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潜り納め

 予報で知っていましたので、この雨にやられに行った訳ではありません。
午後から、準備万端でスクランブルダイブして、今年一年の感謝を三保真崎にしてきます。

1ぴきだけどニシキフウライウオ

 にしても、今年も例年に違わず怒涛の生態系北限上昇傾向が強かったように思います。対岸の情報を見聞きしていると、本当にここが駿河湾なのか?と疑ってしまう事例のオンパレードでした。三保に言われたくないよ(笑)って思うようなこともありましたが、故益田一先生が「三保は日本のガラパゴスだからなぁ」というほどの場所ですから、何が出ても驚かないようにしています。

クダゴンベの成魚

 とは言え、地味にボディブローのように出てくる季節来遊魚の数と種類には何度2度見したことか!!砂泥の地味環境の三保にとって、煌びやかな亜熱帯の生物は点在する高嶺の花のような演出をしてくれました。しかしながら、この美しさの向こう側に手放しで喜んでいられない恐怖もまた存在しています。キレイなものには棘がある。その棘が、いつかは折れて、毒が無くて良かったね、とここに書きたいのですが、その平和的環境の解決が来るかどうかは、神のみぞ知ることなのではないでしょうか。

コエダモドキをホストとするビードロマメヒガイ

 然るに、環境の劣化というか変化が生物の分布を捻じ曲げていることは周知の事実ですが、いっときは絶滅したかと思ったビードロマメヒガイが復活(っと言って良いかは微妙な数)してくれたことは、喜ばしい限りです。砂漠化によるホストの激減、シェルコレクターによる乱獲、その他のタイミングの悪さなど、様々な要因が重なって起きた悲劇ですが、そのまま潰えてしまった可能性もあったわけですから、三保の種の保存環境がギリギリのラインでこの種を守ってくれたのだと感謝しています。

モヨウフグの幼魚

 これもまた、直近の数年のできごとですが、モヨウフグが増えているように思います。初夏には、先端や内海でも親指の第一関節大の幼魚を観察しているので、単に流れてきた数が多かったとか、そう言ったレベルの話ではないように感じます。

モヨウフグの成魚

 成魚も複数個体が確認されていて、大きな個体は60cmを超えています。また、清水港内の釣魚としてもいくつかの事例をSNSの発信や魚種確認の連絡を受けて確認しています。

南方系フエダイの仲間

キュウセンフエダイやヨスジフエダイなど多くのフエダイが密集していました。この群れの全体的な数では20個体を超えていました。中には、温帯種のクロホシフエダイも混じっていますが、何度見ても、なんか不思議な光景です。

沖堤と富士山

さて、雨も止んだようなので、海に行ってきます。
来年も皆さんにとって、良い年になりますように、また三保真崎がいろいろと教えてくれますように重ねて祈ります。

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