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okeiから独立したNIDOの話

現在独立19年目。15人の独立を生んでいる。オケイに勤めた人たちが躍動する姿は一番の刺激になるし、心を豊かにしてくれる。
そこに行けば、まるで家に帰ったような気分になるものだ。
先日、9周年を迎えた大井町・ニドに顔を出したときのことを書いておこう。
シェフ戸羽は5年ほどオケイでシェフをしてくれた。僕が独立した最初のお店の二代目のシェフ。イタリア修行から帰国して、すぐに働いてくれた。
戸羽との思い出は尽きないが、重要な話が一つある。
お店を出してからイケイケドンドンで来ていた3年、4年目。
戸羽も躍動してくれていたし、楽しく過ごしていた。というのは、表向きで僕は疲弊していた時期。ちょっと病んでいたのかな、今思えば。
人のことでも悩んでいたし、うまくいかなかった。
「もう辞めたい」
本気でそう思い、スタッフを集めて、そう伝えた。
その時、いつもは口数少ない戸羽がこう言ってくれた
「僕たちが頑張りますから、続けましょう」
オケイというお店は僕だけのものではなくて、すでにその頃からスタッフのものでもあったのだと実感した言葉だった。
それでも自分を前に持っていけない自分がいた。
「10日間くらい休んで、改装して気分変えたい」
そう伝え、その頃のスタッフや仲間と一緒にやりたい改装を全部やった。厨房を広げたり、色を塗り替えたり、棚を作ったり。
お金も時間も「無駄」にかかったかもしれない。でも切り替えるには今のままでは出来なかったから。
その無駄な時間に僕の心は整っていった。バカ騒ぎしながら改装をして。
同級生たちは勝手にやるから、イメージと違う壁になったりね笑
でも、いやなことは心の底において、目の前にある店を考えることが出来た。
「続けましょう」
そう言ってくれた戸羽がいなければ今の僕がいないだろう。
2代目シェフとしてのプレッシャーで全然家に帰ってなかった戸羽。それでも「あの頃があったから今があります」
って言ってくれる。
そんな彼のお店が9年経ち、10年目に突入している。
人の入れ替えもあり、大変だが、楽しいって。
60歳70歳とずっとシェフでいたいという。
僕は料理人じゃないから彼のようには出来ない。彼も僕のようになりたくてもなれないという。
お互いが全く違う人間でも敬い、支えあうことが出来る。
そんな仲間になれたことって本当に奇跡だし、幸せだなって思います。
彼の作るイタリアンは優しく、いわゆるマンマの味。イタリア・エミリアロマーニャ仕込み。温かくて楽しい料理。
是非、大井町に行く際には寄ってください。あ、予約しないとだめですよ
NIDO
050-5571-9972
東京都品川区大井1-55-12 ベルフルーレ 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13182449/


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