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【特別公開版】くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第276回 「病院の待ち時間はテクノロジーの力でお仕事だ!?未来はiPadに詰まっている!?」ってお話

このnoteは有料マガジン「くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談」より、くらげ氏の許可を得て抜粋、再編集したものです。「まとめマガジン」には発達障害とAI、そして変わる働き方についての記事を収録しています。

発達障害あるある対談276(2021年10月12日更新分)

[く] こんばんは。くらげです。

[寺] こんばんは。寺島です。先日は関東全域で大きな地震がありましたね。帰宅困難者がタクシー乗り場に長い列を作っているのをテレビで見ましたが、くらげ家は大丈夫でしたか?

[く] 先週の千葉県北西部を震源にした最大震度5強の地震の話ですね。ボクの住んでいるところは震度4を観測しました。特に何かが倒れた、ということもないですし、断水や停電もなかったので被害という被害はありませんでした。

[寺] そうなんですね。都内全体では交通網が大打撃を受けたりしたようですが、くらげさんは今はほとんど電車を使わない生活なので、その点でも影響は少なかったという感じでしょうか。

[く] そうですね。改めて都内の交通網の脆弱性を感じたというか…。ただ、地震が来た瞬間、じつはちょうど風呂に入ろうとして、真っ裸で人工内耳もメガネも外した状態で…。あおが脱衣所に駆け込んできて、なにか叫んでいると思ったら、その直後に大きな揺れが来ました。大慌てで服を着直して眼鏡と人工内耳をつけてスマホを見たら、緊急地震速報がなってまして…。もし、メガネも人工内耳もないタイミングで更に大きな地震が来ていたら、とおもうとゾッとしますね。

[寺] たしかに、感覚器を塞がれた状態で大きな地震とかがくると、パニックになってしまいそうです。気をつけよう、といっても地震がいつくるかなんてわかりませんから、そういつも気を張っているわけにもいきませんからね。日頃の備え以上のことはできないですよね…。

[く] 災害時に壊れたりすることを考えると、人工内耳をもう一セットバックアップしておきたくはあるんですが、価格的に不可能です。有事はもう幸運を祈るしかないですねぇ。

[寺] 薬とかはもう少し備蓄を許してくれるような制度にして欲しいですがね。さて、今回はどういうテーマにしましょうか?

[く] 発達障害とも関連している話として、ちょっとその薬の話をしたいな、と思ってまして。あおはてんかんもあるんですが、そのてんかんの薬が全国的に不足気味になっているようなんです。

[寺] そうなんですか?なんでまた?

[く] 今年のはじめに小林化工という医薬品メーカーが不祥事を起こしましたよね。あれで全国の製薬会社の監査が入って、日医工という大きな会社でも不正が発覚、ジェネリック医薬品の出荷が停止しちゃったんです。その結果、全国的に医薬品の需要過剰になってしまって、全国の製薬会社も生産を増やしているんですが追いつかないという玉突き事故で、その影響があおが飲んでいるてんかんの薬にまで来ちゃったという。

[寺] うわぁ、災難!でもそういう多くの人が使ってる薬は病院とかに備蓄があるんじゃないですかね?

[く] 念のため、かかりつけの薬局に問い合わせたら、次回のあおの受診のときに渡せる量のストックはあるそうなんですが、次回入荷はちょっとわからない、ということですね。厚生労働省も動いているようなので、1ヶ月先には流石になんとかなっていると願いたいですけど。

[寺] えー!そんなメジャーな薬でも備蓄ってそんなもんなんですね。うちは夫が1型糖尿病なんですけど、1日4度程度のインスリンの注射が欠かせないんです。糖尿病は患者数も多いですし、インスリンは流通も確保されていますので、流石に3ヶ月分ぐらいはあると聞いたことがありますが…。

[く] てんかんの薬とかは代替が効かないので、無くなると大変困りますね。でも法律で、患者が備蓄を持つことが禁じられているんですよ。薬のための通院も辛い時があるので、この辺なんとかならないかとは思うんですが。

[寺] それこそ、リモートとかでですねー。ところで、今話していて思い出したんですが、昨日、娘の受診があったのですが、医療関係の諸々が入ったポーチを丸ごと家に忘れて、泣く泣く取りに帰ったということがありまして…。

[く] ああ、あるあるですねえ…。発達障害があると通院回数が多くなるし持っていくモノが多いのに忘れっぽいので困りますね…。

[寺] 私は忘れ物はそれほど頻度は高くないのですが、家族が病院に通う回数という分母が大きいので、しょっちゅう家に帰っているような気がします(笑) 分母を減らすためにも、今後子どもたちに自分で管理して欲しいと思っているのですが、くらげさんは保険証や診察券をどういう管理をしてますか?

