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エシカル100考

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AIと一緒にグローバル気候マーチを歩けるか?『ノヴァセン』ジェームズ・ラヴロック(NHK出版)(エシカル100考、97/100)

AIと一緒にグローバル気候マーチを歩けるか?『ノヴァセン』ジェームズ・ラヴロック(NHK出版)(エシカル100考、97/100)

AIと一緒にグローバル気候マーチを歩けるか?

「ガイア理論」提唱者である科学者のジェームズ・ラブロック(御歳100歳!)の『ノヴァセン』を読んで、上記の問いが浮かんできた。

「ガイア理論」とは、地球全体(無機物も、あらゆる有機生命体も含む、コロナウィスルだって)を「自己調整システム」「ひとつの生きた生命体」ととらえる考え。

人間と自然というように分離対立してとらえるのではなく、それぞれが相互

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小池都知事、Social Distance はふろしき何枚分ですか?ふろしきはマスクの代用になりますか?『ふろしきのココロ』小池百合子(小学館)(エシカル100考、93/100)

小池都知事、Social Distance はふろしき何枚分ですか?ふろしきはマスクの代用になりますか?『ふろしきのココロ』小池百合子(小学館)(エシカル100考、93/100)

ご存知でした?小池百合子都知事ってふろしきマスターらしいですよ。

2009年に『ふろしきのココロ』という、ふろしきの魅力と有用性と結び方などの使い方、オススメふろしき紹介などを日英2言語で書いた本を出版してるんですよ。

これ、かなり凄いです。好き嫌いは別として、そしてコロナ対応頑張ってということも置いておいて、素直に小池百合子さん凄いなぁ、、と思いました。2009年時点でこんな本を出していたと

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『母ふたりで“かぞく”はじめました。』小野春さん(講談社)の試し読みがエシカルペイフォワードでもできます!(エシカル100考、83/100)

『母ふたりで“かぞく”はじめました。』小野春さん(講談社)の試し読みがエシカルペイフォワードでもできます!(エシカル100考、83/100)

「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告のお一人で、子育てするLGBTとその周辺をゆるやかにつなぐ「にじいろかぞく」の代表の小野春さんが3月25日に出版されるご著書『母ふたりで“かぞく”はじめました。』。

その試し読み版を、エシカルペイフォワードにも置かせていただいております。

40頁ばかりの小冊子ですが、ご本のエッセンスがつまっていて、この先どうなるんだろう??!と思わせてくださる試し読み版で

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開成のジェンダー観について、、、(エシカル100考、71/100)

開成のジェンダー観について、、、(エシカル100考、71/100)

2020年元日のそごう西武の「ひっくり返そう」広告に賛意を送っていた人たちと、昨年の「女の時代、なんていらない?」広告を振り返る会とかやると面白いかな、、とかどうでもいいことを考えています。

というのも、新年早々なんだかなーーな記事が配信されたわけで、今年もジェンダーについては絶賛121位を満喫する年になるのかと暗澹たる思いを抱いたのですが、それを見ないふりするわけにもいかないというか、これはN

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『原発のない女川へ』と気候危機と「不公正」(エシカル100考、68/100)

『原発のない女川へ』と気候危機と「不公正」(エシカル100考、68/100)

母校・開成で行われた、諸先輩方による『原発のない女川へ-地域循環型の町づくり』出版記念講演会を聞きに。

いわゆる「原子力ムラ」にも多くの人材を送っている学校でこういう会を催すのも、自らに皮肉をつくりだすようで、開成らしさを感じました。

京都大学原子炉研究所にいらした小出裕章さんのお話しで、科学的なことはもちろんながら、まずは地方に危険を押し付けて都市が恩恵にあずかることの「不公正」を説くのも、

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『エシカルの本棚(稲葉選)』はじめます(エシカル100考、65/100)

『エシカルの本棚(稲葉選)』はじめます(エシカル100考、65/100)

エシカルペイフォワード店舗には本棚があって、ソファなどのくつろげるスペースもあるので、エシカル関連本をあつめて「エシカルの本棚」にしようかなーー、、と思い、自宅から本をもってきはじめました。

今日もってきたのは、

・『懐かしい未来 ラダックから学ぶ』ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(懐かしい未来の本)

・『グレタ たった一人のストライキ』マーレーナ・エルンマン他(海と月社)

・『大量消費社会』

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台風の日に、グレタ・トゥンベリさんの本を読みながら。『グレタ たったひとりのストライキ』(海と月社)(エシカル100考、62/100)

台風の日に、グレタ・トゥンベリさんの本を読みながら。『グレタ たったひとりのストライキ』(海と月社)(エシカル100考、62/100)

