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不思議な不思議な、深い愛

3歳になる娘のぽんちゅがお姉さんになって3ヶ月。
つまり、弟のすけちぃは3ヶ月になった。

出産後の初めの1ヶ月ほどは生活の激変で情緒不安定気味だったぽんちゅも、今はかなり落ち着いた。

・・・

ひと月ほど前のこと。

「すけちぃがうまれてよかった」

ぽんちゅが突然言った。
すけちぃのおむつ替えをしている時に、本当に突然。

「あのね、すけちぃにあいたかったの」

その言葉は本当で、ぽんちゅはすけちぃのことをとてもかわいがってくれる。

「すけちぃ、かわいい」

そう言って顔を寄せて、すりすり。
すけちぃがどんなに泣いていても平気。
親が耳を塞ぎたくなるほどの大音量で泣いている時でも、だ。

ぽんちゅの『大好き』が伝わるのか、ギャン泣きしているすけちぃが泣き止むことも多い。

・・・

「すけちぃは、ママのおなかからうまれてきたん?」
先日は、ぽんちゅにこう問いかけられた。
そうだよ、と答えると、さらに問いかけが続いた。

「ぽんちゅもすけちぃもママのおなかからポコッと生まれたん?」

「そうだよ」

「すけちぃといっしょにおなかにいたん?」

「ちがうよ。ぽんちゅが先にお腹にいて、生まれてお腹があいたから、すけちぃがやってきたんだよ」

「いっしょじゃないの?」

「違うよ、順番こ。一緒だったら、お友達の双子ちゃんみたいに双子になるんだよ」

私の言葉を聞いた後、ぽんちゅがちょっぴり残念そうにこう言った。

「いっしょがよかったなー」

私は、そっかー、とだけ答えた。

・・・

ちょっと驚いた。

一緒にお腹の中で過ごしたいほど、好きだったとは。

家族だとか血の繋がりだとか、そんなものはまだわからない年齢。
それなのに、こんなに大好きだと思えるなんて、やはり姉弟となるべくしてなった、何か深い縁があるのかと思ってしまう。

だけど…、

もし一緒に生まれてきていたら、相手がどんなに大切か、なかなか気づけなかったかもしれないよ。
初めから、ずっとそばにいるのが当たり前だから。

ぽんちゅひとりの時があったから、後からやってきた『弟』という存在が、不思議で愛おしいのかも。

双子なら双子、姉弟なら姉弟である意味があるんだよ、きっと。

その意味がわかるのは、もしかしたらずっと先かもしれないけれど。


それからね、ぽんちゅ。

どんなにかわいくても、歯型が付くほど指を強く噛んじゃいけないよ。

ぽんちゅが噛んだ左手の薬指。
そこは将来、すけちぃが心から愛おしいと思う人と繋がる場所。

だから、空けておいてあげてね。
ちょっと切ないかもしれないけど。

それまでは、いっぱいかわいがってあげてね。

・・・

「すけちぃがうまれてよかった」と言ってくれたぽんちゅ。
そして、姉の重い愛で日々もみくちゃにされても逞ましく成長しているすけちぃ。
そんな二人が愛おしい。大切な二人。

わたしも、二人を産めてよかった。



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