[く] ボクは医療関係のものはA4サイズのファイルケースに全部詰め込んでいます。細かく分けると絶対管理しないので、もう大雑把に大きいケースに入れる、ということで忘れにくくしています。

[寺] あえて大きくして目立つようにしているんですねぇ。荷物がかさばりますが、確実といえば確実ですね。それでも「持って出るのを忘れる」というリスクは減りませんがね…。

[く] 既にコンパクトにまとまっているなら、娘さんのカバンに入れっぱなしにするという手も(笑)

[寺] 娘のカバンはiPad Proを持ち運ぶのに特化されたエンジニアケースなので難しいですが、前日にカバンに入れておくというのは有効かもしれませんね。そのカバンが出かける時に見当たらないということもありそうですが(笑)

[く] しかし、発達障害は忘れ物が多いのも特性なので、そういう病院でだけでも対策をしていただけないものですかね。「持ってきてない?ならダメです」とか「今日はできません」っていうことが多すぎるので…。いや、もちろん忘れる方が悪いんですけど。

[寺] そこに悪い悪くないの価値観を持ち込むと間違いますよ(笑)おっしゃる通り特性なので、WEBシステム上で紐付けしておいて、本人が窓口に来れば確認できるようにするとか、逆に代理人が薬などを受領しやすくなるようなツールとかも作って欲しいですね。他の病気の患者さんも助かると思いますよ。

[く] これもイノベーションの話なんですかね。できるようになったことが多すぎて、ユーザーの期待に対して、実現が追いついてないような気もしますね。

[寺] イノベーションといえば、忘れたポーチを取りに行くために待合室に娘を置いて行ったんですが、戻ってみるとiPadで一枚の絵が完成していました。「強い…」って思いましたよ。

[く] 強い…。現代っ子だわ…。

[寺] まさにデジタルネイティブ(笑) 全く周囲に構わず「わーい30分でどこまで描けるかなチャレンジー!」ってやってたようです。

[く] いやまぁ、ホント通院時間は精神科などに通院していると人生のかなりのウェイトを占めてしまう時間になるので、有効に使えるといいですよねぇ。ボクが在宅医療のお世話になっている理由の一つが通院時間をできるだけ減らしたいからで…。一時期はボク自身の通院に合わせて、あおの通院などで一週間の半分は通院していたので、ほんとしんどかったです。薬局の待ち時間も馬鹿にならないですよね。

[寺] うちの子どもたちが通っている精神病院はさほど大きくないので、薬局も10分ぐらいです。でも、夫の糖尿病の方は医大なので、やはり1時間ぐらい待つみたいですね。移動時間を含めると1ヶ月の稼働可能時間の中のほぼ1日ですから、小さくはないですよねぇ。あ、それでですね、新しいiPad miniをエイヤ!と買ってしまうことにしました!

[く] あ、前、すごく悩んでましたね。買っちゃうんですか(笑)

[寺] 娘を見てて、この状況下で仕事を続けるなら、作業を机から完全に離せるようにした方がいいと思いました。もうこの業界は競うように大容量化、スピード化してますんで、データ的にハイクオリティのものをすぐに出せないとお話にならないんですね。iPad Proは私も一台持ってるんですが、新型iPadじゃないと容量が全然足りなくなってます。というか、新型が出るとその分アベレージが上がる感じ?

[く] iPadやスマホは「仕事をする場」の定義を完全に変えましたね…。ボクの仕事も徐々にスマホでできるようになってきたのですが、明らかに仕事をするまでのアイドリングタイムが減りました。どうも、PCを開くのがめんどくさかったので仕事にとりかかるのが遅くなっていたじゃないかと。

[寺] ひでぇ(笑)いやもう、くらげさんもiPadに移行してはいかがですか?絶対便利ですよう?

