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#1690 学習力にもフィードバックする

学校には「テスト」と呼ばれる「学力」を測定するものがある。

「学力」の定義は一概には言えないが、ここではその話はあえて取り上げないようにする。
※ペーパーテストの点数を「学力」と見なし、話を進めていく。

しかし、学校には「学習力」を測定するものが存在しない。

子どもたちには「学力」だけではなく、自分の力で学習を進めていく「学習力」も身に付けてもらう必要がある。

けれでも、今の学校教育のシステムには、この「学習力」を鍛え、測定するプログラムが規定されていないのである。

このような問題を受け、近年では、子どもたちに「学習力」を身に付けさせるための様々な手法が取り入れられるようになってきている。

それが「自由進度学習」「自己調整学習」「けテぶれ」などの実践である。

一斉授業を克服し、子どもたちの自己調整的な学習を保障することで、子どもたちに「学力」と共に「学習力」を身に付けさせることができる。

しかし、このような「学習力」を身に付けさせる手法が流行ってきているが、その「学習力」の内実を測定し、子どもたちにフィードバックする実践はあまり取り入れられていない。

つまり「指導して終わり」「やらせて終わり」になっているのである。

ペーパーテストでは、「点数」という形で「学力」が測定され、子どもにフィードバックされる。

それならば「学習力」の方も、それを教師が測定し、子どもにフィードバックする必要があるはずである。

そこを怠ってはいけないのだ。

子どもたちに「学習力」を身に付けさせる手法を取り入れ、実際に子どもたちが自己調整的に学習を進めたのであれば、そのプロセスを教師は見取る必要がある。

そして、子どもたち個々の学習プロセスを確認したのであれば、それを評価する必要がある。

ペーパーテストのようにシビアに「点数」をつける必要はない。

「3段階」くらいのゆるやかな評価基準を設けるようにする。

そして、子どもたち個々の「学習力」を評価し、それを可視化させ、フィードバックする。

そうすれば、子どもたちは「何が良かったのか」「どこを改善すべきなのか」を知ることができるのである。

これを怠ってしまうと、「指導して終わり」状態になってしまう。

そうではなく、「指導と評価の一体化」の原理のもと、「学習力」を指導したのであれば、それを評価しなければならないのである。

「学習力」をフィードバックするシステムの導入が必要なのだ。

ぜひとも、これからの実践では、「学習力」の評価・フィードバックを重視するようにしていきたい。

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