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FaBポイント:手札のスケーリングについて

今回の内容は完全に個人的に考えていることであり、元ネタがあるわけではないです。
これを読んでFlesh and Bloodをより楽しんでいただければ幸いです。また、関連することや気が付いたことを教えていただけると嬉しいです。

Flesh and Bloodではヒーローによって強い動きが出来る手札の枚数が違います。
ライフを攻める普通の戦略をとる場合、手札の枚数に依らず強い動きがしやすいヒーローが実際に強いです。(普通じゃない戦略として念頭においているのは、コンボとかファティーグとか)

手札の枚数に応じて相応のバリューを出すことをスケーリングと呼ぶことにします。バリューが出せる手札の枚数の幅が広いことヒーローや構築をスケーリングがいいと呼ぶことにします。

スケーリングに注目することで、自分のデッキ構築の質を把握しやすくなりますし、相手にブロックを要求するときにどれだけの枚数ブロックさせるべきかの判断にも使えます。


前提:スケーリングについて

手札とバリュー

表現価値の話をするのですが、その点を詳しく知りたい人は以下の記事を読んでいただければと思います。この記事を読むだけなら、カードを使ったときの「攻撃値」や「防御値」や「効果によるメリット」の量のことだと思っていただければ問題ないと思います。

Flesh and Bloodでは1枚で3点の価値が出せるようになっています。実際、防御では防御値が3か2に設定されています。
攻撃に使うときでも、能力がないカードは1枚で攻撃値が3に設定されています。分かりにくいのは、攻撃する場合にはリソースやアクションポイントを使うところです。リソースやアクションポイントを消費することで、それぞれ1ずつ攻撃力は上がります。

例:0コストでgo againがないカードはアクションポイントを消費するので、3+1で0コストで4点になっています。
例:0コストでgo againを持つカードは、実質アクションポイントを消費しないので、0コストで3点になっています。
例:3コストでgo againがないカードだと、3リソースと1アクションポイントを消費するため、3+3+1で7点の攻撃力になっています。この場合が分かりやすいですが、使うカードとリソースに出すカードの2枚で7点の攻撃をしています。アクションポイントの分の1点はいったん無視するとして、2枚で6点なので、1枚あたり3点の価値が出せています。

このように理想的な状況では1枚3点の価値が出せるのですが、手札が4枚あるからといって、12点の攻撃が必ずできるわけではありません。このように、手札の枚数に応じて1枚あたりの価値が3より小さくなると強い動きができないことになります。逆に、手札の枚数にそれほど依らず、手札の枚数*3点の価値が出せる場合にスケーリングがいいということにします。

すごい分かりやすい例で考えてみます。
(赤の)0コストのgo againがないカードが何枚あっても1枚しか使えないので4点しか出せないですが、(赤の)0コストのgo againがあるカードでは手札にある枚数だけ使うことができ、1枚あたり3点の価値を出すことができます。
後者の方がスケーリングがいい手札と言えるでしょう。

スケーリングの良さと防御

防御にカードを回すからこそ、「手札の枚数に依らず価値が出せる」が意味を持ちます。逆に言えば、防御に回したカードが防御で価値を出さないなら、スケーリングが良かった(=どんな枚数でも動ける)としてもほとんど意味がないです。

先ほどの、go againがないカードとgo againがあるカードの例で考えます。
go againがないカードは3点の防御値を持つため、3枚でブロック、1枚で攻撃をすると3*3 + 4 = 13点の価値が出せます。
一方、go againがあるカードは2点の防御値を持つため、防御に回せば回すほど価値が下がります。例えば、上の例と同様に3枚を防御に回すと、2*3 +3 = 9点となり大きく価値が下がります。最大はすべて攻撃に回したときの12点で前者の例に負けています。

このように、スケーリングの良さが1ターン出せる価値の大きさと一致するわけではありません。上の例を見れば分かるように、スケーリングがいいデッキほど、防御するときにちゃんと価値を出せることが重要であることが分かると思います。
 補足:前者の例の方が強いように見えますが、相手が2点の攻撃をするときなど、3点のブロック値が十分に生かせないことがあり単純ではないです。

このように、本当は1ターンで出せる価値の大きさ(1ターンの表現価値)が重要なのですが、今回はその片方であるスケーリングを中心に考えていきます。

スケーリングが悪くなる基本

頭の体操として、スケーリングが悪くなること(1枚の価値が十分に出せなくなること)がすぐに分かる例を列挙しておきます。

  • 黄、青のカードをプレイする
    (Mレアの黄や青しかないカードは効果の方がメインでありそっちで価値が出せたりするので例外)

