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猫に給水器は必要?

猫用自動給水機について、商品口コミやyoutubeで結構「買ってよかった」「必要ない」と意見が二分しているのを見かけるので…自分の経験での個人的意見を書いてみました。
結論から言うと

~こんな猫さんには給水器買ってあげた方がいい~
ごはんはドライフードメインなのにあまりお水を飲まない猫さん・・・特に水道など流れる水が好きでお皿からはあまり飲んでくれない場合には是非!

逆に、ごはんはウェットフードメインだったり、お皿からおいしそうに水を飲んでくれているならあまり必要ないかな~と思います。
また、給水機をきちんとお手入れするだけの手間や時間が取れない、という方にはおすすめしません。


うちは現在15歳の猫1匹(3年ほど前から腎臓病加療中)で給水器1台設置しています。
うちの子は小さい頃からずっと私のトイレについて来て、流した時にタンク上から出る水を飲むのが日課でした(トイレのドア開けると私より先に入るw)。
お皿から水を飲むことはほとんどなく・・・今考えてみると私が日中留守にしている間はほぼ水を飲んでいなかったんじゃないかと。だから腎臓病になった、とは言い切れませんがそれも一因だったかもしれません。

トイレでがぶ飲み中


猫はもともと砂漠地帯で生活していた動物。あまり水を飲まなくても生きていけるように腎臓で尿を濃縮し、体からの水分排出を少なく済ませられるんだそうです。
だったら別にたくさん飲まなくてもいいのでは、とも思いますが…少ない水分摂取で尿を濃縮し続けていると、やがては使い過ぎで腎臓機能が低下してしまいます。

昔、猫の寿命が10年未満だった頃は腎臓が弱る前に他の要因で命を落とすことが多く、水分摂取はさほど問題ではなかったでしょう。
しかし今は室内飼いが増え、優れた栄養バランスのフードも多く、15~20歳と寿命が延び・・・
人間でも寿命が延びれば成人病やがんの発症が増えるように、長命の猫にとって腎臓病は最も多い疾患となっています。腎臓機能を維持し元気に長生きしてもらうためには、毎日の適度な水分摂取はとても重要なのです。

しかし猫自身は生来意識的に水を飲む習慣がないので、人間の側からより水を飲んでくれるよう促す必要があります。
そこで一つの方法が給水器の導入です。


うちの子は給水器設置するとすぐ気に入って、一日に何度もおいしそうにたくさんお水を飲んでくれるようになりました。
水の流れる音にも興味があるみたいで、そばでじっと見ていたり。私が給水機を洗っているといつも足元で待っていて「オレの大事な給水器まだ!?早くしてよ~」と監視していますw
毎日たくさん水を飲み、もちろん療法食・薬や点滴などの治療もあって、2年前はステージ3とかなり悪かった腎臓病も今ではステージ1まで改善!15歳とは思えないくらい元気に暮らしています。


では必ずしもすべての猫さん、飼い主さんに給水器をおすすめしない理由は・・・
お手入れがすごく面倒!
コスパが悪い!
気に入るかどうかは猫さん次第!

だから。

給水器はフィルターが付いていてこまめに水を変えなくてよいから楽になる、と誤解されることがありますが、残念ながらお手入れはすっごく面倒です。うちにある電化製品で猫の給水器がいちばん手間と時間がかかる、と言っても過言ではないくらい。
現在使用しているメーカーによると…

水の入れ替え→できれば毎日。もしくは2~3日に1回。
タンク・部品清掃→薄めた中性洗剤を含ませたスポンジで1週間に1度は必ず洗浄してください。夏季は2日に1度の洗浄をおすすめします。

他社でもだいたい同じような感じ。
給水器清掃はとても大変。細かい凹凸や隙間が多く、特に重要なポンプは小さな部品を分解するだけでもひと苦労です。スポンジでさっと洗う程度では汚れが残ってしまうので、綿棒やウエットティッシュなどで隅々まで汚れを落とし、ポンプ掃除ではピンセットや歯間ブラシなども使っています。

なぜそんなに丁寧に洗うかというと…洗い残しがあると、よく風呂場で見られるヌメリ・ピンク汚れが発生してすぐフィルターがピンクに染まってしまう。
このピンク汚れはメーカーによると…

