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技術派遣(特定派遣)やめとけは本当か?技術派遣歴8年の私が答えます。

技術派遣と検索すると、『やめとけ』とか『やばい』等のワードがサジェスチョンされてきます。

でも、技術派遣として8年働いていた私としてはそれほど悪いものではなかったなというのが感想です。

私は技術派遣のポジティブな面にもフォーカスしてこの記事を書こうと思います。

なぜなら、ネガティブな情報のみを吸収して技術派遣の選択肢を外してしまうのは勿体ないと思うからです。

物事には両面があります。

情報のバランスを取る為にも、是非この記事を最後まで読んで頂きたいです。

私は新卒で入社したブラック企業を1年で辞め、技術者派遣(特定派遣)として8年働きました(派遣先は自動車部品メーカー1社のみ、現在はメーカに転職済)。

このように私自身は技術派遣からキャリアアップ(メーカーへの転職)を成功させた経験があり、技術派遣で働いて良かったと思っています。

転職活動でも技術派遣として働く中で身に付けた専門性が評価されましたし、技術派遣として働いたキャリアが無ければ転職はできなかったと思います。

その私の意見としては

技術派遣はインターネットで言われる程悪い職業ではない。ただし、入社するなら転職を前提にしておく。

です。

技術者派遣(特定派遣)とは

まず技術者派遣(特定派遣)について、ざっくり言うと、正社員として派遣会社に雇用されて、別の企業に派遣されて働く雇用形態です。

派遣会社に雇用はされていますが、毎日出社するのは派遣先企業であり、派遣元企業のオフィスに行くことはほぼありません。

この辺は一般的な派遣のイメージと同じかと思います。

ただし、技術者派遣では3年ルール(同じ派遣先では3年以上就業できない)は適応外だったりと、一般的な派遣のイメージとは異なる部分もあります(技術者派遣は3年を超えて同じ派遣先で就業可能です)。

世間のイメージ程、悪い職業ではない

冒頭でもお伝えした通り、私は技術派遣として働いていましたが世間のイメージ程、悪い職業ではないと感じていました。

感じていたメリットは以下の通りです。

  • 正社員のように企業に忠誠を求めれることも少ない。煩わしい人間関係が少ない。

  • 正社員のように重い責任はない。

  • 30代前半で年収400万円で一人暮らし/共働きなら十分な収入がある。

  • 大手企業で就業できる。就労環境は悪くない。

  • 家賃補助や資格補助がある。

  • 転職時に職歴として評価してもらえる。

以下、メリットについて解説していきます。

メリット

・正社員のように企業に忠誠を求めれることも少ない。煩わしい人間関係が少ない。

私が一番感じていた技術派遣のメリットです。例えば、会社の飲み会で派遣社員は2次会への参加は求めれられませんでした。この辺は派遣先企業の文化によります。

また、派遣元との社員の関わりはほぼありませんでした。私が勤めてきた派遣元では年2回ほど土曜日に座って聞くだけの、業績報告会がありました。
派遣元社員と同じ空間にはいますが、特に知り合いが居るわけでもなく、座って聞くだけです。

私が転職エージェントから聞いた話では、正社員での人間関係に疲れ、メーカー正社員から技術派遣に転職される方もいらっしゃるようです。

職場での人間関係に重きを置く人でなければ、この点は大きなメリットと言えると思います。

  • 正社員のように重い責任はない。

自分自身で何かを決めたい!とか重要な仕事をやりたい!との嗜好が無ければ、この点もメリットになると思います。

指示されたように作業をやる、その中で改善点があれば提案することができれば、技術派遣としては評価されます。

•30代前半で年収400万円で一人暮らし/共働きなら十分な収入がある。

年収400万円をどう考えるかは人それぞれだとは思いますが、地方で一人暮らしや共働きならば十分生活していけるレベルです。

30代の平均年収をみると400-450万円程度であることを考えると、そこまでわるい収入ではないと思います。

https://doda.jp/guide/heikin/age/

上を見ればキリがありませんが、年収400万円以下で正社員の求人は多いです。
(実際私は年収200万円で正社員として働いた経験があります。。)

そういった環境と比較すれば、十分な収入と言えるのではないでしょうか。


  • 家賃補助や資格補助がある。

上記の年収に加え、家賃補助や資格取得時の補助がある派遣会社も多いです。
私が所属していた派遣会社では、家賃は半額補助、各資格に対して一時金が支給されました(TOEIC900点で10万円とかだったと思います)。

