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わたしは、自然、ごはんが大好き。
小学3年生の頃、校外学習で小さな山の学校に行った。
後ろは山で前は川。畑をしたり田んぼをしたり。すごく魅力的で両親にお願いして転校した。そこからわたしは自然に触れるようになり、自然が大好きになった。
小学校の卒業式で将来の夢を言う機会があって、私は「人に優しく笑顔で接し人を笑顔にできるように頑張ります」と言った。
中3の頃、高校選びで将来をちゃんと考えた時に、やっぱり人が幸せそうにしているところや笑っているところを見ていたいと思った。進路に悩んでた時、受験勉強のストレス発散方法がいつも料理だったわたしを見て、お母さんが料理の道はと提案してくれたことをきっかけに料理の道を選んだ。
料理なら、美味しいものを作れば幸せそうな顔も見れるし、楽しそうにしているところも見れるなと思ったから。
高校では、農業をしたり、食品加工科微生物専攻だったので、麹や味噌、発酵などを勉強していた。日本の食文化に興味を持った。高校卒業後の進路を決める頃、せっかく自然豊かで、美味しい食材、素晴らしい食文化のある日本に住んでるんやからと思い、日本料理人になろうと決めた。
専門学校に行こうと思っていたが、自然に触れていたい気持ちと、生産現場が気になる気持ちがあって、悩んでいたら、テレビでやっていた島食の寺子屋を見つけた。絶対に行きたいと思い、その日に応募。2023年11月、入塾が決定した。

2024年4月
念願の授業が始まった。みんなで「緊張するね」って話しながら歩いた初登校。

何をするのかワクワクドキドキ。小学一年生の子って入学式こんな気持ちなんやろなあ

最初の授業はひたすら大根の桂剥き。1日目の大根の桂剥きは言い方悪いけど、ゴミみたいでほんまに上手くなるんかなって不安しかなかった。
最初は、包丁重くて腕だるなるし、手はヒリヒリ痛くて、指も切っちゃうし、集中しすぎて目がん開きやから乾燥して涙出てくるし。でも嫌じゃなかった。ずっと、やれば出来る、諦めないって心の中で唱え続けて、目標を持ってやることを意識して頑張ってた。人間ってすごくて、毎日やれば少しは絶対成長するし、ちょっとやらへんかっただけで元に戻るねん。これに気づけただけで嬉しい。

わたしも少しは桂剥きが上達してきた。
外はまだ寒いけど、日が当たると暖かくて、いろんな鳥の囀りが聞こえてくる、桜は満開。素敵すぎて、外で桂剥きしたくなって、先生にお願いしたら許可が出たので、満開の桜の下で、鳥の囀りを聞きながら、桂剥きをしてみた。自然パワーは偉大。いつもよりできた気分だった。

桂むきだけじゃなくて、山菜を採りに行ったりもした。
蕨、蕗、筍、土筆、タラの芽、木の芽、、、
たらの芽はみんな命懸けやった。道ができてないから大変やったけど、少年みたいにどんどん進んでって、楽しかった。
家に帰ってお風呂に入ると脚が滲みる。気づいてないうちに傷ができてたり。それもなんか楽しかったりする。

その時その瞬間に採れる食材、自然ってほんまにすごいな
こんなにも春を感じたのは初めて。こんなに春を感じられる食材があるこの海士、素敵すぎる。

ヒビ

わたしは人にずっと恵まれてる。ほんまにずーっと。
海士に来てからもっと人の温かさを感じてる気がする。
まだ一ヶ月しか経ってないのに地域の方もみんな受け入れてくれて、ほんに優しい。

散歩してたらバナナくれたり、話しかけてくれたり。商店に行ったら、ごはんをくれたり。家に作ったものを持って来てくれたり。

一緒に頑張っている仲間もみんな優しい。もう家族みたいやねん。家族構成は、親戚のお姉ちゃん2人、お母さん、お姉ちゃん2人、お兄ちゃん、わたし、弟、みたいな感じ。楽しい。たまに持ち寄りパーティーをするねんけど、この料理はどうとかみんなで話し合ってやっぱり常に頭の中は料理で。全員、料理(ごはん)が好きってゆうところがすごい素敵やなあと思う。

これはたけのこパーティー。

高校卒業後、すぐに来たから初めて親元を離れて生活をしている。
今まで両親にしてもらっていたこと全部に感謝しています。
海士に来てから、本土で幸せと感じていなかったことも幸せに感じるようになった。歩いてるだけでウキウキするし
毎日ずっと幸せです。こんなに幸せでいいのかと思うぐらい。嫌なことが一つもない。いつか急にバチ当たるわと思って覚悟してる

毎日料理で頭いっぱい。幸せ
先生に本物を見るのが大切だと教わりました。
これからもっといろんなものをみて吸収する。スポンジになる。
絶対この一年は死ぬまで忘れない年になると確信しています。絶対無駄にしない。

この文を書いてるだけでうるうるしてくる。もうすでに卒業したくない。

わたしはやっぱり言葉にするのが苦手で納得いく文が書けてないから、これからあと11ヶ月で書けるように頑張ります。

(文:島食の寺子屋生徒 冨田)