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修道女系の魂の人が読むとすっきりするかもしれない漫画「辺獄のシュヴェスタ」

読むことで、魂のある部分が昇華されたように感じた漫画がある。15世紀の神聖ローマ帝国を舞台にした修道女たちの物語。
竹良実著『辺獄のシュヴェスタ』

(↑1巻ではないので注意。最終巻の表紙が好きなので)

シュヴェスタとは姉妹を意味するという。漫画やストーリーを通して感動や何かを感じる。それ自体は珍しいことではないだろうけど、魂の一部分が昇華されたように感じた漫画は、私にとっては辺獄のシュヴェスタだけかもしれない。

たまたまAmazonで高評価になっているところを見つけて興味をもった。出会ったのは昨年なのだけど、最近も人におすすめする機会があったので記事にも書いてみました。

修道女系の魂の人が云々…と書いてますが、そういったことが関係なかったとしても(処刑シーンやちょっとグロテスクな作画表現があるので好みは分かれるかもしれませんが)面白い作品なので気になった方はぜひ読んでみてください。

(以下、大きなネタバレはないですが内容に触れているので注意)


修道院つながりで、以前旅した
スコットランドのアイオナ島、アイオナ修道院より

読み進めると「なんだこれ…この主人公が語っている気持ちを、私はよく知っているじゃないか。」と、その主人公の修道女たちの波瀾万丈な物語に魅入ってしまった。6巻構成でそこまで長くない。けれど読むには高カロリーでパワフルな内容なので何度も読み返す感じとはちょっと違うのだけど、

1度最後まで読むことで、何かこう「別の人生でこうありたかった姿を漫画を通して疑似体験することで、自分の中の何か報われなかったような想いが昇華された」ように感じて、読み終わると心が軽くなりスッキリしたのだった。

『——そう。踏みにじられ、嘲られ、命まで取り上げられても意志こころだけは誰にも奪えない。そういうふうに神様は人間わたしたちを作ってくださった…。』

辺獄のシュヴェスタ第1巻より

私はこの漫画の主人公・エラ達のように、どこか別の人生で陰謀にまみれた修道院と戦ったりしていたわけではないだろう。でもこの漫画には魔女狩りで虐げられた女性に育てられた主人公・エラが、犠牲を伴いながらも、仲間と協力し合いながらそれぞれの個性を活かし合い、エラにいたっては聡い知略とパワフルさで強烈に突き進みながら窮地を生き抜いていく姿が描かれている。

そんな苛烈に生きていくエラの物語を通して「ああ、こんなに賢くてパワフルな強さがあったなら、よかったな…。私はエラじゃないけど、彼女の物語を漫画の中で共に生きたかのような感覚になることで、なにか内側にある沈んだ想いが救われた気がする。」というように、心の奥深くが癒されたような感覚になった。勿論、私がいくらオタクだからといってそんな気持ちになる作品は初めてだった。

『あなたは過去生で、ヨーロッパで酷い目にあったのね。それが今世にも影響している。けれど、その苦しい時代はもう、終わったのよ。』

昔ある方にそう伝えて頂いたことがある。
私はクリスチャンではないけれど、小学校低学年の頃は自ら望んで親に頼んでキリスト教会の日曜礼拝に参加するようなちょっと変わった子どもだったし(実家がクリスチャンなわけではない)今でも海外の旅先で修道院や教会建築を訪ねたりすることが好きだ。

そして魔女狩りだとか、その時代に薬草やら何やらを扱っていたら魔女扱いされて酷い目に合ったよ、みたいなストーリーにいくらかシンパシーを感じるところがある。

その自分の中の或る部分を日常生活で意識することはほぼ無いのだけど、なんとなーく発見して読んでみた辺獄のシュヴェスタを通して、なんだか魂がすっきり&癒されたような独特な感覚になったので、それ以来は修道女が云々とは話さなくとも面白い漫画があるよと時々周りの人におすすめしたりしている。

…と、過去生がどうとか書いてはいるけれど
「私だけの特別な過去生というものは無い」と思っている。

魂という存在の源はもっと大きな存在で、自分の魂だと思っているものは実際は様々なエッセンスの集合体で、言うなればこの人生での私の担当領域の中には「修道女として生きた人生」「ヨーロッパで軍師として生きていた人生」「日本で巫女さんをしていた人生」といった要素と魂が混じりあっていて、それをワタシだとかワタシの過去生だと感じたり、辺獄のシュヴェスタを読んだらすっきりする部分がある。そういうことじゃないかと考えている。

同じ過去生の記憶が持つ人がいたりするのもそういうことなんじゃないかと。ただ輪廻転生的なことが存在するのかというと、私は子どもの頃から存在すると感じていたのだけど、数年前のある出来事を通して非二元的な観点からすると輪廻は存在しないとも感じるようになったので、輪廻とは存在するけど存在しない。という言葉で表現すると矛盾したものだと現在は思っている。

ざっくりまとめると、何かの気づきのために輪廻転生という概念が天の采配によって使われることがある。という感覚が今は一番近いかもしれない。

アイオナ修道院の窓辺

辺獄のシュヴェスタは作者・竹良実さんの連載デビュー作でもある。連載1作目からこんなにもメッセージ性と作家性の高い作品を描かれていて凄いし、直接お会いするようなことはなくとも何か見えないご縁を感じる作家さんなのです。

現在は「植物病理学は明日の君を願う」という作品を連載されている。中世の修道女達や、はたまた植物病理学という漫画としては独特のテーマを扱っているところも素敵なのです。

かつての時に苦しみ虐げられた女性達の想いが癒され、穏やかな幸せへと繋がることを祈って。今回はおすすめ漫画についてでした。


PS. 最近読んだ漫画だと「僕と魔女の備忘録」「犬とサンドバック」「異世界失格」といった作品も面白かったのでぜひ。(マンガワンのアプリでも読めます。)

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