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読書感想文の指導方法4タイプ!国語が得意✨苦手💦 中学受験に必要な読解力を育てるリテラの読書感想文

「なぜ、あんなに読書感想文を書かせるのは大変なの?」
「なぜ、読書感想文がスラスラ自分で書けると子と、苦手な子がいるの?」
「書く力がバラバラなクラスの子どもたちを、どのように指導していけばいいの?」

夏休みの宿題、最大の難所、読書感想文。
指導をする大人たちも、大人になったら書けるけれど、子どもの頃は苦手だったなと思っている方が多いのではないでしょうか。

また、子どもの頃、自分は読書感想文が得意で、苦手な子がどうして書けないのか、どう教えていいかわからないとお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

とにかく、教わる方も、教える方も大変な読書感想文ですが、子どもたち一人一人の読みの力、書く力に合わせた指導方法の元で学べば、伸ばすのが難しい国語の力を飛躍させるチャンスになります。

しかし、誤った指導法で学べば、自信を失い、まずます苦手意識が強くなってしまいます。

では、どのようなタイプの子が、どんなアプローチを受けるとよいのでしょか。

読書感想文の指導にお困りの先生方、保護者の皆様に向けた、子どもたちのタイプ別の指導法についてまとめています。

この記事は、リテラ「考える」国語の教室 代表 岡本ようすけ 
講師の黒木里美が共同で制作しています。



読書感想文が一人で書けるようになるのは小学5年生から

まず、大前提として、小学生でも中学生でも高校生でも、大人でも、読書感想文は一人で書かなければならないという決まりありません。

家族や友だち、先生と感想を語り合ったり、書き方を教えてもらってもいいのです。

一人で本を読んで、原稿用紙に書いてといった「孤独な作業」に多くの子どもたちはまだ耐えることはできません。

特に、1年生から4年生までの子どもたちは、自分一人では読書感想文を書き上げのは一般的に難しいと感じています。

大きな理由として、年齢的に、部分的な理解と全体的なテーマを行ったり来たりする「包括的読解力」がまだ備わっていないからです。

たとえば、自分が理解しながら読めているのか、チェックをしながら読みすすめ、わからないところをがあったら読み直すことができるかどうか、といったところからはかることのできる力なのですが、これが、そもそも身についてくるのが、小学校高学年5年生ごろだと言われています。

また、長い文章を書く際にも、同様に部分と全体を同時に考える力が求められます。

実は、読書感想文を書くのに必要な力「包括的な読みの力・書く力」は、中学受験の国語や適性検査でも求められています。

「読書感想文は後回しにして、国語の力を伸ばしたい」と焦る気持ちを抑えて、今一度、読書感想文が書けないのはなぜか、4タイプを参考に確かめてみましょう。


読書感想文の書き方にはまず大きく分けて2つある

テーマ先行型(トップダウン型)

物語のテーマを捉えて、そのテーマにそって自分の体験を再構成して書いていくことのできるタイプです。

これができるのは、普段から読書をしている子、特にエッセイを読んでいる場合が多いが特徴です。

また、文章の運用が身についていて「作文が得意!」と自信があります。

一般的に、発達段階においては5年生以上であることが多いです。


テーマ探索型(ボトムアップ型)

テーマについて言葉で捉えることが難しいタイプです。

一般的に4年生以下の場合、このタイプに当てはまります。

読書感想文では、まずは、本を読んで、気になったところ、感情が動いたところに付箋を貼っていきましょう。

そして、保護者や先生と一緒に、書かれた内容を分類して、テーマを見つけていくという、一番、堅実なやり方をとります。

この方法をとれば1年生でも読書感想文を書くことができます。


リテラの指導方法

リテラで指導する場合、学年に関係なく、まずはテーマ先行型で書けないかどうか対話をしながら確認をします。

「作者の言いたかったことは何かな?」といった、子どもたちを試すような聞き方は絶対にしません。

リテラの講師は、子どもたちと同じ本を必ず読みます。

それは、読書感想文を書き上げるためだけの時間ではなく、子どもたちが同じ本を読んだ大人と出会い語り合うという「本がつないだ出会い」を大切にしたいからです。

「先生も、この本面白かったよ!いい本を教えてくれてありがとう」
「先生は、ここが心に残っているけれど、○○さんはどうかな」
こんな気軽な会話からスタートします。

判断のポイントは2つあります。

1つ目は、テーマについて言語化できるかどうか?
「友情について」「将来を考えることの大切さ」と言うような、ハッキリとした言葉でなくて構いません。
「ケンカした友だちとどうすれば仲直りできるのかなって考えました」
「自分がいつ死ぬのかわからないのは恐いけれど、逃げられないから、主人公みたいにやりたいことをやりたいって思いました」
これよりもラフな言葉でも大丈夫です。

2つ目は、本に書かれていることと類似の体験が出てくるかどうか?
「私も、友だちと喧嘩して、仲直りするときに、他の友達の力を借りたことがあったなあ」
「実は、やらないと後悔すると思って、親に内緒でやってみたことがあります」など

