金子きゅん太郎 千字の犬のお話

金子きゅん太郎です。勝手に金子門下を名乗っています。金子みすゞ先生ごめんなさい。中身は…

金子きゅん太郎 千字の犬のお話

金子きゅん太郎です。勝手に金子門下を名乗っています。金子みすゞ先生ごめんなさい。中身は、詩と銘打ってますが、フタを開ければ、愛犬たちのへんてこ話ばかりです。よろしかったら、ご一読の程を。 https://instagram.com/quntaro_kaneko?r=nametag

最近の記事

いいイスを見つけた、きゅん

「おや、おや、おや、これは何だあ?」 と、いぬうた市の昼下がり、 自宅で暇を持て余しておりました、きゅん君が、 家のあちこちをうろうろしていたところ、 普段あんまり入らない部屋の中で、 見慣れないモノを見かけて思わず声を上げたのでした。 それは白くてカクカク角張った形をしていて、 たぶんそれはイスではないですか。きゅん君。 「ほほう。これはイスなのか。でもダイニングルームにあるようなものより、もっとどっしりとしているなあ。あっ、そういえば僕、テレビで見たことあるよ。確か王様が

    • お坊ちゃんの僕が行く

      あら、今日の、いぬうた市の、きゅん君ときたら、 何だか、どこぞのお坊ちゃんみたいに見えますね。 何かお品が漂っているというか、 お金持ちのお家のひとり息子さんのようですよ。 「そう。そうかな。何か僕もさっき自分の姿を鏡で見て、同じようなことを感じたんだけど、やっぱりそうなんだー。やっぱり隠せないんだー。これは僕の気品がダダ漏れしまくっているんだなー」 と、あんまり品のない感じで、 ニタニタ笑う、きゅん君です。 何故なんでしょう。 いつもはお坊ちゃんな感じはカケラもないですけど

      • ヤモリさん、いらっしゃい

        おやおや、只今ここは、いぬうた市は、 きゅん君と、ぐーちゃんのご自宅なのですが、 何やら先程から、1階の玄関ホールで、 おふたり大騒ぎしていますね。 一体何を騒いでいるのでしょうか? ちょっとその様子をのぞいて見てみましょう。 まずは、ぐーちゃんからです。 「まあ、よくあなた、ぐーのおウチに来て下さったわね!わたし、ぐーよ。どうぞよろしく。ちょっと、ぐーがせっかくご挨拶してるんですから、何も逃げなくてもいいじゃない!ちょっと、あなた、ちょっと!ちょっと!」 と言いながら、玄関

        • ぐーを呼ぶ声

          チィッチィッと静まった部屋の中で、壁掛け時計の秒針だけが、 時を刻んでいる、真夜中の、いぬうた市の、 きゅん君と、ぐーちゃんの家の2階の寝室です。 きゅん君も、ぐーちゃんもママも、 静かにすやすや眠っていて、 穏やかな夜の一場面に突然、 飼い主のお腹の音が鳴りました。 ぐーぐーと。 その音に、自分の名前を呼ばれたと思った、 ぐーちゃんは飛び起きます。 飛び起きはしましたが、大変寝ぼけているので、 「はい!なんざます!ぐーざます!誰か、ぐーを呼んだざますか!」 と、ざます言葉で

          将来の影の私

          いぬうた市の夜はゆっくりと過ぎていきます。 きゅん君と、ぐーちゃんの家でもそれは同じで、 2階の寝室のベッドの上の、きゅん君やママや飼い主も、 ゆるやかな時に合わせるように、 静かに静かに眠っております。 ぐーちゃんも先程まではその一員でしたが、 何気に体勢を変えようと、ちょっと身体を起こして、 布団の上にお座りして、ふと壁の方を見ると、 大きな影がそこに映っていました。 それは外のほのかな灯りに照らされて出来た、 ぐーちゃんの影でしたが、ぐーちゃん自身は、 そうは思いません

          オヤツ待って眠る

          まあ、かわいいですね。 いぬうた市の、ぐーちゃん。 自宅の1階のダイニングルームのテーブルの、 椅子に座っているママの横で、伏せの姿勢で、 ずっとママを見上げていますね。 さてはオヤツをおねだりしているんですね? こんなかわいい表情で見つめられたら、 ママもすぐにオヤツをあげたくなるのではないですかね。 「普通そう思うわよね。こんなに、ぐー、がんばって、キュートさんなお顔しているのに、ママったら意外にも手ごわいのよね」 と、ぐーちゃん、さぞかし自信があったようですが、 いささ

          きゅんだけ洋服

          最近の、いぬうた市の、きゅん君は、 季節による被毛の抜け替えもあってか、 どうやらやたらと身体がかゆそうです。 それであんまり掻きすぎたのか、 皮膚に湿疹が出来たりして、ママはとても心配しています。 「ぐーだって、被毛さんは抜け替わるお季節よ。でも、ぐーは全然カイカイはないわ。カイカイがないのはいいけど、ここのところ、ママは、きゅんの面倒さんばっかりみてて、ぐー、つまらないー」 と、きゅん君に嫉妬する、ぐーちゃんです。 確かにこの何週間は、きゅん君をマメにシャンプーしたり、

