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【男性(自らの男性特権を自覚しようとしている男性)のみなさんへ:某所に寄稿した文章の転載】

これからお話しをお聞きいただくにあたり、私たち男性は意識するしないにかかわらず、様々な男性特権の上にたってものを見て、考え、生きてきているのだということを常に思い出すようにしてください。
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私たちが当たり前だと思う、男女差別などしていないと思う日常、例えば車に乗ったり、冬の雪道を歩いたりするだけのことでも、男性特権、すなわち男女格差や女性蔑視の上に成り立っているのです。女性が電車の網棚になかなか荷物を乗せられないのは、女性が背が低いからではなく、人間とは男性のことであると思い込んでいる男性達によって、電車が男性の身体を基準に作られているからなだけなのです。
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男性特権や、年齢特権、白人特権など、特権の中にいる強い側は、自分が特権の下駄を履き守られているのだと気づかないものです。そして、あなたは特権者側だと言われると怒ったりするものです。中には非特権者側が少しでも暮らしやすくなるための工夫を逆差別だと勘違いしてしまう人もいます。男性ばかりの集まりは山ほどあるのに、「女子会」を目の敵にしたり。
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「自分は女性差別なんでしてないよ」「男女平等なんてもう実現できてるよ」「そんな話しは知ってるよ」など、ご自身の見えている狭い範囲でものごとを判断するのではなく、「自分は男性社会の男性特権のせいで気づかなかったこと、知らずに人を傷つけていたこともあるかもな」と省みて、男性ではない方達の視点や思いを想像しながら、お話しをお聞きください。私たちが自分一人で知れること、接することができる人や価値観はわずかなのですから、『謙虚な想像力』が何より大切です。
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「強いものが生き残るのではなく、変化するものが生き残る」と言いますが、変化する=学ぶとは、自分の知らなかった、想像していなかった視点や価値観と接して、それらを自分の狭い了見でつっぱねるのではなく、なるほどなと説得されて、自分自身をアップデートさせていくことです。『説得される力』を発揮してください。
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「身の回りにLGBTQの人などいない」「女性から差別されているという声など聴いていない」という方がいたら、それはあなた自身がアップデートされておらず、古い世界に閉じこもっているので、社会の様々な人の声が届いていないだけなのです。
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古い世界にいるのは、つまらないのではないでしょうか。多くのデータでも、日本人中高年男性、いわゆるおじさんは、不満だらけなのに何も行動しない人、という分析が出ています。社会人ではなく、会社人になってしまって、息詰まるような生活をしているのではないでしょうか。
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自分自身をアップデートさせることができれば、世の中の面白みを感じる新しい人や情報や社会とつながるようになって、いままで見えなかったようないろどりある世界で生活ができるはずです。
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『謙虚な想像力』と『説得される力』を忘れずに、ご自身をアップデートしていただき、より良い未来をともに作っていきましょう。


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