自分にとっての「当たり前」は、誰かにとっての「ありえない」。
すごく立派なアスパラガスをいただきました。お知り合いから大量にいただいたらしく、そのうちの6本を、お裾分けしてくれたのだ。
立派なアスパラを6本も!!!
たった6本? って思うかもしれないが、侮ることなかれ。
基本的にアスパラは、高い!
安い野菜常連のもやしやきのこなどとは違い、3〜4本の1束が198円くらいで売られている。安く売っている時もあるけど、その時はだいたい、細かったり古そうだったり……太くて新鮮なら、200円超えもあり得るほどだ。さらには最近の物価高。
太くて新鮮なアスパラを6本もいただけたことが、どれほどありがたいか、お分かりいただけただろうか?
そんなアスパラを見ていて、ふと思い出した。
そういえば昔、実家の庭でアスパラを育てていたなあと。
アスパラガスの育て方
皆さん、アスパラがどう育つか、ご存知ですか?
森ができるんです。
森が。
……意味がわからないですよね? でも、本当なんです! わたしを信じて!
それはもう、フッサフサ、フワッフワな森ができるんですよ。
そして、ある程度立派な森が出来上がったら、なんと。
その森を、一気に伐採するんです。
大事に育てた木々たちを、一気にすべて伐採してしまうなんて、普通はしないですよね。でも、すべて伐採するんです。一気にお山は、真っ裸。
そんな真っ裸のお山に、ポツポツある切り株。
その切り株の付近から、ニョキニョキと、アスパラは生えてくるんです。
アスパラを育てると、森ができる。
わたしにとっては最早「当たり前」のことですが、そういえば初めて育てた時は、すごくびっくりしたなあ。でもきっとこれを読んで、「アスパラが森なんて、ありえない!」と、思った人もいるのではないでしょうか?
初書籍『対峙力』を出した時も、そういえばそうだった。
「当たり前」との、向き合い方
『対峙力』は、たくさんの取材を受けて、自分がなにを思っているか、どんな行動をしているか、丁寧に言語化をして、そしてそれらを文章にするという方法で、作り上げました。
言語化をしている時、正直、めっちゃ不安だったんですよね。
こんな当たり前のことをわざわざ言語化して、本にまでして、誰が面白いと思ってくれるんだ! 誰の参考になるんだよ! って。
「寺田さん、面白いです!」
編集者さんの言葉を信じることで、なんとか最後まで完走できましたが、自分だけでは、とても完成には至らなかったと思うんですよね。
でも蓋を開けてみれば、本当にありがたいことに、たくさんの方が本を手に取ってくれました。そして、面白いと言ってくれました。
自分にとっての「当たり前」は、誰かにとっての「ありえない」かもしれないんだなあ。
本の出版は、わたしに「著者」という肩書きをくれただけでなく、生きていく上でのとても大切な学びを、授けてくれたのでした。
自分の「当たり前」を、押し付けてはダメだ。でも、積極的に話したり伝えたりすることで、誰かの世界を、広げられるかもしれない。
他人の「当たり前」を、否定してはダメだ。そういうこともあるのかと、興味を持ち、受け入れる努力をすることで、自分の世界を、広げられるかもしれない。
「当たり前」との向き合い方は、丁寧にいきたいものですね。
ちなみに、いただいたアスパラは、トマトソースのパスタと、ソテーにしていただきました。トマトパスタなんて言わずもがなだし、アスパラをオリーブオイルとにんにくでソテーして、上から半熟卵を乗せ、卵を崩しながら、絡ませながら、パクッといただく。
そんなん、美味しいに決まっている!!!
当たり前だ!!!(……ん!?)
ほなまた、来週!
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