あんたら甘いんだよ

甘くないと売れない→売れるやうに甘くする→前のものが売れなくなる→もっと甘いものを作ると爆発的に売れる→前のものが売れなくなる→もっと甘いものを作らうと工夫する→∞ループ

派遣労働者として食品スーパーの野菜・果物売り場で働いてますが、
この頃、
「甘くなかった」
と言って返品する人が目立つなあと思ってます。

何がっていふと、ブドウでもイチゴでも柿でもミカンでも、もう、なんでも。
甘酸っぱいとかは許されない。
お菓子みたいな甘さ、つまりは砂糖の甘さ、果物には無かった甘さを求めてゐる。
しかも、
どんどん甘くなってきてゐて、甘くないと、売れないから、さらに甘くする。

野菜や果物は、もちろん、人間の都合や味覚に合はせて品種改良されてきたけど、最近は、その改変の度合ひと速度が異常です。

何やってんのよって言ふと、
上から目線の意識高い系の農家のやつらは、アホな消費者が求めるからとか言ふわけよ。
バカな消費者たちのせいで、「農家の方たち」が、まともな農業ができなくなってるんだって。

よう言ふわ。

消費者も農家も同じ穴の狢(むじな)☆。

      ☆穴熊の異称。狸のことも謂ふ。 
       「同じ穴の狢」=同類の悪党
       悪党ってひどいね。
       穴熊も狸も生まれついての悪党ぢゃない。
       人の生活にとって邪魔な動物ってこと。

この穴には流通も販売もみんな入ってる。
なんなら、野菜切ってゐる・最底辺労働者のわたしも入ってる。

キレイな野菜でないと、曲がってると、捨ててる。全然、食べれるのに。
見かけがわるいと、捨ててる。
商品にならないから。
無理に出しても、全部、返品されるから。

つまり、お金にならないの。

お金になるか
お金にならないか

それがすべての価値を決めてゐる。

他人事ではなく、わたしたちの内部までその価値観が入り込んでしまひ、私たち自身がその価値観と一体になってゐる。

なんでもいいからお金をいっぱい稼いで、後は自分の好きなことだけをしてワクワクしながら生きたい
この(ユーラシア大陸的な奴隷に労働させて有閑階級を作って来た文化の)考へ方の異様さに気づけなくなってゐる。

いつかは投資家や起業家!
の夢を見ながら、
日本の大半の人が
人生の大半を
「好きでもない仕事を仕方なくしながら」生きてゐる。

どんな仕事が好きなの?
って訊いてもはっきりしない。
やってると何億もお金が入ってきて
インフルエンサーとして発言できるくらゐ有名になれるのが、好きな仕事らしい。

日本って一個の穴なんや。
貨幣経済といふ穴。
その中に何もかもが落ち込んでゐる。
出られない。
貨幣経済こそが、便利な(すぎる)今の生活の根底だもんね。
これにひびが入ると、わたしたちの生活は漏れてなくなる―漏失しちゃう。

この穴の中で、どうあがかうと、みんな狢よ。









(なんでかういふ話になると、オネエ言葉になるんだらう。小学校三年くらゐまではこれが初期値だったなあ。年取ると、英語が怪しくなって母語のドイツ語とかフランス語とかを混ぜて話し出した外人教授とかがゐたけど。あんな感じになるんかな。禿げかけた髪を伸ばしてツィンテールにしてセーラー服着てるキモいぢぢいみたいやん。でも、さういふ人を正直にキモいって言ふと、これからは差別者なのよ。再教育キャンプ行き。「みんなそれぞれの個性を生きてゐるだけ」「とっても素敵」「美しい」「憧れちゃう」って心の底から思ふまで出られないのよ)

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