「ロドトルラ」という酵母菌で、人体に悪影響はほとんどないといわれています。増殖活動温度帯は20~45℃あたりで、周囲の温度・日当たり・ペットの口の常在菌・周囲のカビ等が原因と考えられます。汚れが目立ってきたと
きは早めのフィルター交換をおすすめいたします


要するに給水機の清掃をちゃんとしていないと、むしろお皿であげるよりも不衛生なお水を飲ませてしまうことに。
お皿なら毎日水替え時に軽く洗うだけで清潔を維持できますが…給水器はほぼ毎日の水の入れ替えに加え、週に1度、夏場なら2日に1度の面倒な清掃作業が加わります。

ずぼらな私がこれを続けていられるのは、うちの子がとても気に入っておいしそうに水を飲んでくれること・現在比較的時間に余裕があること、のおかげ。
実は過去2回給水器を導入したものの挫折した経験があります。

挫折の最大の理由は…
給水器モーターがすぐ壊れる!から。数か月~1,2年と短期間で壊れてしまい、1年の保証期限中は代替品を送ってもらいましたが期限が切れた後もう一度買いなおす気にはなりませんでした。その当時は腎臓病でなかったし、上記の通りお手入れが大変でうんざりしていたので。

現在使用しているのは日本製のプラスアクアという製品で各ネットサイトでもトップクラスの評価。1年以上壊れずに動いており、以前のタイプよりお掃除しやすいようにいろいろ改善されています(それでもやっぱり面倒だけど!)。
ただフィルターがめちゃ高いのでコスパは悪い。夏場だとちゃんとお掃除してても10日くらいで全体がピンクになってしまうから。

そして、うちの子のように気に入ってくれるかどうかは・・・買って試すまでわかりません。だって猫だから。
口コミによると~
激しい水遊びで部屋が水浸しになる!
怖がって一切近づかない!
など反応はさまざま。これはもう猫さん次第です。

なので最初に書いた通り、お皿からあまり水を飲んでくれない猫さんの飼い主さん・そして猫さんが元気に長生きしてくれるならできるだけのことをしてあげたい!飼い主さんにはぜひ給水器を試していただきたい。
毎日お皿からちゃんと水を飲んでくれる、あるいは実際問題そこまで時間・手間・お金をかけるのは無理、という方は給水器には手を出さない方がいいでしょう。


では給水機導入は無理だけど、もっとお水飲んでほしい場合には?
給水器以外で水分摂取を促す方法をいくつか~

・大きめの器にする。
猫の食器として売られているものは大体直径15㎝前後くらいですが、多くの猫はひげが食器の縁に当たるのを嫌がります。直径20~30㎝くらいの大きめのお皿(あるいは小さめの洗面器)を用意してみると飲んでくれるかも(盛大に水遊びする危険性ありますが)

・ぬるま湯をあげる。
うちの子は人肌のお白湯が大好きです。

・いろんな場所に置いてみる。
ごはんの隣に水を置かれるのが実はイヤだったり、トイレの近くはイヤだったり、いつも寝てる場所の近くに置いてほしいとか…猫によっていろんなこだわりがあるかも。

・食事はドライフードよりウェットフードをメインにする。
これは獣医さんも推奨されたりしますが…私はやっていません。ウェットフードにした場合、人間同様食後の歯磨きをしないと歯周病リスク爆上がりします。
うちで17歳まで生きた猫も、今の15歳の子も基本ドライフードを継続したおかげで歯は1本も失っていません。たまにちゅーるなどおやつ程度にあげるだけで、ドライが食べられなくなるまではウェットメインにはしないつもり。
これも猫さん次第、各家庭の事情次第です。


人間でも「水道水はイヤ!」「ガラスのコップじゃないとおいしく感じない」など人それぞれこだわりがあるもの。猫にもそれぞれこだわりがあるので、根気よく好みの飲み方を探してみるのが大事だと思います。
それまで積極的に水を飲まなかった子も、好みの飲み方を見つけたら「お水おいし~」と気がついてちゃんと飲んでくれる、かもしれません。

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