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しとしと嫉妬【詩】


雨がしとしと。

しとしと。

僕はしとしとふる雨を見ている。

しとしと。

嫉妬。

頭の中の澄まし顔の僕がいう

「嫉妬というのはね。自分が完全ではないという事実に対する怒りなんだよ」

「自分にはない何かを見たとき、それが自分に足りていないことを理解する」

「それ自体に怒っているように見えて、本当はそれを持ってない自分に怒ってる」

「だから嫉妬は、ないものねだりの感情で、過去の自分に対する後悔と反省の念でもあるんだ」

うるせぇな。

僕は頭の中の澄まし顔の自分にバイバイして、しとしとふる雨をまた見上げた。

嫉妬。

嫉妬が完全じゃない自分への苛立ちだとしたら、それは希望じゃあないのか。

もっと良い自分でいたいという前向きな願望なんじゃないか。

だとしたら嫉妬は悪いのもではない。

しとしとふる雨のように、捉え方によっては素敵なものなのかもしれない。

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