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#note書きぞめ

初めまして♪
ご来訪頂きありがとうございます。
instaでは主に村上春樹さんの作品を読むことでたくさんの人たちと繋がってきました。
村上主義者的に言えば「文化的雪かき」をモットーに書いていけたらと思います♪
自己紹介に換えて初投稿します。更新はゆるりと気ままになると思いますが、どうぞよろしくお願いします🙇

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『村上radio』2023大晦日〜メリル・ストレイシープと呼ばれて〜

それは、「Cavatina」の前奏から始まった。スタンリー・マイヤーズ作曲、ジョン・ウイリアムス演奏、クラシックギターの音色を存分に活かした美しい旋律が印象的な名曲である。映画『ディア・ハンター』のテーマ曲であり、数多くのミュージシャンにカヴァーされていることでも知られる。

『村上radio』 大晦日放送の特番は~いろんなお便りを読みながら大晦日~

普段リクエストやお便りを受付するスタイルはとっていないものの、この日はリスナーからのお便りを一年の感謝を込めて、一つ一つ丁寧に返答していくという内容のものだった。

DJ村上春樹の声で「Cavatina」の曲とともに「メリル・ストレイシープさん」私のラジオネームがお便りの最後に呼ばれ、一瞬フリーズした。

私の質問は以下のようになる。

<アストゥリアス皇太子賞文学部門受賞おめでとうございます!授賞式の模様を動画配信で観てビックリ!お隣には女優メリル・ストリープさんがいて、拍手をしてくださいましたね。お隣に座っていらした時に何かお話されたのでしょうか?髭をはやした春樹さんもダンディーでかっこよかったですよ>

春樹さんの答えは、とても丁寧で親しみに溢れていた。

授賞式の公式セレモニーリハーサルの合間にメリル・ストリープさんが実にざっくばらんな人柄であり、話していて面白かったことや楽しく会話した内容を打ち明けてくれた。

ストリープさんが言うには「セレモニー後、帰国したらアメリカ大陸をひとりドライブして旅行する予定なの。」と明かしてくれたということだった。

春樹さんは「ずいぶんタフなひとだな」と感心したということである。

その後ネットニュースで、授賞式当日にストリープさんが、45年連れ添ったご主人と6年前から別居していたことを明らかにしたという記事が出ていて驚いたと同時に

「そうか、彼女も一人きりになってハンドルを握り、来し方行く末、いろんなことをじっくり考えたかったのかもな」
と思ったという。

『世界は日の出を待っている』曲紹介とともに

「明日の初日の出が美しい、良きものであることを祈りましょう。ウクライナにとっても、パレスチナにとっても、メリル・ストリープさんにとっても、そしてまた神宮外苑にとっても。」

と、明言を残してくれた。

今では、ストリープさんが一人ハンドルを握りアメリカ大陸を横断している姿が目に浮かぶ。

その背中には孤独や悲哀が漂いつつ、力強さも感じられ、頭のなかに映るようでもある。人生の深みを感じさせるものであり、春樹さんが執筆する短編小説の一遍のようであった。

まさに作品が面前に立ち上がる瞬間を目にしたような体験であったともいえよう。このことは、私の人生に深く刻みこまれ一生忘れられない出来事となった。

最後に心より感謝の意味を込めて、

「春樹さんにとっても、明日の日の出が美しい、良きものであることをお祈りいたします。」

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