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キャリアコンサルタントの本棚#13

【映画:夜明けのすべて】
「月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラを抑えられなくなる藤沢さんはある日、同僚・山添くんのとある行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。だが転職してきたばかりだというのに、やる気がなさそうに見えていた山添くんもまた、パニック障害を抱えていて、様々なことをあきらめ、生きがいも気力も失っていたのだった。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。」(HPより)

推しの上白石萌音主演ということで鑑賞。イヤー思った以上に深かったです。あちこちで話題になっていますし、後日、妻を誘って2回目行きました。

生きづらさをテーマにしたドラマや映画が増えたなあ、とは思っていましたが、本作もPMSにパニック障害という「当事者以外には解りづらい」世界を中心に置いた日常のドラマ。さらに燃え尽き症候群、グリーフケア(残された者が死を受け入れるための取り組み)などをさりげなく物語に取り入れているが凄いなあと思いました。



冒頭から描かれる藤沢さんの衝動の数々、藤沢さんの散髪シーン(あれからどうなったんだ!)からのプラレタリウムの語り、タイトル回収も含めて、人の営みの軌跡の観測、それぞれの夜明けを描いているんだなあ、と思いました。原作を未読ですが、セリフでは無く、描写(動作)で、キャラクターの感情や出来事を伝えようとしているところも良かったです。

日常という物語の中に、ほっとするものを感じたい方にお勧めです。プラレタリウムで、星を見つめるような感覚。とてもいい映画だと思います。


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