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映画『ナポレオン』感想

うーん、イマイチだったのが第一印象。
何か何を伝えたいのかよくわからない印象だった。映画のポスターには英雄か、悪魔かという文言が踊っていたが、それに関する描写を感じられなかった。監督はどちらかというとナポレオンのことをあまり評価していない映画だったかな。
2時間以上あったが、色々な経緯を省いていたのでなかなか生涯を映画にするのは難しいんだろう。
自分の意見としては、ここまで名前を残す偉人は珍しく、混乱期のフランスを建て直したというところで英雄と考えてもいいのかなと思う。もちろん全ての業績を評価できるというわけではないけど、トータルで見たらやはり英雄なんだと思う。

役者はナポレオンのイメージにハマっていて良かったと思う。後半のナポレオンはデブで禿げていたらしいのでそこも再現して欲しかった。

以前、佐藤賢一の小説「ナポレオン」三巻を読んでおり、そのナポレオン像と今回のナポレオンはあまり一致しない印象だった。
小説ナポレオンについて夫婦で語った記事が以下。妻が読書会で語ったことを記事にしてくれている。

トゥーロンでの戦いからナポレオンの躍進が始まるためそこから描かれる。できれはをコルシカ上がりで差別されていた頃から、将校として成り上がってくるサクセスストーリー的な部分も欲しかった。かなり勤勉家で砲術の天才と言われたことや、執務を行いすぎて全然寝なかったこととか頑張っている面をもっと評価して欲しかった。
確かに、人目を気にせずジョゼフィーヌとイチャイチャしてたらしいけど、そのシーンが無駄に多かった。

しかし、今回の映画から勉強になったことがあった。
まずアウステルリッツの戦い、通称三帝会戦について。まさか凍った湖上での戦いもあったとは知らなかった。本映画でもハイライトに当たる戦いだった。撮影のために本当に凍った湖を作ったらしい。氷上に巧みに追い込み、溺れさせる作戦は見事だった。

また、ジョゼフィーヌのことをとても大切にしていたことがわかった。ジョゼフィーヌとの結婚生活は15年間。小説ではオーストリア皇女マリー・ルイーズとも幸せな結婚生活を送っていたと記述されていたが、今回の映画では子供を産んでしまうとルイーズは出てこず、ずっとジョゼフィーヌを思うナポレオンが描かれていた。ルイーズとの結婚後、4年で皇帝から引き摺り下ろされるナポレオン。15年間の重みがあったということか。
ナポレオンの最後の言葉は以下だった。
やっぱりジョゼフィーヌのことをとても愛していたんだなと感じた。

フランス……、陸軍……、ジョゼフィーヌ……。

映画のラストより

エルバ島に流されてからまた復活するが、約一年間も前線から離れていたことで戦いの感覚を忘れてしまっていたように感じた。
ワーテルローの戦い。敵陣観察のためにテントから出るが、大雨でなるべく濡れたくないなと漏らしたり、馬にちゃんと乗れなかったりと。ここら辺はうまく表現しているなと思った。
判断の迅速さを失い、プロイセン軍と合流させてしまったのが最大の敗因のようだ。プロイセンが近づいてきたとき、将校から全軍突撃しますか?という提案があったがそれを退けていた。また最後は正面突撃していたし。。。
全盛期の翳りが伺え大敗してしまった。

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