見出し画像

『股旅フットボール』のオンライン読書会やります!〜#ハフコミ 隔週報 vol.02

 本題に入る前に「ハフコミとは何か?」についておさらいしておこう。

・ハフコミとは「ハーフウェイオンラインコミュニティ」の略称である。
・ハーフウェイとは、日本サッカーのピラミッドの「中腹」を意味し、ここではJFL、地域リーグ、都府県リーグ及び北海道ブロックリーグのカテゴリーを指す。
・ハフコミは地域やカテゴリーの垣根を超えて、オンラインで人をつなげながらハーフウェイカテゴリーを盛り上げることを目指す。
・ハフコミはハーフウェイクラブの当事者(フロント、パートナー、選手、ボランティア、サポーター)の幅広い参加を求める。

 2月9日にスタートしたハフコミは、今は「仲間集め」の段階である。クローズドなコミュニティゆえ、その魅力や可能性をどう伝えていくかが目下の課題。Clubhouseを使った「出張版ハフコミ」では、それなりに集客することはできたものの、もう少しハーフウェイカテゴリーの世界を共有する必要性も感じていた。

 そこで思いついたのが、オンラインによる自著の読書会。私には11冊の単著があるが、今回は「ハーフウェイ3部作」の第1作を取り上げることにした。そう、2008年に発売した『股旅フットボール』(東邦出版)。本作品は、今はなき専門誌『サッカーJ+』での連載を中心に、9つの地域リーグからJリーグ入りを目指すクラブの「現在」が描かれている。

股旅

 登場するクラブを列挙すると、以下のとおり(いずれも当時の名称)。グルージャ盛岡(東北)、V・ファーレン長崎(九州)、ファジアーノ岡山FC(中国)、ツエーゲン金沢(北信越)、カマタマーレ讃岐(四国)、FC岐阜(東海)、FC Mi-OびわこKusatsu(関西)、FC町田ゼルビア(関東)、ノルブリッツ北海道FC/とかちフェアスカイジェネシス(北海道)。一覧してわかるように、ほとんどのクラブは、現在Jリーグに所属している。本書の世界観を写真で紹介しよう。

画像2

 これは2005年のV・ファーレン長崎。この年、有明SCから現在の名称に改め、将来のJリーグを目指すことを宣言したものの、プロ選手は原田武男ただひとり。選手はバラバラのトレーニングウェアを着て、仕事終わりの夜に土のグラウンドで練習に汗を流していた。

画像3

 これは2006年北信越リーグ開幕戦でのツエーゲン金沢。金沢SCから現在の名称に改め、初めての公式戦での集合写真である。会場の津幡運動公園陸上競技場の芝は「昭和の色」をしている。監督は小川雅己(後列右)で選手兼任。当時の地域リーグでも珍しい人事であった。

画像4

 2006年のFC岐阜。05年に東海2部から1部、JFL、さらにはJ2まで1年ごとに一気に駆け上がっていった。国体強化チームが、Jリーグを目指す契機となったのは、地元出身の元日本代表、森山泰行の岐阜への帰還であった。森山は2019年、JFLのFCマルヤス岡崎で現役復帰(チームディレクター兼任)。

画像5

『股旅フットボール』では、Jを目指す地域リーグのクラブだけでなく、全社(全国社会人サッカー選手権大会)や地域決勝(現・地域CL=全国社会人サッカーチャンピオンズリーグ)の激戦も描いている。写真は、2006年地域決勝で優勝したTDK SC。写真左には、現ブラウブリッツ秋田社長、岩瀬浩介氏の姿も。

 いかがであろうか? 今から15〜6年前のハーフウェイカテゴリーの風景が、ある程度はご理解いただけたと思う。このカテゴリーの「当事者」の皆さんはもちろん、当該クラブのファン・サポーターの皆さんも(当時を知っている人も知らない人も)、オンラインによる読書会にご参加いただければ幸いである。

#ハフコミ 公開セミナー『股旅フットボール』から考える「Jを目指す第2世代の光と影」

出演:
宇都宮徹壱(写真家・ノンフィクションライター。ハフコミオーナー)
中林良輔(株式会社FF。『股旅フットボール』編集者)
日時:
2021年3月8日(月)20:00〜21:00(アディショナルタイムあり)
会費:無料
※参加ご希望の方は3月7日(日)23:59までに、下記アドレスに「股旅読書会」との標記でメールをお送りください。当日の正午までにURLをお送りします。
halfwayoc@gmail.com

 今回は、本書の編集者である中林良輔さんにもご参加いただけることになった。手探りでスタートするオンラインイベントではあるが、皆さんにとって実りある時間にするべく、しっかり準備したい。そんなわけで3月8日の20時、#ハフコミ 公開セミナーでお会いしましょう!

<この稿、了>

よろしければ、サポートをよろしくお願いします。いただいたサポートは、今後の取材に活用させていただきます。