マティスの「低木」は2種類ある?
インテリアとして定番のマティスの「低木」という絵画ですが、
買おうと思ってネットで検索していたところ、
よく見ると販売者によって微妙に違う・・・
絵自体は、大きく2種類あって、
細かい点を言うと、同じ絵でもサインが違うのも散見されます・・
どの販売サイトを見てみても、作品の説明もないし、購入者のレビューを見ても誰も気にしていないように見受けられます・・
また、「マティス/低木/二種類」とか「マティス/低木/偽物」とか調べても、誰も言及していない・・
一体、どうなってんだろう・・
①根っこが3本ある「低木」
IDEEから販売されているマティスの「低木」には、地面から浮き出ている根っこが”3本”あります。
【定番品】アンリ・マティス 「低木」ナチュラルフレーム|ポスター|IDEE SHOP Online (idee-online.com)
②根っこが2本しかない「低木」
例えば、dinosから販売されている「低木」には根っこが2本しかありません。
マチスのアート 低木 通販 - ディノス (dinos.co.jp)
AMAZONでも複数の「低木」が売られていますが、
例えば、これはサイン欄がdinosの記載と違います・・
Amazon | アンリマティス 低木 正方形アート (500㎜×500㎜(フレーム無し)) | ポスターaoipro | ホーム&キッチン 通販
マティスの「低木」はおそらく1951年に書かれたものだとしたら、著作期限切れになっているので、販売者が自由に「コピー」したり、「切り貼り」してやりたい放題で売っているのでは・・・?という疑念が沸いてきました。
このminnneで売っているやつも、いかにも偽物というにおいが。
10124■A3アートポスター『アンリ・マティス 低木 水色』絵画/イラスト/デザイン/上級マット紙採用/北欧 - お家で美術館 | minne 国内最大級のハンドメイド・手作り通販サイト
kirarioという楽天のショップでも売ってました。これはdinosと同じっぽい。
余談。マティスは他にも木を書いてた
このサイトで調べてみると、ほかにも木を書いていました。(まそりゃ当然ですよね、ラフスケッチですからね)
どうやら、Matisseは晩年、従来の絵のように大変な絵画を書くことから、ペンでシンプルに即時に描くことが多かったそうです。
サインを疑ってみる・・
気になりだすと、止まらない。
まず、①根っこが3本の「低木」のサイン欄を見てみると、、
1951年12月にマティスがサインしているっぽいです
次に、②根っこが2本の「低木」のサイン欄を見てみると、、
Dicに見えるけど、、一応それっぽいのがあります。
わかりません、サイン欄からでは・・
根っこが2本のものは、"Le Platane"という作品名
根っこが2本のものは、プラタナス(Le Plataneはフランス語)の木の絵だそうです。(ここのサイトに2つ(根っこ2本のと、3本の)とも、違う名前で売っていました。)
1951年にSerigraph(シルクスクリーン)で作られたものだそうです。セラミックに描かれたと海外のサイトには書いていたので、もしかしたらシルクスクリーンじゃなくて、リトグラフ(石板を薬品で処理して版画みたいに作るやつ)なのかもしれないです。
マティスは1954年に84歳で亡くなったらしいので、作品を作った1951年は81歳ということになります。
根っこが3本のものは、"Le Buisson"という作品名
Le Buissonというフランス語。日本語では「茂み」でしょうか。
草の茂みじゃなくて、低い木でできた茂みのほうです。
この作品の背景は結構海外のサイトを探してみたのですが、ありませんでした・・(今度図書館に行ったときに調べてみます)
結局
結局のところ、
日本では、Le PlataneもLe Buissonも明確に区別されておらず、
著作権が切れているので、コピーして売れればなんだっていいと思って商業的な側面でしか説明されていない。
そして買う人も定番品であり、かつおしゃれな気持ちになれればどっちだっていいと思っているので、作品が制作された背景や、作成手法等も気にしていない。(だから、どのサイトでも詳しい説明が見つからない)ということで、
購入を考えている人は、見た感じの雰囲気で
根っこ2本でも根っこ3本でも、どっちもMatisseが書いたものなので、好きな方を買えばいいということでした。
ただ、
・サイン欄を見れば明らかに偽物は区別できる
・minnneには偽物が横行している
ので、その点だけ注意すればいいのかなと思いました。
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