和風一年生

趣味は長唄三味線と陶器集め。着物に学び、己を知る

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    着物エッセイや着付け・コーデのハウトゥ本をまとめました。

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    歌舞伎を見に行った感想です。

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PN「和風一年生」です。長唄三味線を習っています。発表会でのしくじりから、着付けに再チャレンジ。成長行事ナシ、仕事での着用ナシ、お稽古事で着る機会は年一回の私が、どうやって着物を楽しんでいるか。成長の記録をエッセイに綴っています。ちなみに、noteを始めたのは一年前。正確には、二年生です きもの本棚 → 着物の本の紹介 歌舞伎座  → 観劇&演目のやや、大袈裟な感想 長唄の聖地をゆく → 長唄の曲紹介と旅のエッセイ #自己紹介

    • きもの本棚⑱『お茶の先生に教わる きちんときもの手ほどき帖』役に立つんです!

      令和五年の猛暑を受けて「単衣着物の先取り」がトレンドである。気に入った着尺を選んで「袷にしますか、単衣にしますか?」と選択するケースとはまた、違った感覚の「単衣向きの薄い布」が作られている。お馴染みの「楊柳」や「本塩沢」の他にも、シボを目立たせない、透け過ぎない織りの工夫が様々、生まれている。私が「円居」で誂えたのは「江紋屋」のお品物で、シボの入った縮緬。夏用だけど、四ヶ月着られるタイプ。地の色は紫がかった黒。『美しいキモノ・夏号』で「2大旬カラー」としてクローズアップされて

      • 團菊祭五月大歌舞伎『伽羅先代萩』 政岡の赤い衣裳

        評判を聞きつけ、幕見席で夜の部を観劇。上演は今週いっぱい。幕が開いた瞬間、この演目の人気がわかるようでした。大向こうも立派で、憎々しい悪役・八汐は代役の中村芝のぶ丈でした。芝のぶ丈は国立劇場の養成所から成駒屋に入門し、昨年の『マハーバータラ戦記』に続く、抜擢。お顔立ちなのか、お若いからなのか、目元がギラギラしていて、スピード感があり。傍らで、米吉丈も堂々と。 さて、その感想は? うぁ〜ん、政岡、可哀想。とっても、辛い話で、涙ぐんでしまった。一場の『御殿』は中身の半分が、子役

        • 團菊祭五月大歌舞伎『鴛鴦』『毛抜』『幡随長兵衛』どれも、趣向が盛り沢山!

          一幕目は51分、二場の舞踊劇『鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)』。ラストで鴛鴦の羽を描いた袖をパタパタと。綺麗でした。 さて、そのストーリーは? 河津三郎は曽我兄弟の父。後に、暗殺される人物だけに、なんやかやで敵が多い。赤っつらの股野五郎もそのひとり。河津三郎を妬む股野は、遊女・喜瀬川を彼から奪おうとして彼に相撲を仕掛け、負けてしまったのである。泉のほとり、河津に生き血を飲ませて狂わせてしまえと、股野は鴛鴦の雄を殺める。悲しむ、雌鶏(右近丈・二役)。すると、残され

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          BS11『京都画報』常盤貴子さんの着姿がお楽しみ♡

          先日、たくさんの夏帯を前にして「もっと、西陣織っぽいのは、ありますか」と口走りそうになった私……。はて(虎子)。西陣織って、なんだ? 正解が気になって、MXテレビ・BS11で放送中の『京都画報』で「西陣織のイマ」を取材した放送回を見返し、チェック。記事のタイトル写真は番組のYouTube動画。そして、番組ホームページはこちらです。 タイアップ先の産地問屋へ案内された常盤貴子さん。畳敷きの大広間に展示されたモダンデザインの帯に驚いて「西陣織というと、金糸を使ったり、銀糸を使

          BS11『京都画報』常盤貴子さんの着姿がお楽しみ♡

          きもの本棚⑰『女優きもの』『きものsalon』は実用的なコーデの教科書だった!

