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新装開店から一月

おかげさまをもちまして、開店から約一か月が経ちました。
たくさんのお客様のご来店、誠にありがとうございます。

不慣れな環境と準備不足に加え、オープンと桜の名所という特需も重なり、
いきなりの年一番の繁忙期に覚悟はしていたものの、諸々追いつかず、
ご迷惑をおかけしたことも多々あったかと存じます。

未体験の疲労はピークに達し、先日は2時間ほど早仕舞させて頂きました。
しかしながら、たくさんのお客様に、ご購入のみならず、ご声援やご心配などあたたかいお言葉を頂戴し、誠にありがたく、ギリギリの日々を生き抜いております。

金蝶饅頭のなんと難しいこと!

業界では、酒まん(酒種のおまんじゅう)は、難しいので片手間にできるものじゃないと言われているようですが、納得の難しさ。

もともと酒種の調整については熟練の職人の勘に頼る部分が大きいものであること。毎日違うお饅頭がというより、同じ日ですら、発酵の進み具合で違う生地になってしまいます。

とにかく酒種に向き合う日々

難しさを分解すると、
①糀菌の調子を整える (元汁の仕込みの大変さ。時間と温度と労働)
②糀の調子を見極めて、生地の配合を調整 (2段仕込みと職人の勘。明確な正解の無さ)
③基礎的なお饅頭作りの知識 (クリティカルシンキングと情報収集)
④職人の技量 (私のそもそもの未熟さ)
⑤新しい包餡機との相性マッチング (構造上の課題と調整)
難しさは複合的なので、一つ一つ確認しながら、進めています。
時に見当違いや妙なバイアスがかかったりして、絶望的にもなりますが、
失敗も含め、毎日学びがあり、すこしでも理解でき、良いものへ前進していることだけが只々嬉しい。

そう、嬉しいのです。

難しい毎日を生きられるのは、明日は間違いなく良くなるという可能性があるから。とても小さな可能性でも、それを「希望」と呼ぶのだと腑に落ちる、私にとっての大きな一歩。
その希望が明日のチャレンジへの勇気に繋がっています。
不意に「希望は素晴らしい」と自信をもてる喜び。これも恵みですね。
Hope is a good thing, maybe the best of things, and no good thing ever dies. 「希望は素晴らしい。 おそらく最高のものだ。 そして良いものは決して死なない。」(ショーシャンクの空に)

まだまだこれから

あり得難い挑戦だけに、難易度は高く、本当に不本意なことが多いですが、間違いなく金蝶饅頭の心に近づいています。
このひと月、ご期待に沿えず、がっかりされたお客様も多いかと想像いたしますが、長い目でこの「希望」の成長をお見守りいただけますようお願い申し上げます。

次回は、「金蝶饅頭の心、その理想」について綴らせていただきます。


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