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きみと、青の粒子になる

以前、「発達障がい」と名づけられた人たちを支援する仕事に就いていたことがあります。

この経験を通して、僕は、人間観を大きく変えられました。

そして、利用者様彼らは、世間が思っているような「障がい」を持っているわけではないという気づきを得ました。

これからお届けする作品は、ある少年の余暇支援で、一緒にプールに潜ったときにつくったものです。



おおきな 青の そのなかで

ちいさな 息を かさねてる


だけど

大丈夫・・・

だけど

大丈夫・・・


ぼくら 一つひとつは 欠かせない

ぼくら 一つひとつは 大切だ

おおきな 青を 支えてる


きみが すっと さし出す手を

ぼくは しっかり つかんでいる

そして ぼくは つつみこみ

きみを どこまでも みちびいていく


この おおきな 青の世界には

とても なつかしい 風がある


どこまでも 透き通った 青

きみと ぼくが かつていた

どこまでも 果てのない 青


心には 何の 飾りもなく

笑顔が すべての ことばだった


いつしか ぼくは 土を踏み

いつしか きみも 土を踏み

記憶は 土に 吸い取られ

つたない 肌に とらわれた


時間の 風に いざなわれ

ぼくの 肉眼ひとみが きみを 見た


きみは ぼくの 胸の奥に

あの 青を 見つけたんだね

ぼくは きみの 掌から

あの 青を 思い出したんだ


“この世”と呼んでる 世界には

青を 映した 水がある

ぼくらの 記憶の 青ほどに

透き通ってはいないから


はぐれてしまうことも あるだろう

はなれてしまうことも あるだろう

意識で ガマンできたとしても

心は 泣き明かしてしまうだろう


だけど

大丈夫・・・

だけど

大丈夫・・・


素直な 涙の分だけ

ぼくらの 生命いのちは うるおうから

せつない 思いの分だけ

たがいの 存在いのちを もとめるから


ふたたび 手と手を 握り合う

もっと 手と手は 近くなる

かつて 泳いだ 青のように

自然に 自然に なじんでいく


おおきな 青の 一部として

ぼくらは 生かしつづけていく

おおきな 青の 一部のなか

愛が しだいに 透き通る

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