          訪問着に縁の薄い私が『きものsalon』に興味を抱いた理由は、昨年の「キモノサローネ」のトークセッションの動画を見たからだ。 かの『家庭画報』の別冊として出されている『きものsalon』は、訪問着の絢爛豪華な写真が持ち味と受け止めがちだが、読者の人気を得ているのは帯締めコーデだという。そんな人気のコーディネートを手掛けているのが「強者」編集者の相澤慶子さんだ。本誌から単行本化された『女優きもの 誰より美人に見せる ひみつの法則』で、相澤さんは「着物が着る人のメンタルに与える

          きもの本棚⑰『女優きもの』『きものsalon』は実用的なコーデの教科書だった!

          円居(着付け教室)に通って三ヶ月。捨松の帯がすっかり、欲しくなってしまった。

          円居に通い始めて三ヶ月。三味線の先生の演奏会に着物デビューした。この日、着用したのは黒の角通しの江戸小紋で、こちらは人間国宝の型染めと違って布地が硬めなので、胸周りがよれない。同じ江戸小紋でも、人間国宝の型染めは座った時に太腿へかかる着物の圧がトロントロンして、心地良い。着心地にも、一長一短があるようだ。 この日は着付け教室を受講して、講師の先生に着付けてもらった。大事なところを大幅にはしょって話を進めると、円居の企画展で「帯屋捨松」をやっていたので、そちらも見せてもらった

          円居(着付け教室)に通って三ヶ月。捨松の帯がすっかり、欲しくなってしまった。

          着物で行きやすい東京のレストラン

          三月、歌舞伎の鬼連チャンで腰痛に。整体の先生が言うには、凝り固まった「梨状筋」が坐骨神経を刺激しているとのこと。腰が痛い原因はお尻の筋肉ってどういうこと? 三度、整体に通って半月かかって治したが、すり切れるような思いをすると上達するのは、三味線も着付けも同じで、急に手慣れてきた感じ。そこで、苦手意識のあった「着物で会食」にチャレンジしてみた。 訪れたのは百段階段の見学で訪れた「雅叙園観光ホテル」。ホテルなので、駐車場がある。お値段は高いが、観光地なので、敷居は高くない。そん

          着物で行きやすい東京のレストラン

          三月大歌舞伎『伊勢音頭恋寝刃』メンズ着物をウォッチング

          狂気の美しさを堪能した幸四郎丈、振り返り。 近頃「無我」について、良く考える。例えば、マラソンのゴール目前にトップ争いをする選手たちは無我だ。狂気というのは、やがて「無我」に繋がるのかもしれない。『伊勢音頭恋寝刃』の松本幸四郎丈はスッキリと美しく、心の底にあるモノを見たようで、大満足だった。 通し狂言なので、スピンオフ・ドラマ風に場ごとの主役が登場し、金儲けを企む小悪党を退治して活躍する。「伊勢講」は庶民の信仰であると同時に、高級腕時計や投資マンションのような扱いを受けて

          三月大歌舞伎『伊勢音頭恋寝刃』メンズ着物をウォッチング

          きもの本棚⑯青木奈緒さんの本で、着物の過去と未来を知る

          青木奈緒さんは映画で話題の『木』を書かれた随筆家・幸田文さんのお孫さんだ。著書『きものだより 他が袖、わが袖』とは二子玉川の蔦屋書店で出会った。茶道雑誌『なごみ』での十二ヶ月に渡る連載テーマは、幸田文さんが奈緒さんのために誂えた「濡れ描き」の手描き友禅のイマから、取材がスタートする。訪問先には、茶席では着ない「伊勢木綿」や「デジタル捺染」が含まれていた。多くは「〇〇〇を復刻する」などして、市場にのせた作家さんたちだった。思えば、昭和の卒業式、体育館に並んだお母さんの黒い羽織。

          きもの本棚⑯青木奈緒さんの本で、着物の過去と未来を知る

          今年も、東京キモノショーへ行ってみた!

          快晴の日曜日。車の少ないオフィス街をスマホのマップ片手に連れ立って歩く和服姿。キモノスタイルの今年のテーマは「きものと装束と日本の色」。『光る君へ』は大好きだけど、十二単は雑誌やテレビで十分。なんて、思っていたのにナマで見ると綺麗。目の前にあるだけで嬉しい。 男性用の「束帯」も、展示。  私が今年、やってみたいのは和の心を知る、和事体験の数々。是非、お抹茶をいただいて帰ろうと思ったが、混み合っているので、代わりに人力車に乗ってみた。ピカピカの大きな車輪。思ってたよりも、ず

          今年も、東京キモノショーへ行ってみた!

