#1725 いきなり話し合ってもいいの?
「アクティブラーニング」
「主体的・対話的で深い学び」
「協働的な学び」など、
教育界では「話し合い」の在り方がクローズアップされている。
今回は、「いきなり話し合いをすること」の是非ついて考えてみたい。
まず、「いきなり話し合いをすること」の危険性について。
子どもたちにある程度の「基礎・基本」が身に付いていない状態では、いくら話し合いをしても、中身が伴わず「空転」するだけとなる。
子どもたちは
「何を話し合えばよいか分からない」
「どう話し合えばよいか分からない」
「話し合いをするために必要な知識が分からない」
状態で話し合いをすることになるのだ。
そのため、不毛な話し合いが続き、時間の無駄となる。
したがって、ある程度の「基礎・基本」「知識・技能」を身に付けておくことが先決となる。
それらを身に付けた状態で、はじめて話し合いを成立させていくことができるのだ。
順番で言えば、「個別学習」→「話し合い学習」が重要となる。
しかし、これを「逆手にとる」という考え方もできる。
いきなり話し合わせることで、自分たちの「無知」に気づかせる。
「無知」に気づくことで、学ぶ必要性・必然性が生まれる。
そして、個別学習が始まるのだ。
個別学習で「無知」を解消し、知識を得る。
そこで改めて「話し合い」を行う。
これにより、当初のものとは比べ物にならないくらい、話し合いが活発となる。
さらに、この話し合いにより、次の「無知」が自覚される。
そして、学びが連続していく。
つまり、「いきなり話し合いをすること」の利点も存在するのである。
順番で言えば、「話し合い学習」→「個別学習」→「話し合い学習」・・・が重要となる。
以上のように整理すると、「いきなり話し合いをすること」はメリットもあるし、デメリットもある。
そして、最終的には「話し合い学習」は次の「個別学習」につながり、それがさらなる「話し合い学習」につながるのである。
これを教師が自覚し、単元をデザインすることが求められる。
よって、いきなり話し合いをしてもいいし、話し合いは基礎・基本の定着後でもよいのだ。
要は、・・・「話し合い学習」→「個別学習」→「話し合い学習」・・・というサイクルを、教師が自覚することが重要なのである。
このサイクルを念頭に置き、単元をデザインしていく教師の心構えが必要なのである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?