公益財団法人関西消費者協会

消費者の消費生活向上と消費者意識の啓蒙を図ることを目的として設立した公益法人です。独自…

公益財団法人関西消費者協会

消費者の消費生活向上と消費者意識の啓蒙を図ることを目的として設立した公益法人です。独自事業として、消費者目線で身近な消費者問題をウオッチして情報発信する「消費者情報Web版」を発行しています。「消費者情報Web版」はこちらから⇒http://www.kanshokyo.jp/

最近の記事

【週刊消費者情報】『消費者情報』 Web版5月配信号の紹介〈連載編〉

【現場からの情報・相談】 (公財)関西消費者協会 相談グループ タイトルは「一人暮らしの高齢の母が訪問販売で高額な屋根工事の契約をさせられた(第5回)」。 過去から今日まで行われている点検商法は、まさに悪質商法の王道!?といってもいいでしょう。一人暮らしの90歳代の女性宅に突然訪問してきて、「屋根の点検します」と言って屋根に上がったそうです。その後どうなったか、もう見当はつくと思われます。でも読んでください。怒りが湧いてくるはずですから。 不招請勧誘規制の導入も席前で急いでほ

    • 【週刊消費者情報】         『消費者情報』Web版5月配信号の紹介〈特集編〉

      超高齢社会と消費者問題 5月10日に『消費者情報』Web版5月号(No.508)を配信しました。特集タイトルは「超高齢社会を生きる~認知機能のおとろえに備えて~」。 同じようなテーマは、新聞紙上でも大きく取り上げられていましたね。「身寄りなき老後 国が支援制度 日常生活から死後対応まで 試行へ」(朝日新聞5月7日付)、「認知症 2040年に584万人 『前段階』含めると3人に1人 65歳以上」(同5月9日付)。 少子化対策もそうですが、高齢者をめぐる諸問題は待ったなしの状

      • 【週刊消費者情報】         孤独・孤立、貧困問題にアウトリーチする消費者庁

        貧困と消費者被害の密接な関係 消費者庁が産声をあげる5年前、そう、改正貸金業法への大きなうねりがあった20年前のことです。当時、サラ金はこの世の春とばかりに闊歩していた時代です。有名な米経済誌の長者番付にサラ金の社長名がずらり上位にいたと記憶しています。笑うものの陰で高金利に泣く多くの人たちがいたのでした。しかし、まだまだ世の中は「借りた金は返すのが当たり前」「借金は自己責任」という空気が支配していました。 そうした中で起きた「八尾市ヤミ金心中事件」」は社会に大きな波紋を

        • 【週刊消費者情報】          機能性表示食品の安全性を見直すとき

          小林製薬の紅麹サプリ被害に懸念が広がる 紅麹被害はどこまで広がるのでしょうか。いまだ原因成分が特定できない状況が消費者の不安を増長させています。ここにきて厚生労働省は同社に対し、食品衛生法に基づく廃棄命令措置を通知したようです。一方、消費者庁は届け出を受理している約6800の機能性表示食品すべてについて健康被害など、一斉点検する方針を打ち出しています。 現在、同サプリを摂取した2名の方が亡くなられましたが、さらなる被害が発生しないことを願わないわけにはいきません。今後の動向

        【週刊消費者情報】『消費者情報』 Web版5月配信号の紹介〈連載編〉

          【週刊消費者情報】             孤独・孤立、貧困と消費者被害のシンポジウムの開催     

          映画『こんにちは、母さん』を鑑賞しました。この作品は、山田洋次監督と主演の吉永小百合さんの人情ドラマです。昨年の封切でしたから、3月のこの時期、そんなにお客さんは来ないだろうと思っていました。ところが行ってみると会場ロビーは人・人・人。順番待ちの列は、70代半ばを超えたと思われるサユリストたちであふれていました。幸いにも、わたしは定員の最後の一人となり、午前の上映に滑り込んだのでした。 舞台は東京墨田区の向島界隈。近くに隅田川が流れ、下町情緒漂うまち並みや、味のある古めかし