この辺りは派遣会社によるので、入社を検討されているならば要調査です。

•大手企業で就業できる。就労環境は悪くない。
多くの場合、技術派遣は大手の企業に派遣されることになります(単価が高く余裕のある企業が派遣を雇用する)。

やはり大手企業はコンプライアンス面がしっかりしています。

例えばセクハラやパワハラがあれば、会社としての対応があります。

また、残業代は全額支給されます。有給休暇は希望通り取得できます。

当たり前と感じる方もいるかもしれませんが、そういった基本的な事が守られていない中小企業は多いです。

  • 転職時に職歴として評価してもらえる。

派遣先ガチャ運次第なところもありますし、転職したい企業の判断にもよりますが、技術派遣で身に付けた専門性は職歴として評価してもらえます。

ただ、どういった派遣先でも、派遣社員のキャリアを考えてくれることはありません。業務の中で、どういった専門性を身に付けられるのか、転職時にそれはPRできるのかを考え、自分からやらせて下さい!と経験を積みにいく行動は必須です。

技術派遣のデメリット

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 世間のイメージは悪い。

  • 年収は400万円で頭打ちになる。

  • ぬるま湯に慣れきってしまい、正社員として働く気が起きない。

  • 転職時に評価される経験を積みにくい。

  • 派遣先企業の正社員との格差(給与面での経済格差、研修等のキャリアアップの機会の差)を感じる。

  • 世間のイメージは悪い。

ご存じの通り、世間のイメージは悪いです。

同窓会、合コン等で『技術派遣』と紹介すると『あぁ…。大変ですね。』とのリアクションを受けることもあります。

また、結婚の際、男性の場合だと相手や相手の両親を不安にさせるかもしれません。

  • 年収は400万円で頭打ちになる。

年収は30代前半で400万円程度です。同年代と比較してそれほど悪いわけではありませんが、これ以上増える見込みはありません。

責任が軽いことの裏返しではありますが、モチベーションを維持するのは難しいです。

  • ぬるま湯に慣れきってしまい、正社員として働く気が起きない。

正社員のような重い責任がない、環境で働くことになります。その環境でそこそこの給料がもらえてしまうので、正社員で働く気が消えがちです。

そうして、年齢だけを重ねていき転職できなくなる可能性があります。

同じ派遣先での派遣契約が定年まで続けばいいですが、その可能性には期待しない方が良いでしょう。

  • 転職時に評価される経験を積みにくい。

職歴として評価されると書きましたが、そういった経験を積みにくいのも事実です。

技術派遣に依頼される仕事は、時間がかかる単純作業の場合が多いです。

何が転職時に評価されるかを把握し、自分から主張しないと転職時に評価される経験が降ってくることはありません。

  • 派遣先企業の正社員との格差(給与面や福利厚生での経済格差、研修等のキャリアアップの機会の差)を感じる。

技術派遣は大手の企業に派遣される事が多いので、派遣先企業社員との差は実感することになります。

例えば、派遣先企業の年収を噂で聞くことがありましたが、自分との差にモチベーションが下がった記憶があります(30代後半の管理職に昇進した人で1000万円近い)。

また、大手企業の場合、新人に対しては半年間程の研修制度が設けられており、人材育成の環境の違いも実感しました。

技術派遣に就職しようか悩んでいる人に
入社するなら転職を前提としておく

上記の記事でも色々と書きましたが、 メリットとして技術派遣の経験は職歴と評価されるのはとても大きいと思います。

ある程度の企業と技術派遣両方から内定が出て、どちらに行こうか悩む人は少ないと思います。

ほとんどの人が、正社員としての就職を希望しているが、内定が出ない為に技術派遣の選択肢を検討するパターンだと思います。

技術派遣を検討余地のある条件としては

・年齢が25才前後
・キャリアチェンジしたい

未経験分野での経験を積みキャリアアップしたい場合は、技術派遣は有効な選択肢です。

ただ、20代のうちに転職することは前提にしておくべきだと思います。

その他
・専門的な技術があり即戦力となれる
・金銭面での心配がない

この条件を満たすなら、技術派遣で働くのはありだと思います。

私自身、技術派遣として働く中で身に付けた専門性が評価されて化学メーカーに正社員として転職できました。技術派遣としての職歴が無ければ、転職は不可能だったと思います。

以上、参考になれば幸いです。

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