この2点でまずは判断していきます。

そして、①と②それぞれの「できる・できない」によって、4つのタイプに分かれていきます。


①テーマ先行型+自分の体験あり 国語も作文も得意な子

テーマ先行型で自分の体験がある場合は、あとは構成の立て方の指導が主にります。

どんどん書き進められたこと、内容の面白さをほめつつ、最後に「さらに伝わりやすくなうように」と客観的な視点を持ってアドバイスしていきましょう。

特に、タイトルをつける時には、よいアイデンティティが出るように相談に乗ってあげてください。

【国語のタイプ】
抽象化能力、包括的読解力、メタ認知がそろっていいて、 中学受験で国語が得意!と言える子です。


②テーマ先行型+自分の体験がない 読解は概ねできるけれど作文が苦手

テーマにあった自分の体験を思い出すことができない場合は、講師も具体的な体験を話したり、繰り返し質問を投げ掛け、対話を重ねながら詳細を膨らませていきます。

なかなか体験を思い出せない場合は、逆に書きたい体験はないのかと聞いて、あればそちらに合わせて選書をし直すこともあります。

例えば、夏休みに山登りをしたのであれば、登山をについて書かれた物語を読んでみるといったようなことです。

【国語のタイプ】
国語の長文読解は概ねできるけれど、作文は苦手というタイプです。
また読解でつまずいた時に、その原因について、推察する力が弱いため、改善に時間がかかる場合が多いくみられます。
五感を使った観察作文や、自分の気持ちを言葉にする体験をしながら、内省する力を育んでいきましょう。


③テーマ探索型+自分の体験がある 低学年の子 読み聞かせが好き 国語も自分の意見を言うのが得意

テーマについては、まだ読み取れいないけれど、本を読んでその内容と同じような体験について話すことができる子です。

「ぼくも、主人公みたいに、お兄ちゃんとけんかしたことある」
「わたしも、主人公と同じように、お母さんとケーキを作ったことがある」といったものです。

本の中の出来事と類似した体験を部分的にでも話すことができればOK

さらにテーマを探しながら体験の意味合いについても考えながら、感想文を書き進めましょう。

【国語のタイプ】
低学年に多いタイプ。
物語のキャラクターに共感する力があり、読み聞かせが楽しめ、感想を話すのも好きな子です。
国語を得意科目にできるよに、3、4年生でたくさん本を読み、文章を書いて、ことばの力に磨きをかけていきましょう。


④テーマ探索型+体験がない子 国語も作文も苦手 特に物語文が苦手な子が多い

最後は、テーマ探索型で体験がない子。

読書感想文が苦手という子の多くがこのタイプになります。

リテラで指導する場合は、何かを観察・実験・調べ学習、対話・インタビューといわゆる「やってみる系」と言われる方法をとります。

【国語のタイプ】
本を読むこと、文章を書くことを楽しめず、国語が苦手というタイプです。
中学生受験でも、国語が伸びず、悩んでしまいます。
まずは、安心して環境や信頼できる人間関係の中で、読み聞かせをしてもらったり、感想を話しあう経験を通して、自信をつけましょう。
読書感想文に関しては、本や文字数にこだわらないこと、自由参加の場合は、無理をせず取り組みを見送る決断も大切です。
その際は、「たくさん本を読むこと・読んだ本と同じ体験をすること」を目標にしてみてください。


読書感想文が苦手な子におすすめの「体験型読書感想文」

絵本を読んで、同じことを体験してみる

「読書感想文が書けない」

「国語の読解問題が解けない」

それは、メタ認知と知識・体験、ワーキングメモリーに難があり、部分的読解しかできていないからという理由があります。

一番ネックなのは、感情や論理といった「はっきりと言葉では書かれていないこと」を想像したり、推測したりすることができないことです。

読書感想文が書けない子、書くのに苦労している子は、往々に自分の体験が出てこない、書きたいことがないという場合が多いです。

もっと困難を抱えている場合は、本の内容を覚えていない、本を読んだときにどんな気持ちになったかも、思い出すことができないといった子もいます。

そういう子に対して、
「なんで覚えてないの?」
「真面目にやりなさい」

など、覚えていないことや、言葉にならないことを子ども自身の責任と捉え、責めるような指導をしてしまうと、いわゆる「失敗」に終わることが往々にあります。

そして、書くことが嫌い、本が嫌いになってしまうことも。

デリケートな子どもたちの心や記憶と言った、内面を探るような指導の方法を、経験がない大人がやってしまうと、子どもたちを疲弊させてしまったり、苦手意識を強くさせてしまうことなり兼ねません。

それを避けるためには、子どもと指導者、あるいは保護者が、向き合ってしまう「対立構造」になってはいけません。

子どもたちのイメージをする力、記憶力、言葉にする力を補えるように、大人も隣にいて同じものを見て、一緒に楽しむような取り組みことが望ましいと言えます。

そのような理想的な関係を「学習同盟」と呼びます。

そして、小学校の低学年にこの関係を築けることができれば、思春期を迎えた子どもたちにとってもよき理解者として、寄り添いサポートしつけることができます。

低学年のうちは、無理せずに、新たな体験をするきっかけだ!ぐらいに読書感想文を捉えましょう。

私たちは、このような方法を「体験型読書感想文」と呼んでいます。

料理の本を読んで一緒に作って食べてみる、物語の舞台となったところに行ってみる、逆に子どもたちとのやってみたいことを見つけてから、本を選ぶのもいい方法です。

ぜひ、ご家庭や教室でも子どもたちと一緒に楽しむ「体験型読書感想文」にチャレンジしてみてください。


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