【監査ガチ勢向け:検査受け方講座 前編】検査官の頭の中はどうなってるの?
検査官はいったい何を考えて、あんなにしつこく詰めてくるんだろう…… 検査官の頭の中をのぞいてみましょう。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
監査という仕事に検査はつきもの。
検査を意識して監査することは、さびしいようにも思いますが、監査人にとって逃れられない現実です。
そこで検査受け方講座と題して、3回にわたってお届けします。
前編 検査官の頭の中はどうなってるの?←今回
なおここでは、CPAAOBによる検査、JICPAによる品質管理レビュー、監査法人内の内部検査(定期的な検証)を総称して「検査」と呼ぶことにします。
30年以上も監査業界にいると、内外の検査を多数受けることになります。また、内部検査の検査官も15年ほど担当しています。
外部検査官はやったことがありませんが、検査を受ける側でつまずきながら学んできました。
なぜ検査官の考え方を知ることが重要なのか?
検査官が監査のどこを見に来るか、は誰もが気になるところですが、検査官の思考回路までは思いが及ばないかもしれません。
「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」。
孫子の有名な言葉ですが、何ごとも相手がある場合は相手を知ることが成功への第一歩です。
営業であれば、「相手」は顧客ですね。お客さんが重視しているのは何で、避けたいのは何かが分かればずいぶんと楽に販売できます。
検査を受けた経験のある方は、いろいろな不満を検査に感じることがあると思います。
「なんでどうでもいいことを指摘してくるんだよ」
「やった方がいいことは分かるけど、全部はできないんだよ」
「そんなところまで、どの監査チームがやってるって言うんだよ」
陰で文句を言うだけでは、次回の検査でも同じ過ちを繰り返すことになり、進歩がありません。
検査官がなぜそのような指摘をしたのか、なぜそこが大事だと思ったのか、その背景には何があるかを理解することは、検査対応の最初の一歩であるべきです。
検査官は検査初日に何を思うか?
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