台風におびえながら、グレタ・トゥンベリさんの本を読む。

気候危機という言葉が、とてもリアル。

そしてグレタさんの演説が、トーンポリシングを引き起こすような強い警告なのかも、わかる気がする。

台風の真っただ中では、セクシー・楽しく・ポジティブよりは、正確に事実を見すえ、行動に移せる情報伝達が必要なのだと、今更ながらに思わざるをえない。

「私たちの家が燃えています。」

「このテーマで、いまも

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ファッションテックとエシカルの未来。『2030年アパレルの未来』福田稔(エシカル100考、37/100)

ファッションテックとエシカルの未来。『2030年アパレルの未来』福田稔(エシカル100考、37/100)

エシカルファッションとテクノロジーは相性がいい。

多様な身体や嗜好にカスタマイズして受注をとり、ダイレクトに顔の見える作り手とつないで、データベースから伝統などの技法を参照しつつ、ゴミや廃棄が少ない生産をして、輸送のエネルギーロスを抑えて配送し、リペアやリユースの循環にもすぐつなげられて、、という、エシカルファッションとして必要と思える要素の多くは、テクノロジーによって実現できるはず。

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今、たくさんの人に読んでほしい、大切な本。『イジェアウェレへ:フェミニスト宣言、15の提案』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(エシカル100考、31/100)

今、たくさんの人に読んでほしい、大切な本。『イジェアウェレへ:フェミニスト宣言、15の提案』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(エシカル100考、31/100)

尊い。

この本が尊すぎて、夜中に興奮気味に一気読みしてから感想を書こうとして手が震え、一週間が過ぎてしまった。まとめられない。

だから、皆さん読んで!共感して内省して!

プレゼントにも最適で、深い青とオレンジという装丁がお洒落。

以上で終了、あとは蛇足として。

ナイジェリアの作家、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの『イジェアウェレへフェミニスト宣言、15の提案』(河出書房新社)。

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上皇后陛下の思い出

上皇后陛下の思い出

上皇・上皇后両陛下にお目にかかったのは、僕が小学校二年生のとき。まだギリギリ昭和で、お二人は皇太子・皇太子妃でいらっしゃった。

新聞社の主催する少年少女読書感想文コンクールで賞を受け、その授賞式にお二人はご臨席くださったのだけれど、幸いなことに子供たちと個別にお話しする機会を設けていただけた。

8歳の小僧とはいえ、お二人はとーーっても偉いということは知っていた。でもさ、しょせん子供なのでやっぱ

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消費のために休むのか(エシカル100考、19/100)

消費のために休むのか(エシカル100考、19/100)

GWを消費の期間だと思う時代ではもはやないと思うが、消費を促すメッセージと、消費に踊る放言に満ちてはいる。ゆでガエルなGW。

元号が変わることを理由に消費を促してみたり、それに乗っかってみたり。プレミアムフライデーを消費のためととらえて自身や社会のために時間を使えず、消費疲れしてフラリーマンを増殖させた挙句、有耶無耶な終息に近づいたり。

華金という言葉は、会社勤めというものに面白味なく縛られて

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ラナ・プラザの後でファッションを語らないのは野蛮か(エシカル100考、17/100)

ラナ・プラザの後でファッションを語らないのは野蛮か(エシカル100考、17/100)

(※2017年ファッションレボリューションデーに書いた短文を再掲)

GWに島根県でエシカルファッションショーをやることとなり、コレクションの動画などをよく見ている。思うのは、ファッションと文学は似ているな、、ということ。

アダムとイブが手にしたイチジクの葉以来、人は服をまとい続けている。地域や時代による違いはあれど、服の基本は変わらない。そして有史以来いかほどの服が着られてきたのか、数えること

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潜在化してこびりついたジェンダーギャップ解消のために。『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(河出書房新社)2017.5.23

潜在化してこびりついたジェンダーギャップ解消のために。『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(河出書房新社)2017.5.23

ナイジェリアの作家、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのTEDxトークにもとづく本書は、ジェンダーによる差別が横行する社会より、それが潜在化してこびりついてしまった社会により意味を持つ。

ジェンダーギャップ指数が世界111位(2017年5月当時)の日本のような。

社会で主張できていると思っている女性でも、またそれに協力的だと思っている男性や組織でも、意外と多くの足枷を残したままであることは、ギ

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平和は消費される美談ではない 『いま、〈平和〉を本気で語るには 命・自由・歴史』ノーマ・フィールド(岩波ブックレット)

平和は消費される美談ではない 『いま、〈平和〉を本気で語るには 命・自由・歴史』ノーマ・フィールド(岩波ブックレット)

『いま、〈平和〉を本気で語るには 命・自由・歴史』ノーマ・フィールド。

ふとしたときに読むのがいい岩波ブックレット。3年前に北海道で催された宗教者の会合で行われた講演を書きおこし・加筆したもので、大きなテーマの広い領域を射程としているためにハイコンテクストなところ、話題が飛ぶところ、言葉が足りないところがあるものの、芯は伝わる。

「逆さまの全体主義」という言葉がキーとなっているが、やや僕にはわ

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