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【手帳デコ・コラージュ講座#13】「透け感」を研究してみました

本連載は「自分に見せて楽しむ、簡単な手帳デコ・コラージュ」がコンセプトです。
元々好きな方はもちろん、あまり得意ではないけれどやってみたい、手帳やノートを可愛くしたい方へ、仕組みやポイントを不定期連載でご紹介します。

連載13回目は「透け感」についてです。

素材の多様化により透け感が楽しめるようになった

コラージュの醍醐味のひとつが、素材の質感を生かした「透け感」です。

重なり合った部分のニュアンスが味となって、奥行きが出たりアクセントになったりします。
ファッションでシースルーの服を重ね着するのと似た楽しみ方でしょうか。

あえて透けないよう、素材の質感や印刷に配慮した商品もありますが、以前に比べシール・テープの素材は多様化しています。

とはいえ「透け感」の演出は、ときに普段の素材の組み合わせ以上に悩ましいものです。
まずは主に、どのような素材が使えるかを挙げてみます。

①マスキング素材

マインドウェイブ
ホッコデコステッカー

マスキングテープでおなじみ、低粘着で半透明の素材です。
鮮明さはPET素材ほどではありませんが、程よく透けます。

②トレーシング素材

クーリア
タイポリーステッカー

すりガラスのような、やや不透明でマットな質感です。
マスキング素材より繊維が細かいため、仕上がりが淡く均一です。

③PET素材

クリアテープ各種
(左と中・マインドウェイブ 右・BGM)

正式にはポリエチレンテレフタレートと呼ばれる樹脂素材です。
近年PET素材のクリアテープが増えており、テープ地の透明さを生かした使い方ができます。

④線画素材

協和紙工 フィルムダイカットシール
シンプルフラワー(セリアで購入)

線画のイラストやドローイング、タイポグラフィを元にした素材です。
材質が①~③のいずれかであれば、重ね貼りした際下の素材が透けて見えます。

⑤白インク素材

ガイア デザインシール
Writing

白のインクで印刷されている素材です。
濃い色の素材や台紙の上に重ねると白さが際立ち、アクセントになります。

⑥金箔・銀箔素材

マインドウェイブ
グルーミングシーンステッカー 花畑

金もしくは銀の箔押しでできた素材です。
モチーフそのものが全面箔押し、もしくは部分的にあしらわれています。

透け感を生かした研究7パターン

上記の素材を使い、どのような透け感を出すことができるのか研究してみました。

研究1 英字を重ねる

ワンポイントとして英字をあしらうと、一気にデコが締まります。
絵の具のようなラインが引いてある英字を写真素材に重ね、おしゃれに仕上げました。

また、マスキング素材の写真の下にベース素材の英字が透けて見えるのもさりげないポイントです。

研究2 重ね貼り

マスキング素材の水彩タッチのシールを組み合わせて、絵を描いたような雰囲気にしてみました。

所々フレームや線画のシールを使い、ぼやけた雰囲気にならないよう締めています。

研究3 上下に重ねる①

トレーシング素材の円形シールの下に、ドライフラワーのシールを貼っています。
シンプルですが大人っぽく、さりげなさが出ていると思います。

空の写真で、コントラストが均一なものの下にモチーフを重ねるのも面白いです。

研究4 上下に重ねる②

こちらはやや凝った仕上がりですが、要は人物シールと重なるようにPET素材の華やかなテープを貼ったものです。

テープの額縁や花の隙間から女の子の姿が見え、互いを引き立てています。
作例では横一列に貼っていますが、切り離して自由に組み合わせてもよいです。

研究5 線画を重ねる

緑を基調としたベースのシールを貼り、ほかは全て線画の素材を貼っています。
線画がギンガムチェックの色合いを邪魔せず、爽やかさを残してくれています。

英字は人物シールと重ねてもおしゃれです。

研究6 色のついた土台に重ねる

白やクリーム色といった淡いものでなく、色のついた土台に重ねると変わった雰囲気が期待できます。

迷った場合はクラフト紙がおすすめです。
元々の紙の風合いが強いため、特にヴィンテージやアンティーク、ボタニカルな素材と相性抜群です。

作例ではトレーシング素材、PET素材のシール・ステッカーをコラージュしてみました。
ほんのりクラフト紙が透け、不透明素材よりも馴染んで見えます。

研究7 透ける紙を重ねる

こちらは100均で買えるデザインペーパーを重ねたものです。
花柄の紙をベースに、トレーシング素材の金のドットの紙をちぎって上に貼りました。

猫やバラはPET素材のシールで、絵の部分は透けないよう印刷されています。
主役にしたいモチーフは透けにくいものを選ぶと、しっかり目立たせることができます。

おわりに

今回は「透け感」に着目し、さまざまなアプローチを研究して紹介しました。
なるべく簡単で、とっかかりにしやすいものを多く作ってみたつもりです。

これまで本連載では、素材の組み合わせや配色など、デザインの知識を元にしたポイントやコツを多く取り上げてきました。

しかし改めて、素材の重なりによる偶然の反応を楽しむのがコラージュの大きな魅力だと気づきました。

今回挙げたのはほんの一例です。
もっと自由に、思いのままに、素材同士の化学反応を楽しんでみてください。


「手帳デコ・コラージュ講座」は2024年以降不定期更新です。

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