          【週刊消費者情報】             孤独・孤立、貧困と消費者被害のシンポジウムの開催     

          【週刊消費者情報】         悪質クレームは人権問題

          東京都 カスハラ防止条例の方針に期待 東京都は悪質なクレーム対策として「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の防止条例を制定する方針を示しました。条例案は年内にも都議会に提出される見込みだそうです。 この悪質クレームに関しては、過去からずっと言われてきた問題でしたが、いまだ企業や行政機関などには「お客様は神様」的な呪縛から抜け出せないところがあるように感じます。 都で条例化が実現されれば大きな一歩になるのではないでしょうか。また、それに続く他の自治体もおそらく多いのではない

          【週刊消費者情報】         悪質クレームは人権問題

          【週刊消費者情報】         公益通報者保護法は誰のため?       

          後を絶たない情報漏洩 3月1日付の新聞紙上に「NTT西社長辞任へ」の記事がありました。同社の子会社に勤めていた元派遣社員による約928万件におよぶ個人情報の不正流出問題を受け、”トップの引責辞任”という内容でした。 企業不祥事でよく指摘されるガバナンス(統治)不全は、ここでも取りざたされていました。不正流出が発覚して元派遣社員の男が不正競争防止法違反の容疑で逮捕されるまで10年超の間、同社は不正を把握することができなかったわけです。というのも、件の子会社が実施した社内調査

          【週刊消費者情報】         公益通報者保護法は誰のため?       

          【週刊消費者情報】         認知症行方不明者と見守りネットワーク

          2025年問題 高齢者の5人に1人が認知症に・・・ すでに認知症は特別な疾患ではなくなり、誰にでも起こり得る病気なのでしょう――。 2014年9月(No.454)号の『消費者情報』特集は「もしや認知症?! 超高齢社会を生きる」でした。巻頭インタビューは認知症専門医の(松本診療所〈ものわすれクリニック〉院長)の松本一生さん。松本院長は”予防のための要素”として「日頃からの生活習慣と病気の管理」をすることが大事だとおっしゃっていました。ポイントは①肥満と糖尿病 ②高血圧(動揺性

          【週刊消費者情報】         認知症行方不明者と見守りネットワーク

          【週刊消費者情報】         認知症基本法と消費者問題

          超高齢社会の到来!! 「2025年問題」では国民の4人に1人が75歳以上に、そして高齢者の5人に1人が認知症になるといわれています。また「85歳問題」では、介護と生活支援の両方が必要になる85歳以上の人が2023年には1000万人超となるそうです。 このような推計結果を背景に認知症基本法が昨年6月に成立し、本年1月1日に施行されました。 厚生労働省の公表資料を見ますと、法の目的は「認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的

          【週刊消費者情報】         認知症基本法と消費者問題

          【週刊消費者情報】         消費者庁新未来創造戦略本部の仕事 

          みなさんは徳島県に消費者庁があることをご存じでしたか? 本庁は東京の霞が関にありますが、こちらは消費者庁 新未来創造戦略本部という名称で徳島県庁10階(写真上)にあります。 消費者庁が徳島県にきた経緯 今をさること約10年前、当時の安倍政権が推進する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で政府関係機関の地方移転の政策方針が打ち出されました。そして各道府県に誘致の募集が始まり、消費者行政にとても熱心だった徳島県の飯泉知事(当時)が手を挙げたのでした。 消費者庁創設は2009年

          【週刊消費者情報】         消費者庁新未来創造戦略本部の仕事 

          【週刊消費者情報】 『消費者情報』Web版 2月号配信号(No.507)予告〈連載編〉

          「やせ薬」の適用外使用の問題が・・・  『消費者情報』Web版2月配信号の連載についてご紹介します。  その前に、連載のトップページ「現場からの情報・相談」でも取り上げられた糖尿病薬によるダイエット目的の使用についてお話します。この「やせ薬」の処方は、もちろん適用外使用です。効果や安全性が確認されていませんから健康被害等の問題が懸念されています。  このような事案が散見される現状をふまえ、厚生労働省は近く医療広告ガイドラインを改正する動きがあります。新聞報道によりますと、同ガ

