです。けいこさんいつも有難うです。)

そんなふろしきを、2009年時点から環境視点で評価し、多くの方にアピールするために英語対訳つきで本を出していたとは、、小池百合子さん恐るべしと思います。(コロナ情報も自分で英語で発信してますね。)

環境大臣をやられていて、その時にふろしきの可能性に気付いたそうですが、小池さんが環境大臣だったのは2003年から2005年の2年間だけなんですね。やたら打ち水などしてクールビスとか牽引していたので、もっと長い期間かと思ってました。

「MOTTAINAI(もったいない)」で知られるノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんが2005年に来日されたときにプレゼントした伊藤若冲の絵柄のふろしきはペットボトルのリサイクル繊維製だったそうで、15年前にそんなこともうやってたんだぁ、、、と感心しました。全然知らず、というか見聞きしても素通りしており、自身の不見識を恥じます。

SDGsができる10年前ですね。

外交上の贈答品としても活用しているようですけど(東京オリンピック時に配る用とか準備してるんだろうなぁ・・)、これはいいお金の使い途なんだろうと思います。

コロナが落ち着いたら、気候危機を意識しつつ、時代が追い付いてきた感があるふろしきについて小池さんのトークなど聞いてみたいです。

・・というか、環境問題についてこれだけ広い視野を持ち打ち手のアイディアもあるのなら、もう一回環境大臣やってくれないかな、、。2003~5年当時よりも、今の方がその職位の重要度は高くなっているし、国際感覚とバランスが何より大事だし。(小泉進次郎さんについてどうこう言っているわけではありません、が、小池さんならステーキは食べたがらないだろう、、。)

あとどーでもいいですが、小池百合子さんのTwitterのアカウント名って「@ecoyuri」なんですよね。むっちゃエコ押しじゃん。。

とか、そんなことも考えさせてくれる本です。実用書としても当然しっかり使えて、基本的なふろしきの結び方がわかります。オススメふろしき紹介も楽しいです。

『私は日本の環境大臣として、「地球温暖化対策」も「循環型社会の構築」も「自然生態系の保全」も、すべて他人事ではなく、ひとりひとりが、どれだけ「自分のこと」として認識できるかを工夫するように心がけました。「分ければ資源、捨てればごみ」という標語もあります。毎日の「ごみ」や「もの」に関する考え方を少しでも変えるきっかけになるのが、実は「ふろしき」ではないか、そう思い、行くところ、行くところでふろしきを広げ、「大臣の大風呂敷」と自ら呼んでいました。』

『クールビズのように、皆さんが面白がったり、楽しんだりするうちに、日常に無理なく取り入れられる。そのうち、大目標である温暖化対策や循環型社会の形成が実現可能となるのです。』

エシカルとか、サーキュラーエコノミーについての活動をする上で大切なことが書かれています。

ちなみに、、いわゆるエシカルブランドでふろしきを出しているところってほぼ見当たらないんですよね、、。みんな出しましょうよ、ふろしき。

LUSHさんがノットラップ(Knot-Wrap)という名称でリサイクルプラスチック素材やインドのフェアトレード布素材製のふろしきを出されていて、カラフルで楽しいです。(バナーの本の背景の布もノットラップ。)

アフリカ布のふろしきとか、伝統の手刺繍が施されたふろしきとか、草木染のふろしきとか、竹や麻のふろしきとか、きっと楽しいので、ぜひ各ブランドとも制作検討してください。

エシカルペイフォワードでふろしき集めたポップアップと、ふろしきの使い方講座をやりたいな、、。

※引用はすべて『ふろしきのココロ』小池百合子(小学館)より。



この記事が参加している募集

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?