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【メイレビュー】9/11(Mon)「WEリーグのターゲティングと顧客の若返りはなぜ実現したのか?」石井和裕(WE Love女子サッカーマガジン主筆)〜#ハフコミ 隔週報 vol.61

 みなさん、こんにちは! 毎月ハフコミウェビナーのレビューを担当しているライターの五十嵐メイです。

 今回のウェビナーは9月11日(月)に開催。特別講師には、WE Love 女子サッカーマガジン主筆の石井和裕さんをお招きしました。テーマは「WEリーグのターゲティングと顧客の若返りはなぜ実現したのか?」。ゲストとして、ちふれASエルフェン埼玉運営責任者の竹内佐智佳さんにもお越しいただきました!

 女子サッカーといえば、先月までワールドカップが開催されたこともあり、話題になりましたよね。今月のウェビナーは一体どんなお話を聞くことができたのでしょうか? それでは「メイレビュー」スタートです!

■ファミリー層が60%を占めるちふれASエルフェン

 ちふれASエルフェン埼玉は、WEリーグ1年目と2年目の平均入場者数を比較すると、2割増を実現したクラブです。集客が伸び悩んでいると言われているWEリーグですが、2割アップを実現できた秘訣はいったいどこにあるのでしょうか?

 そもそも女子サッカーを観戦しているのは、どういった層なのか。なでしこリーグの観客データによれば、40歳以上の男性が多いそうです。その中の40%以上が1人での観戦なので、周りに拡がりにくいというのが課題でした。

 しかし、ちふれASエルフェン埼玉は、昨シーズン最後のホームゲームで、ファミリー層の割合が60%に到達したそうです。クラブはお客さんが心地よいと感じる空間、マイホームを提供するという姿勢で運営をしているそうです。

 石井さんは、週末のレジャーとして「わが家のように過ごせる空間を実現させたことが、ファン層が変わった要因ではないか」とお話されていました。

 その象徴的なのが、場内アナウンス。「さて、本日のメインイベントです」というように試合を紹介するそうなのです。試合だけではなく、さまざまなイベントを一日中楽しめる空間が広がっていることを顕著に表していますよね。

 ちふれASエルフェン埼玉のホームスタジアムは、熊谷スポーツ文化公園の中にあります。運営責任者の竹内さんいわく「公園の利用者が寄ってこれるような仕掛けを作っている」とのこと。具体的には、どんな仕掛けをしているのでしょうか。

石井和裕さん提供

■客層が変わった要因となった「居心地の良い空間」

 ウェビナーの中では、さまざまな取り組みを紹介してくれましたが、印象的だったものをひとつだけご紹介します。

 試合当日の様子を写した写真には、クッションが置いてあり、人々がくつろげるスペースが見受けられました。子供たちが裸足で走り回れるスペースを、広場の中央に持ってくることで「子供が主役になれる」ということを示しているそうです。

 私の周りにも、子供を連れてサッカースタジアムに通う友人がいます。友人たちから聞くのは「子供が飽きてしまう」とか、「子供を趣味に付き合わせちゃってる」といったような悩みでした。

 たくさんのキッチンカーが並んでいてお祭りのような雰囲気の中、子供たちが自由に走り回って遊べるスペースが用意されているというのは、親御さんたちにとっても非常にありがたい取り組みなのではないでしょうか。

 以前、特別講師として登場していただいたカターレ富山の社長である左伴繁雄さんも、試合だけではなく「試合に興味がない人も集まるような仕掛けをしている」とおっしゃっていたのを思い出しました。

 サッカーに興味がない人に対して、スタジアムに足を運ぶハードルを下げることが、集客につながっていくのかもしれませんね。 

熊谷市内の百貨店の前にオープンした「ASエルフェン埼玉 熊谷ハウス」。石井和裕さん提供

■女子のサッカー選手に「かわいい」は厳禁なのか?

私は今回のウェビナーのテーマが、WEリーグだと知った時に、どうしても石井さんに聞いてみたいことがありました。女子のアスリートに「かわいい」や「カッコいい」という言葉をかけるのはダメなこと? ということです。

 私はWEリーグが開幕した当初、あちこちでそのような言い争いをしているのを目撃してしまい、なんとなくハードルが高そうだと思っていました。それが、毎試合楽しそうに「推しがカワイイ!」とか「最高にカッコよかった!」と、熱心に応援している友人を見ているうちに、WEリーグって楽しそうだなと思うようになりました。

 そんなことを石井さんにお伝えしたところ、とても腑に落ちるアドバイスをいただきました。選手のルックスに関する言及をすること自体、何も悪いことでなはなく、問題は別の部分にある──。長年、多くの女子サッカー選手を取材している石井さんからの回答は非常に分かりやすく、自分の中の疑問がクリアになりました。

 答えが気になる方は、ぜひアーカイブをご覧ください。今シーズンは私もWEリーグデビューを果たしてみようと、非常に前向きになれた回でした!

■次回は10月16日、テーマは「カテゴリーと広報」!

 今回を含むハフコミウェビナーは、Facebookのコミュニティにアーカイブが残っています。ハフコミ会員になると、リアルタイムでの参加ができなかった方も、ご覧いただくことができます。また、これまでのウェビナーについては、こちらをご覧ください。

 次回のハフコミウェビナーは10月16日、月曜日です。特別講師の方は後日お知らせしますが、テーマは「カテゴリーと広報」。どんなテーマのお話が聞けるのか、今からとても楽しみです。詳細が決まり次第、notetwitterであらためて告知させていただきますので、ぜひハフコミのアカウントをフォローしてくださいね。

 それでは来月の「メイレビュー」も、お楽しみに!

<この稿、了>


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