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「抽象」で検索したらこんな画像でした。

さて、具体と抽象といえば、細谷さん。
ちょっと古い本ですが、とても勉強になりました。
仕事の質(フェーズ)が徐々に変化することに伴い、
具体から抽象へと徐々に視点が変わっている人にもってこいだと思います。

ここまで述べてきた「借りてきて組み合わせる」という発想力の要素の中でアナロジーがどこで役に立つのか?特に活用ができるのが、「他の分野の知見を『借りてくる」」という部分である。言い換えればアナロジーは「借りる力」である。長年同じ世界で仕事をしていると、ついついアイデアの源泉が「以前にやったこと」や「同業他社がやっていること」になりがちで、新規性がなくなってきてしまう。こんな場合に、何らかの違う世界から借りてくるという発想によって新規性を付加することが可能になってくる。

P.29

2者間の関係を意識しておくことは、日常生活やビジネスの現場でも「因果関係」なのか「鶏と卵」なのかを区別するという形で役に立つ。例えば「太っている」と「たくさん食べる」の関係や「仕事を任せ(られ)ない」のと「部下が成長しない」などというのは、因果関係なのか相互に循環する「鶏と卵の関係」なのか、どう解釈するかによってその後の対策も変わってくるだろう。

P.98

名言や格言を多用する人がいるが、これも抽象化思考の賜物である。名言や格言は、基本的に汎用性が高いから多くの人に引用されるわけであり、そのためには多くの事象の特徴を抽象化して本質をうまくとらえてそれを言葉にしたものとなっているはずである。
したがって、格言を多用するためにも、その対象となっている日々の事象を抽象化して本質をつかまない限り、適切な名言や格言を思い浮かべられないはずである。したがって、これらをうまく活用できる人は抽象化能力が高いということになる。

P.135

ビジネスの世界でも新しい課題や機会はたいてい特異点、つまり通常のものの考え方では説明のつかない珍しい事象から生まれてくる。顧客ニーズをとらえるための重要な要因の1つである「環境変化」も、はじめは特別な具体的事象であるのが徐々に数が増えていってその事象に名前がつき、さらにそれがある視点やフレームワークになって理論化されていくという流れをたどる。つまり、「具象が問題を創造し、抽象によってそれが解決される」という構図になるのである。
「経営者は構造レベルに目を向けている」と前述したが、正確にいえば、具体的かつ詳細なディテールに目を配りながら、常にその事象を構造的な文脈でとらえることが経営には求められるといえるだろう。「尖った具体的事実」と「抽象化で構造を見抜く力」の両輪がそろってはじめて新たな発見が生まれるのである。

P.145

また、「時間とお金の配分方法」というのはポートフォリオの考え方が個人にも適用できる。例えば企業のR&Dへの投資の考え方としては、ある一定の割合を「先行投資」に確保しておかないと、ついつい日々の「日銭を稼ぐ」ことに気を取られて「将来の飯のネタの仕込み」ができなくなってしまうというのも企業のリソース配分と同じである。
通算31回と歴代2位の優勝記録を残している昭和の大横綱千代の富士(現・九重親方)は「いま強くなる稽古と、3年先に強くなるための稽古と、両方をしなくちゃならない」という言葉を残しているが、これなどはまさに企業のR&D投資の考え方に通ずるものがあるだろう。

P.200

#アナロジー思考 #細谷功 #具体と抽象 #NHIシンドローム

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