  • 赤、黄のカードをピッチする
    (1枚から2以下のリソースしか出ない→基本的に2以下のバリューにしか変換できない)

  • リソースを余らせる

  • カードで攻撃する(逆に言うと、武器攻撃は払うリソース以上の価値が出せることが多いようになっている。もっというと、武器はカードの引きに依存しないので、スケーリングが自然とよくなる)

具体例:Kassaiのスケーリング

具体例として、以下の格安構築のKassaiデッキを考えてみます。

Cintari Caberはアタックアクションでブロックされると火力が上がりますが、単純のため無視することにします。また、Kassai能力によりヒット時にCopperトークンが出ますが、これは価値の計算が簡単ではないので無視します。

さて、このデッキの基本的な動きは、2枚のカードで2回Cintari Saberを振って6点の攻撃をすることです。
詳しく言うと、黄色ピッチして1リソースでgo againと2バフ、1リソースでCintari Saberを振ります。もう一回のCintari SaberはKassaiの能力により0リソースで振れます。
go againとバフにはSpoils of WarBlade RunnerRun Throughを使います。赤から青まで入れてるものもあるので、平均して2点バフと考えることにします。

さて、手札のカードが多いときはSlice and DiceOutland SkirmishHit and Runなどでバフします。赤以外のカードも入れてるので今回のデッキリストだとSlice and Diceは平均して3、Outland Skirmishは2、Hit and Runは2.5のバフができます。

つまり、2枚より多くのカードがあっても少なくともカードの枚数に応じて少なくとも2以上はバフしていけます。なので非常にスケーリングに優れたデッキと言うことができます。

補足1:律儀に青カードなども使う想定もしているため、上の概算だと1枚2点程度のように見えますが、実際はそのようなカードはピッチに回したり防御に回したりするので、プレイすることはほぼありません。
スケーリングだけに注目した場合なので、防御も含めて1ターンに出せるバリューがかなり高いです。むしろ、防御でもバリューを出せるからこそスケーリングの高さに意味がある点に注意してください。
もっというと、今回無視したCopperトークンを使ったコンボがKassaiの強さなので、それが無くても普通に強いという点に注目していただきたいです。

補足2:今回は格安構築でしたが、Braveforge Bracersを装備して青ピッチを基本とすれば、それだけで毎ターンの火力が+1されます。(スケーリングが良くなる。)さらにValiant Dynamoで防御側で毎ターン1のバリューを出すことができます。(こっちは1ターンの表現価値があがる。)

Kassaiの欠点
Kassaiは1枚の手札で強い動きが全くできません。逆に言えば、Kassai相手に手札を消費させたとしても、2枚残っていれば十分に動けるということも意味します。
ただし、コンボターンはBlood on Her Hands(と装備のCourage of Bladehold)だけで12点出せます。

スケーリングが優れたヒーロー

Lexi

Lexiが今強い理由の一つは優れているのはスケーリングに優れているからだと思います。ビッグターンに優れたアグロの印象が強いですが、ピッチの1枚と矢のカード2枚の合計3枚で十分に動けます。Endless Arrowがあるので、うまく防御しないとLexiの矢が尽きることもないです。
ドローに依存するもののThree of a KindCodex of Frailtyにより2枚以下の手札からでも十分強力な攻撃ができることもあります。
少し危険性がありますが、何もできないとしてもアーセナルに2枚おいて合計6枚のカードで次に備えるということまでできます。

スケーリングには優れているものの、ファティーグにより弱い矢しか残っていない状況や矢自体が無くなる状況がLexiの欠点です。
特に、防御値が3なのは矢ばかりであり、非アタックは防御値が2なので、1ターンの表現価値を上げようとすると矢を防御に回してしまい攻撃手段を減らすことになるという関係になっています。つまり、スケーリングには優れているものの、防御に使うカードが難しくそこでプレイングが出るヒーローになっています。

Uzuri

Uzuriは少ない枚数で動ける典型的なヒーローです。Uzuri能力により2枚でも強力な攻撃が出来ますし、Codex of FrailtyLeave No Witnessesを使えば1枚でも強力です。
逆に、4枚、5枚あっても攻撃にすべてを使って高いバリューが出せるヒーローではありません。ただし、すべてのカードを使って高火力を出すことがUzuriのプランではないので、これは欠点ではないです。

Dromai

ターンをまたいでドラゴンが存在する時点でスケーリングで扱える内容の範囲外ですが、ポイントとしては、ドラゴンさえ存在すれば赤のカードが1枚あるだけですべてのドラゴンが攻撃できるというところです。


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