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誰が 国語力を 殺すのか ①

1か月かけてやっと読み終えた「ルポ 誰が国語力を殺すのか」(石井光太著 文藝春秋)。

国語力の低下が、いろいろな子どもたちの事件や事故を引き起こしている原因の一部だーというお話は、私の感じていたことと一致していて、もうなんか息苦しいほど腑に落ちた。

今、私たちには不可思議に見える「闇バイト」や「給付金詐欺」などへの若者の反応も、「国語力」の壊滅的な低下で説明がつく部分があること、日ごろの子どもたちの言動を見ていると頷ける。わかる

私たちは「給料が良い仕事」と聞けば、労働の対価としてたくさんのお金を受け取るということだけではなく、高度な技術や能力を必要とするか、危ない仕事または大変な仕事だという意味だということを認識しているけれど、「給料が良い」というのは、文字通り「金払いが良い」ということだけを意味するとしか、理解できていない若者が増えていて、その上で、今の自分にお金が必要だからと、続いていくー。

そして、自分の感情や現状を人に伝える言葉を持たないために、どんどんと悪い方向に物事が進んでいく。

本の中では、いろんな意味で家庭環境に恵まれない子どもたちがメインに取り上げられていたけれど、日頃の子どもたちの言動は、次元は違っても、そういう思考回路なんだろうな・・・と思うことがある。

高校生でも、テスト範囲は〇ページから△ページだと言われたら、前回までのテスト範囲だった〇ページまでに習ったことはもうわかっていることとされているために今回もテスト範囲であることや、そのページに関係している資料集などの情報は、範囲であることを認識できていない生徒がたくさんいる。また、単語のテストのために勉強した単語は、単語のテストでしか書けない、使えないなんていう生徒も・・・。

言葉の意味の広がりがない子どもたちは、どんどんと都合の良い方向に理解して、私たちが違うことを指摘し説明しても、首を傾げ、不満をぶちまけてくる。

その不満もきちんとした言葉で伝えることができないので、彼らの方には、私たちが思っているのとは違う形で不満があるのだろうなと思うこともしばしば。

特にテスト期間中は毎日のようにそんなことの繰り返し

それでも、口をすっぱくして私たちが言い続けることによって、渋々でも少しでも言われたようにできたら、少しずつ状況は改善されていく。

だから、希望を持って私たちのできることをコツコツと続けていく

つづく



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