          お皿置く前に食べ終わる

          来ました!来ました!待望のこの時間が! 1日2回のこの時間がやって来ましたよ! いぬうた市の、きゅん君、ぐーちゃん、 ご準備はよろしいですか? 「よろしくない訳ないじゃないかー。僕ときたら、朝食が終わった時点から、この夕食を準備していたよ。だからよろしくないハズがないよー」 と、きゅん君、くんくん、せつなそうな声をもらしながら、 そう答えてくれました。 で、一方の、ぐーちゃんはこんな感じです。 「ぐーのお腹はぐーぐーぐー!ぐー!とぐーをお腹が呼ぶけど、今、ぐーはそれどころじゃ

          大きいドッグランがいい

          本日の、いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんときたら、 ママや飼い主と、いぬうた市にある、 ドッグランに車で訪れたようです。 きのうは一日中雨だったので、あんまり散歩も出来ず、 フラストレーションがたまっているふたりを、 見通して、 ママがドッグランに行くことを提案したのでした。 「さすが、ママだ!僕らの気持ちがよく分かっているよ!ママの思いやりに背かないためにも、今日はいっぱい走るぞう!」 と、ドッグランに着いた、きゅん君の意気込みは充分です。 「ぐーも走りまくるわー!きゅ

          車の中のぐーちゃん

          いぬうた市の、ぐーちゃんといえば、 いつも元気いっぱいですが、 結構繊細なところもある女の子です。 「えっ、ぐーが繊細だって?どこがだよ」 と、口を出してきた、きゅん君ですが、 きゅん君はそう思わない訳ですね。 「そりゃそうだよ。ぐーが繊細だって、ちゃんちゃらおかしいよ」 そうですかね。そう言いながら、 全然おかしそうでない、きゅん君。 でもですよ。例えば、どこかにお出かけする時に乗る、 車の中でだって、きゅん君と全く違いますよ。 「はあ?どうゆうふうに?」 きゅん君は、車の

          ママに見つめられて

          こんな夜もあるものです。 それはこんな夜でした。 それは、いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの家でのこと。 夜もだいぶ更けてきて、きゅん君はすでに、 1階のダイニングルームのソファで、 うとうととしてた時、ある視線を急に感じて、 きゅん君、はっ!っとして目を開けました。 すると、そこにはママがいて、それも、 きゅん君の目の前にママがいて、きゅん君を、 じーっと見つめていたではありませんか。 きゅん君、思わず恥ずかしくなって、 つい目を閉じてしまいます。 「ママったらイヤだな

          フードが来た!

          届きましたよ。届きました。 いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの家に、 大事な大事なモノが、先程、自宅に届きましたよ。 大事なモノって一体何ですか?ですって。 何ってフードですよ。フード。 おふたりの大好きで大事なペットフードですよ。 ね、きゅん君、ぐーちゃん。 「そうだよー!僕らの言わば命綱だよー!そして僕が大好きで大事で大好きなご飯だよー!」 と、きゅん君、よっぽど嬉しいのか、 かなり興奮気味なのであります。 それよりも、もっと嬉しそうなのが、ぐーちゃんです。 その嬉し

          今日は左周りで

          さてさて、いぬうた公園に今日も散歩でやって来ました、 きゅん君と、ぐーちゃんです。 ここから池の周りを1周する訳ですが、 おふたり、心構えはよろしいでしょうか。 と、あら、ぐーちゃん、何か言いたそうですね。 そんな、ぐーちゃん、毎度、隣で歩いている、 きゅん君に言いました。 「きゅん。ここはちょっと考えた方がいいわ。 いつも何となく、こっちから1周さんしているけど、今日はあっちから1周してみない」 なるほど。そうゆうことですか。 ぐーちゃんが言っているのは、 いつもは池の周り

          狭い路地での出来事

          「あっ、猫さんよー!」 と、突然、いぬうた市の空の下にとどろいたのは、 飼い主と散歩中の、ぐーちゃんの声で、 走行中、ふと、横を見ると、そこににゃんこがいた訳で、 気がつけば、思い切り叫んでいた訳で。 その、ぐーちゃんの叫びを聞いた、きゅん君、 ぐーちゃんも見ている方向を慌てて見ます。 すると、そのにゃんこもふたりの方を見ていて、 それも挑発するような、不敵の笑顔で、 それに、かちん!ときた、きゅん君、 リードでつながっている、飼い主共々引っ張って、 にゃんこのいる方に向かい

          ママとぴったりくっついて寝ると

          いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの家の、 夜における恒例のシーンといえば、 2階の寝室のベッドで寝ているママに、 ぴったりと寄り添って眠るおふたりの姿です。 なので当然、昨晩も朝まで、ママと愛情たっぷりに、 ぴったりしていて、そのおかげか朝は機嫌良く起きれた、 きゅん君と、ぐーちゃんです。 「機嫌がいいのは、それだけじゃないよ。ママとぴったりくっついて寝ると、ママのその時の感情もよく分かるんだ。で、昨晩のママはとても嬉しそうだったから、僕も嬉しくて機嫌がいい訳」 そうなん

          ママとぴったりくっついて寝ると

          きゅんだけ病院

          いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの、 ある日の散歩の帰りのことです。 ぐーちゃんはあることに気付きました。 「あら、このおルートはもしかしたら病院さんに通じているお道ね」 さすが、ぐーちゃん、よく分かりましたね。 確かにこの道はこのまま真っ直ぐ行くと、 行きつけの病院です。 ということはこのあと病院に寄るんですかね。 「えーっ、別に、ぐー、どこも悪いところないから、今日は病院さんへは遠慮するわ」 と、びくびくしながら、そう言う、ぐーちゃんです。 なんて言ってたら、もう病院