「魯肉飯のさえずり」
八角の悲しみ
温優柔さんの「魯肉飯のさえずり」という小説を読んだ。中国語、台湾語、日本語が飛び交う。台湾から来日し、日本人と結婚した李秀雪と、その娘の桃嘉の物語である。
日本語では自分の気持ちをうまく伝えられない秀雪。桃嘉は、そんな母に対して複雑な感情を持つ。娘の視点から書かれている章と母の視点から書かれている章が交互に続く。どちらの気持ちも分かる。悪意があるわけではないけれど、無神経な周囲の人々の言葉もつらい。ぐいぐいと引き込まれ、一気に読んだ。
話の中で、「魯肉飯」は大