[く] うーん、タブレットだとやっぱり一回取り出す、という作業があるじゃないですか。スマホならいつも放さずに持っているので、ホント思いついたらすぐに始められるのがいいんですね。そこからちょっとスマホでの作業が難しいな、という段階でPCを開く、という流れになりがちなので、あまりタブレットである必要はないかなぁと。

[寺] いつも手放さないほどスマホに依存しているんですか!(笑)まぁ、それが一番くらげさんのスタイルにあっているのならいいんでしょうけど、そのうち目にも衰えがきますから、画面が小さいなあと思ったときが替え時かも。

[く] うーん、iPadはめちゃくちゃ高いですから、同じ値段を出すならモバイルPCを買うかなぁ。そこはもう文字書きなのでキーボードがあったほうがいいですから。

[寺] それ、私も一年前まで言ってたんですけど、アップルペンの登場で気が変わりました。いずれ文字はペンで打つようになると予言しましょう!(笑)あとですね、あと、私がスマホなんか好きくないってずっと思ってたんですが、その理由に最近気がついたんですよ。

[く] スマホが好きじゃない人なんているんですか!?(驚愕)

[寺] スマホ=社会への窓 とかいう話ではなくて、小さいサイズのものより、大きいタブレットがいいという理由です。私はすごくワーキングメモリが弱いんですよ。だからタブで視界が切り替わると前のこと忘れちゃうの。並んで残ってないとダメなの(笑)何か作ったり書いたりしても、見る方はスマホで見るから、スマホで作れるコンテンツだけでいいという人もいますが、並べて見ることができるのは大きいですよ。

[く] 図表を多く使うなら便利だとは思うんですけど、まだ優先順位は高くないですねぇ…。そこはもう「置いたらまた手に取るのが億劫」という特性もある気がするんですが…。

[寺] ツールが出ると要求度が上がるから、そのうちクリエイティブ職でなくても、ふつうに動画とか、レスポンシブな資料とか作らないといけなくなるんじゃないですかね。個人的には、もうiPadはシリーズから一台は持っておきたい感じだと思います。Adobeの画像ソフトをはじめ、とにかく使えるツールがめちゃめちゃ多いんです。アップルですから。

[く] アップルの画像ソフトって、そんなにいろいろ出てたんでしたっけ?

[寺] いや、アップルが作ってるというより、アップルならと、アップルで使えるツールを、世界中の野生のエンジニアやクリエイターが配布してくれているというのが大きいんです。「こういうのあるかなー?」と探すと大抵あるのでびっくりします。また妥当なお値段なんですよ!これが。

「く」 配布ツールですか。無料のものが多い印象ですが、海外では有償のマーケットも広がっているんですね。

[寺] 海外のマーケットに日本人もふつうにいますよ。10代のツール作家さんも多いです。そういうクリエイティブと経営のセンスの両方がある個人にとって、もう市場は世界だし、日本の新卒就職とか、企業アライアンスとかどうでもいいんだろうなあって思います。見てるとこっちに未来があるよ…って感じがするんですよねー。

[く] なるほど、世界に向けて発信する、というのが日常的になってくるというか…。実はボクもこの一ヶ月、イスラエル大使館と日本財団が主催する障害者向けの技術開発のハッカソンに参加してて、英語でプレゼン動画を作るという課題をやっていたんですよ。私は英検三級に落ちたほど英語ができないのですが、自動翻訳でなんとかそれっぽいものができました…。テクノロジーすげぇ。

[寺] すげぇですよね!特に英語⇄日本語の翻訳は、ここ数年ほんと進歩しましたよ。個人が使えるアシスタント的なAIツールもどんどん開発が進んでいますし、そういうことも若い人が世界に目を向ける呼び水になっているのかもしれません。くらげさんの目も世界に向かっているようで、大変良いことだと思います。どんどん未来をクリエイトしてくださいね!

[く] そう言われると胡散臭い!(笑) いや、頑張ります。では今回はこんなところでしょうか?

[寺] 今回はいつにも増してまとまりがなかったですね(笑)まあ精神病院とか通うようになると、通院や薬の関係で時間の制約が意外とキツかったりするので、便利な新しいツールは使わにゃ損って話ですよ。いやもうまじで、日本国民全員にiPad配ってくれないかなあ…。10万円配れるんだから可能でしょう?

[く] それもiPad依存ですよ(笑)寺島さん、人のこと言えないですね!

[寺] ほんとですね!(笑)ではそろそろ失礼します。お疲れ様でした!

[く] お疲れ様でした!また来週!

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