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10年振りにグラスホッパー(伊坂幸太郎)を読んだはなし

10年振りにグラスホッパーを読んだ。

伊坂幸太郎作品で、グラスホッパーが一番好きなのは、以前紹介した。

なぜ、グラスホッパーが好きなのか書きたいと思う。

2010年1月9日(土)僕は空にいた。戦闘力恐らく3の地球人である僕が舞空術を使えるわけがない。空にいたということは、飛行機に乗っていたのだ。行き先は韓国だ。

社会人1年目の冬休み明け。得意先へ新年の挨拶を先輩と行き、あっという間に数日が過ぎた。「年明け、最初の週は、社内得意先関係なしに、誰も仕事をしたくないのだな」と理解した。

サラリーマンの年明けの過ごし方を体験し、週末の3連休で初の韓国旅行に向かった。同期3人男旅だ。

今は、会社の後輩と結婚したT君。実は京都のとある会社の息子だったK君。K君は数年後、実家の会社を継ぐために転職するまで、その事実は全く知らなかった。

K君転職1年後、もっと大きい企業の娘だった同期のOさんも、実家の会社に転職したな。それも全く知らなかった。

「世の中には、社長の子供が普通にいるんだな」と、ザ・サラリーマン家庭で育った僕は、結構衝撃を受けた。

話を戻して、T君、K君、てるい。3人で真冬のクソ寒い韓国へ。初日夜に着き、2泊3日という弾丸韓国旅行に行ったのだった。

その行きの飛行機。僕は、母親から借りた、iPod shuffle ピンクで音楽を聴きながら、伊坂幸太郎のグラスホッパーを読んでいたのだ。確か2GB だったと思う。

このiPod shuffle。10年前でもクソ使いにくい携帯音楽プレーヤーだった。まず、液晶がない。あるのはボタンだけだ。機能は、iPod shuffleに入れた順番通りに再生するか、その名の通りシャッフルで聞くか、以上!

しかし、慣れてくると、曲の順番を覚えてくるのだ。「あーこの曲聞きたいなー」「だいたい34曲目くらいかな」てな感じで、ボタンを連打して、聞きたい曲を選ぶことが出来る能力が育てられるという、歴代iPodの中でも、唯一脳に働くiPodだったかもしれない。

また、話を戻す。韓国行の飛行機で、読んでいたグラスホッパーは残り100ページ位だった。

すでに伊坂ワールドへ入り込んでいたので、ページはどんどん進む。

電車、車、新幹線、飛行機、基本移動中は睡眠時間に費やすのだが、一睡もせずに、グラスホッパー読んでいた。

その間、母親のiPod shuffle ピンクで、聞いていたのは、ASIAN KUNG-FU GENERATION の マジックディスクだ。

と、このままマジックディスクについて書こうと思い、Wikipediaで調べた、恐ろしいことが分かった。

このマジックディスク、2010年6月23日にキューンレコードから発売 らしい、、、

僕の記憶が1年間違っていたのだ。今まで書いたのを消すのはもったいないので、今までの訂正箇所だけ書こうと思う。


10年振りにグラスホッパーを読んだ。 → 9年振りにグラスホッパーを読んだ。

2010年1月9日(土)僕は空にいた。戦闘力恐らく3の地球人である僕が舞空術を使えるわけがない。空にいたということは、飛行機に乗っていたのだ。行き先は韓国だ。 → 2011年1月8(土)僕は空にいた。戦闘力恐らく3の地球人である僕が舞空術を使えるわけがない。空にいたということは、飛行機に乗っていたのだ。行き先は北海道だ。 

以上。旅行メンバーに変更は無い。


僕は、本を読む時に音楽を聴く。いや、一つの事だけをするのがもったいないと思うタイプなので、移動中は基本音楽を聴いている。夜寝る時も、YouTubeで音だけを聞きながら寝ている位だ。

このマジックディスクとグラスホッパーが、音楽と小説の相性の良さに気付いた初めて体験だった。このマジックディスク。アルバム的には、特に好きなアルバムでないのだが、その中で2曲だけ、飛びぬけて好きな曲がある。

8曲目の、ラストダンスは悲しみを乗せて

9曲目の、マイクロフォン

この、ラストダンスは悲しみを乗せて からの、マイクロフォン がたまらない。

この曲は連続でないと絶対にいけない。2曲目の8曲目だったらいけないのだ。

思うと、「ベストアルバムこそ最高!」と思っていたの大学生の僕に「アルバムと言うのは、10数曲が1つとなってアルバムなんだよ」と教えてくれたのが、アジカンだった。


飛行機は、羽田からグングン北上する。本を読む僕の手もドンドンページをめくる。本の終盤50ページ位だろうか。

その時僕は、マイクロフォンしか聞いてなかった。しかし、1曲リピート再生機能は無い。つまり、胸ポケットに挟んだ iPod shuffleをマイクロフォンが終わる度に、ボタンを押して聞き直すのだ、ちなみに、マイクロフォンは、3:21。なかなか忙しい。

終盤、伊坂ワールド、伊坂トリックが解き明かされていく。僕はもう興奮しまくって、「早く!早く!次を読みたい!」と思う。

飛行機は、青森を越え、北海道までもう少し。僕は本を読みながら初めての体験をした。

主人公の鈴木が、今までの出来事を理解していく。そこで、僕の頭の中で、勝手に映画のエンディングが出来てきた。

流れている曲はもちろんマイクロフォン。この曲が流れいていくなか、今までの出来事の場面が繋ぎ合わされ、どんどんフラッシュバックしてくのだ。

本を読んでいて、こんな体験は初めてだった。僕は「グラスホッパーが映画化され、エンディングの3分21秒は、俺が作れる!」と思う程だった。

グラスホッパー×マイクロフォン

この組み合わせは最高だ。この時の感動を、T君をK君に伝えたかは覚えていない。普通だったら伝えないと思うが、あまりに興奮したので、伝えたような気もする。

「俺、今なら、伊坂幸太郎のグラスホッパー、エンディングの映像化できるぜ!」みたいに。

と、思ったのが、2011年1月。その時振りにグラスホッパーを読んだ感想を書きたかったのだが、疲れてしまった。また次回。

最後に、これ書きながら、ずっとラストダンスは悲しみを乗せて、マイクロフォンを聞いていた。もちろん、毎回手動で。

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