          【週刊消費者情報】 『消費者情報』Web版 2月号配信号(No.507)予告〈連載編〉

          【週刊消費者情報】        『消費者情報』Web版2月配信号(No.507)予告〈特集編〉

          『きれいになりたい!』その前に…  『消費者情報』Web版2月配信号のタイトルは、「『きれいになりたい!』その前に…美容医療トラブルの消費者情報」です。  一昨年あたりから、特に20歳代の若者世代を中心に美容医療のトラブル相談が消費生活センターに寄せられています。美容医療やエステサロンに関する消費者相談は以前からもあり、法整備もそれなりに図られてきましたが、相談は減るどころか増えてきています。それはなぜか? そこには消費者問題に通底する消費者と事業者の情報の非対称性が、どうや

          【週刊消費者情報】        『消費者情報』Web版2月配信号(No.507)予告〈特集編〉

          【週刊消費者情報】         『消費者情報』Web版11月号配信!〈連載編〉

          「欄干のない橋」のたとえ  『消費者情報』Web版11月号が配信されました。  特集「障がい者の消費者トラブル~予防と救済~」は先週の投稿でご紹介しましたが、少しだけ企画に至ったお話をさせてください。  障害があってもなくても消費者トラブルは発生します。しかし、障害があることによって消費者被害に遭う、というのはあってはいけません。たとえば、視覚障害のある人がホームから転落するという事故はたびたび起こっています。ホームドアのないホームは「欄干のない橋」にたとえられ、この10年

          【週刊消費者情報】         『消費者情報』Web版11月号配信!〈連載編〉

          【週刊消費者情報】 『消費者情報』Web版11月配信号(No.506)予告〈特集編〉

           本年9月30日、兵庫県立明石公園内の「子どもの村」(写真下)がリニューアルオープンしました。広場にはインクルーシブ遊具が設置され、連日にぎわいを見せているそうです。インクルーシブ遊具とは「障害のある子もない子も年齢・性別・国籍など関係なく、一緒に遊ぶことができる遊具のこと」。また、11月12日まで同公園内では菊花展覧会が開催されていますから、一度訪ねてみたらいかがでしょうか。 障がい者の消費者トラブルが増えてきた  『消費者情報』Web版11月配信号の予告です。  特集

          【週刊消費者情報】 『消費者情報』Web版11月配信号(No.506)予告〈特集編〉

          【週刊消費者情報】         福島の風評被害に思う  其の二

          『消費者情報』465号(2015年10月号)特集は「風評被害を吹き飛ばせ!」  早8年の歳月が流れました――。2015年夏、福島県はまだまだ東日本大震災の爪痕が生々しく、とりわけ東京電力福島第一原発事故のダメージは・・・いまも相当なものですが・・・厳しい様相を呈していました。  浜通りの国道6号線は復旧事業に伴うトラックや重機などが多数往来し、避難指示区域には延々とアルミゲートが設置されていました。  原発事故による重苦しいムードは、当然ながら風評被害にも及んでいたと思われま

          【週刊消費者情報】         福島の風評被害に思う  其の二

          【週刊消費者情報】          福島の風評被害に思う         

          「みだれ髪」が流れる塩屋の岬  2015年7月、ぼくは福島空港からレンタカーで一路、福島県の浜通りへ向かいました。途中、降り立ったのが塩屋の岬です。ここは美空ひばりさんの歌の舞台ともなっている有名な岬です。海に向かって建てられた歌碑には流麗な文字で歌詞が刻まれていました。  白く大きな灯台の下の駐車場に車を止めると、近くの食堂を兼ねた土産物屋から「みだれ髪」がの歌が流れていました。  海岸を散歩する人はちらほらいましたが、遊泳する人はもちろんひとりもいませんでした。夏の海の

          【週刊消費者情報】          福島の風評被害に思う