吉岡 輝

批評、バーテンディング

吉岡 輝

批評、バーテンディング

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  • バーテンディング【思想】まとめ

    バー業界とホスピタリティ産業の行く末に関しての想い

  • バーテンディング【理論】まとめ

    バーテンディングにおける技法や方法論等、学ぶ必要があるとされる事項、そしてその手順について

  • 批評まとめ

    時評、業界評、書評等、批評まとめ

最近の記事

バーテンディング【思想1】閉鎖性と開放性

 イノベーションについて綴られた『イノベーションのジレンマ』の著者であるクレイトン・クリステンセン氏は「一時代を築いた革新的イノベーションは次世代には負債になりうる」と述べました。  確かにある時代にある世代によって構築されたものがもし普遍的ではないのだとすればそれはすなわち何かを取りこぼしているにもかかわらず、しかしそれが一定の堅固さを備えるまでに育てられた場合、また別の時代を生きようとする別の世代にとってそれは乗り越えなければならない「課題」にもなり得るのでしょう。 しか

    • バーテンディング【思想】目次

       僕は「バーテンダー」という役割を巡る業界の動向、「バーテンディング」という営みを巡る現代の認識あるいは現代的な理解、それらを憂慮している。  私達の内の誰かがどこまでも留まり続けるということではなく世代は順送りで次へ次へと移り、したがって社会が変わらないということはないけれど、それに伴い新しく訪れる趨勢や潮流、業界における流行り廃りにもいろいろあり、メディアなどで喧伝されているものだけに目を向けているようでは確実に取りこぼしてしまい、継承が途切れかねない先人の遺産ともいえ

      • バーテンディング【理論3】共通性と個人差

         前々回の記事では「座学」、前回の記事では「実技」と、「バーテンディング」という営みにおいて向上することを希むのであれば自ずと外すことはできなくなるであろう2つの枠組みについて、それぞれをより細かく要素分解し、その概要とは以下のようなものでした。  と大まかな整理を暫定的にしましたが、以上のようなそれら「座学」と「実技」における要素を何度も何度も往還するということを経て、一方では情報の摂取でしかなかったとも言える「座学」で一定の取捨選別が起こるようになり、また他方ではある意

        • バーテンディング【理論2】座学と実技(2)

           前回の記事『バーテンディング【理論1】座学と実技(1)』では、「バーテンディング」ひいては「ドリンクメイキング」「カクテルメイキング」を始める(始めたい)、あるいは「バーテンダー」になる(なりたい)という際に、(1)どのようなことから始める必要がありそうなのか、そして(2)必要なことをどのような手順・道筋で知っていけばよさそうなのか、ということについて整理することを主眼としていました。  そこで(1)の答えとなり得る「要素」としては「座学」と「実技」の2つを研鑽の道を進むた

        バーテンディング【思想1】閉鎖性と開放性

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        • バーテンディング【思想】まとめ
          2本
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        記事

          バーテンディング【理論】目次

          「バーテンダー」には「教科書」がない。  これが「バーテンディング」という営みを始める際、一定数の人が直面する実情だと捉えています。 より正確に言い表すと、一定のレベルの「バーテンダー」になるために求められるとされるスキルについて、またそれらを得るための手順や筋道について、限りなく万人に適応できるような形で整理された情報が見当たらない、という感じでしょうか。  翻って、カクテルのレシピについて、ドリンクをつくる際に用いられている道具や機器について、注目のバーついて等、そう

          バーテンディング【理論】目次

          バーテンディング【理論1】座学と実技(1)

           『バーテンディングにおいての研鑽には、一方で「座学」が必要であり、また他方では「実技」が必要』になる、というのが本論の主題です。 そして、本稿の内容が主な対象となり得ると想定しているのは、これからバーテンダーになる(なりたい)、ドリンクをつくり始める(つくりたい)という、バーテンディングという営為の入り口には立っていることについては明瞭だけれども、しかしどのように進むことができそうかについては不明瞭だという方々で、いわゆる導入部に関して著そうとしています。 もちろん、既に

          バーテンディング【理論1】座学と実技(1)

          本当は自分ではなくてもよかった。

          本当は批評家として言葉を表さなくてもよかった。 本当は文筆家として言葉を紡がなくてもよかった。 本当はバーテンダーとして言葉を発しなくてもよかった。 でも「何か」を念頭に置いて生きてしまうということは、それすなわち別に何かをしなくてもよかった、必ずしも何もしなくてもそれでよいということではないのかもしれない。そしてその「何か」とは「希望」のことだ。 何もかもに対しての欲望も、心のうちに秘めていたはずの野望も、大切だったはずの対象に向けた熱望も、すべて乾いて萎れて枯れてしま

          本当は自分ではなくてもよかった。

          『熟達論』批評

          為末大さん著『熟達論』批評 本書において整理される人間の学習のシステム以前に前提となる「自覚」あるいは「認識」について話したい。  人間(人類)という生き物・種において基本的に万人に共通する暫定的に現状整理されている事を「普遍」と言う(ことはできる)。  しかしある個人による経験談である「論」や、特定の人物達の、それも特定の分野や領域においての経験則をまとめた「説」とは、万人に適応することができるものではないという点で「普遍」なものだと言うことはできない。という本書(以下『

          『熟達論』批評

          『22世紀の民主主義』批評

          成田悠輔さん著『22世紀の民主主義』批評 『22世紀の民主主義』から考える光と闇   人のためになるものは、人によってつくられない方が良いのか。  “ひと”の性能をアップデートすることはできないのでこれまでのような人力ではなく、インターネットや監視カメラを駆動させて、人々のあらゆる言動から発せられる欲望や願望をデータとして集め・解析するコンピュータのプログラム(アルゴリズム)によって最適解を見つけて意思決定をする『無意識データ民主主義』という提言があります。  私たちが気

          『22世紀の民主主義』批評