          きもの本棚⑮『大原千鶴さんの京都きもの暮らし』京都人の仕事着

          桐箪笥の中身が見てみたい…。 続いては『きょうの料理』でお馴染み、大原千鶴さん。 私が最初に大原さんを知ったのは、BSの番組『京都人の密かなたのしみ』だ。ドラマにミニコーナーがあって、大原さんは男性アナウンサーを相手に、京都の食文化を紹介していた。料理をしながら、淀みなく繰り出す京言葉。『花背』のドキュメンタリーや、カウンターキッチンのアトリエで、ゲストに料理を振る舞う『あてなよる』を楽しみに見ているうち、大原さんは『きょうの料理』でコロッケでカツ丼を作る大胆さに至り、シュ

          きもの本棚⑮『大原千鶴さんの京都きもの暮らし』京都人の仕事着

          きもの本棚⑭工芸ライター・田中敦子さんの無地系紬とは?

          目下の関心事項は、着尺の枚数だ。アンティークの愛好家は30枚以上をお持ちというお方もチラホラ。では、正統派コーデなら? 工芸ライターの田中敦子さんは『和楽』の森田空美さんの連載を手がけ、着物の分野の書籍も多い。田中敦子さんが自前の着物と、師と仰ぐ森田空美さん、染色史家の吉岡幸雄さんとの対談、“憑かれたように”語られる帯や履き物の歴史と、見た目はコンパクトながら、濃いぃぃぃ内容の本。知りたかった日本製生糸の歴史も載っていて、まさに、目から鱗である。 『きもの自分流入門』田中

          きもの本棚⑭工芸ライター・田中敦子さんの無地系紬とは?

          スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』千秋楽で、大人の礼装をウォッチング

          あれもこれも、初めてづくしの新橋演舞場。千秋楽なので、客席へ挨拶をして回る礼装姿の女性を幾人も見かけた。この日は札止めだったそうだ。1回目のカーテンコールは花道から、團子丈が登場。2回目は米吉丈とおふたり。米吉丈の手を取り、團子丈からの「お疲れ様でした」の仕草があって「ああ! 大阪では壱太郎丈とやるんだもんね」と客席の観客は思ったに違いない。スタンディングオベーションも初めて、見たけど、かかげた掌がヒラヒラと揺れて綺麗だった。舞台役者はこういう光景を見てるんだもん。辞められな

          スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』千秋楽で、大人の礼装をウォッチング

          プロの目線で、襟合わせの悩みをスッキリ解消!!着付け教室

          年の瀬の恒例、着付けの集中レッスンの振り返り。前回は最寄駅でワンデイレッスンを探したけど、今回はちゃんと、電車に乗って、日本橋・浜町の明治座の交差点を人形町方面に2ブロック進んだ『円居』の「自分で着るコース」を受講しました。 私の悩みは着れるけど、着れない。趣味の三味線を思えば、そんなのあたりまえ。新しい曲を習いました。ひと通り弾けるようになりました。そこから、やってもやってもの、本当のお稽古が始まるのだ〜!  さて、着付けの悩みに話を戻しまして。一番目に付く悩みはジワリ

          プロの目線で、襟合わせの悩みをスッキリ解消!!着付け教室

          きもの本棚⑬『銀太郎さんお頼み申す』と、私の振袖写真

          近頃、月刊誌で『銀太郎さんお頼み申す』を毎月、買うようになった。新宿のカフェで働くさとりちゃん(25歳)が元芸妓で、器のギャラリーを営む銀太郎さんに魅せられ、着物に目覚める話だ。四月号では、さとりちゃんがホテルの結婚式に振袖を着て出るために奔走し、友達だけでなく、いろんな世代の人が振袖の価値を見直す。読んでいて、腑に落ちた。去年の夏、私が長唄の演奏会に集まった着物姿の観客について書いたのも、こういう話をしたかったのだ。 さて、トンチンカンな私にも、振袖で結婚式に出た経験があ

          きもの本棚⑬『銀太郎さんお頼み申す』と、私の振袖写真