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ワーホリ風味のタスマニア暮らし

オーストラリア・タスマニア編-2

タスマニアの日々は振りかえれば20代の頃、ワーホリに行こうか何度も考えたものの何ヶ月も日本を離れるのは…とトライしないまま、それでもどこかで憧れや、やっぱりワーホリしてみればよかったかも…という逡巡めいたものを隅に置いていた心が満タンに満たされた1ヶ月間だった。

最初から『タスマニアでかつて出来なかったワーホリみたいなことをするんだ☆』と、考えていたわけではなかった。ワーホリなど、もはや30代半ばの自分には関係のない別世界のことになっていた。

けれど旅リストと直感に従って、タスマニアに行きWombat Cafe’に参加している間に『あれ…これわたしがやりたいと思っていたやつだ…しかも想像以上の。』と気づいた。

実際の体験を通して「アナタ、こういうことやりたいと思ってましたよね?アナタのほうは、もうそんなこと体験できないと諦めかけていたようですけれど。そんなワーホリ資格を超えた30代半ばの微妙なご年令の今のあなたに、ピッタリな経験、体験をプレゼントしてあげましょう♡♡」

と、心の奥底に潜んでいた諦めや夢を見えない天使が発見し、ほれほれ、ここに隠れた夢がありますよね?と指摘、救いあげてくれた…かどうかは分からないけれど、

タスマニアの1ヶ月間というのはインドのように腹痛や虫に悩まされるわけでもなく、もうできないだろうと置きっ放しにしていた望みや夢を今に見合った形で、1ヶ月間に濃縮して贈ってもらったプレゼントのような期間だった。

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2017年の冬。成田→メルボルンから飛行機を乗り換えて到着したタスマニアの12月は南半球なので夏だった。

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飛行機の窓からタスマニアの大地を見てふと『太古の自然の記憶が残っている土地』と感じたことを今でも覚えている。なんだかあの場所には、原始的な自然の世界がそのまま残っている要素が他の場所より強いのではないか、そう感じていた。

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タスマニアの州都・ホバートの街

南半球の夏とはいえ南極にも近いので、そこまで暑くはない。普段はフリースを着ていることが多くやや乾燥していて、昼間日差しがでているときは半袖という気候。海は沖縄のように蒼く見えても、触ると氷のように冷たいこともしばしば。

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皆さん慣れてるようで泳いでるけど、
水行レベルの冷たい海水…。

そんなタスマニアにある、とあるエコビレッジをWombat Cafe’のワカさんファミリーは拠点にしていた。ビレッジでは海の近くにある広大で自然豊かな敷地をベースに、皆で使える広い共同キッチンがあって週1で夜ごはん会をしていたり。ピアノや大型テレビがあるスペース、住人達も働いているカフェ、パーマカルチャーの庭や畑があり。

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いわば、タスマニアの前に訪ねていた南インドのオーロヴィルのような東京ドーム約450個分もあり、敷地内を原チャリで移動しているようなコミュニティーと比べるなら、ちょうど良い暮らしやすいサイズの素敵なエコビレッジで(といってもかなり広い)自然に囲まれ、穏やかで落ちつく場所だった。

そこら辺で子ども達が遊びまわり自由に各家庭を行き来していて、畑や庭仕事、料理をしながら大人たちが和やかに見守っている様子は、江戸時代あたりの日本の長屋暮らしの雰囲気はこういう感じだったのだろうな、という温かみのあるライフスタイルだった。

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共同エリアのキッチンの入り口で遊ぶ可愛いちびっこちゃん。ピアノや大きなTVも。

その場所でわたしは、ワーホリでオーストラリアに来ていた日本人女性のトモコと出会い、同じ部屋に滞在して色々教えてもらいながらヨーロッパや各国からやってくるワーホリのメンバー達と混ざりつつ、WWOOF的な立ち位置でWombat Cafe’の手伝いをスタートしたのだった。(オーストラリアの観光ビザETASでウーフやボランティアは当時可能だった。賃金が発生する労働は不可。)

(WWOOF(ウーフ )→World Wide Opportunities on Organic Farmsの略。イギリスで始まり現在は世界60カ国以上で事務局が設置されている。有機農家や自然学校・半農半X的な場所等がホストとなり、ウーファーに対して宿泊場所や食事を提供、ウーファーは労働力を提供し、金銭のやりとりをせず交流したり学び・体験するシステム。ウーファーは労働者・従業員ではない。)

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ホバートの街での出店。英語での接客は初めて。大体お客さんと話すフレーズはある程度決まっていたので他のメンバーに助けてもらいながら何とかなった。

Wombat Cafe’ファミリーに出会えたことで、ホームステイをさせて頂きながらの、暮らしに近い日々を体験させてもらうことができた。ワーホリのようにお金を稼ぐことはできないけれど、オーストラリアの観光ビザでウーファー(18才以上80才以下)にはなれるのでワーホリに近いような(この近い、に望む基準は人それぞれだろうけど) ことができる可能性があるのだなと知った。

今はWHOOF以外にもwork awayなど色々なシステムがあるので、滞在方法は多彩になっている。徳島からの流れによってWombat Cafe’に出会えたことは今もつながっている縁もあって、楽しく思い出深い、賑やかな日々だった。

タスマニア編-3『夏の音楽フェスで年越し〜Falls Festival編〜』へ続く。

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ご近所のハリネズミ🦔
隠れてるけど、おしり丸見えでかわいい

最後まで読んで頂き、ありがとうございます🕊