今年還暦 残りほぼ10年でなりたい自分になる
今年3月還暦を迎えた。
53歳頃から更年期障害が始まり、7年間ありとあらゆる更年期症状が次から次へとやって来た。
その時にパートも辞め、楽しいんでいた趣味の陶芸も何もかもやりたくなくなった。
体も心も重くて外出も嫌になった。
家事も嫌になった。
更年期の一通りの症状を経験したからか、2年ほど前から少しずつ体が軽くなり、今年はだいぶ楽だ。
腰痛以外は。
更年期前の体には戻れないし残っている症状もあるけど、あのしんどさを考えればこれで充分と思える。
あのじっとしていた7年間は何だったんだ。
無駄な時間だったとは思っていないが、気持ちが外向きになってきた今、更年期前に築いた居場所はなくなっていて少々焦っている。
これから、また新たに探して行くのかぁ。
ため息。
筋書きは、定年退職した旦那が家事をやり、パートから帰って来たら夕飯ができている、洗濯物も畳んである、お風呂も沸いてる、そんな夢のような生活を数年はできるだろうと楽しみにしていた。
少々狂ってしまった私の60歳。
だが、焦ってはいるが、更年期前の私と今の私は何かが違う。
どうも更年期の7年間で私の価値観は変わったようだ。
変わった事の一つは、夢中になっていた趣味の陶芸への興味が薄らいだ事。
腰痛も関係しているが。
更年期中から、体が動かなくて陶芸をやりたくてもできない自分にイライラしていたが、徐々に気持ちがそこへ行かなくなった。
けっこう夢中になっていたので、興味がしぼんでいく自分に戸惑った。
その時は必要な事であったし、持病の潰瘍性大腸炎で落ち込んでいた私を随分助けてくれた。
しかし、今の私は夢中になっていた陶芸をもう一度やりたいとは望んでいないようだ。
たぶん、自分が楽しんで自分で満足して、自己満足だったからかな。
楽しかったからよかったのだけど。
私の残りの人生に自己満足はもう要らないのかな。
今までのような、パートをやって趣味をやって時々旅行して楽しんで、ではなくて別の何かを求めている。
人間関係も、楽しいだけではなくて、価値観が近い人と知り合いたいと思う。
この7年間で考えさせられた社会の矛盾や人の矛盾。
男性医師からは更年期を軽く見られ、医療は男性中心だと実感した。
嫌な思いもした。
更年期についてあなた何も知らないじゃん!と婦人科の男性医師に感じた。
妊婦さんには丁寧なのに、更年期障害の私にはありきたりの診断しかしない。
やる気があるの?
更年期を馬鹿にしてるの?
女性だからいいというわけではないが、女性の体を理解できる女性医師を増やしてほしいと思った。
女性差別や偏見。
女性でも更年期障害が軽かった人やなかった人は、辛さをわかってくれなかった。
気持ちの問題で片付けられた事もある。
友人でさえそうだったから、今までの人間関係を疑いたくなった。
同性ならわかってくれる、年齢が近ければわかってくれる、なんて妄想だな。
様々な方面から目に見えない苦しさを抱えている人が沢山いる事がわかった。
性別や年齢で決めつけない。
その人、個人を見よう。
こうなったら、今までの自分は脱ぎ捨て新しい自分を目指すか。
なんだか、もう怖いものはない気がしてきた。
さて、これからどうしよう。
最終目的は、
『私はこれをやる為に生まれて来た』のこれを見つけたい。
これから自分はどうしたいか。
私自身に納得してみたい。
私の居場所を見つけたい。
私自身の為の時間を味わいたい。
社会に貢献したい。
私の経験が誰かの役に立てたら嬉しい。
偏見や差別をなくす努力をしたい。
年上にだって偉そうな人にだって間違っている事は間違っていると言いたい。
友人は年齢幅を広くしたい。子供からお年寄りまで。
真面目に物作りをしている人を応援したい。
子供達が安心して暮らせる社会にしたい。
要領が悪くて真面目な人を応援したい。
目立つ人ではなくて端っこで一生懸命に声を上げている人を応援したい。
価値観が似ている人と知り合いたい。
ぐらつかない意思や価値観を構築したい。
バラバラだけど、思いつくまま並べてみた。
そうすると、自ずとお金の使い方も変わってくるだろう。
物を買ったりサービスを利用するにも、その商品の発案から創られるまでのストーリーを考えて選ぶようになる。
だが、悲しい事に今の日本の不況を考えると、できない事が多い。
人間関係も自立した者同士の新たな関係ができるのではないだろうか。
私の価値観はこの7年間で変わった。
そっか、無駄な時間ではなかったのだ。
これから老後を迎えるにあたって、必要な時間だったんだな。
社会や人の矛盾を知ってしまったから更年期前の価値観にはもう戻れない。
楽しいだけの人生ではなく、本当の社会を知って自分の頭で考えて意思を表明していく。
私だけの社会ではないから。
子供達のためにも。
辛かった更年期障害だったけど、生まれ変わったみたいだ。
残りほぼ10年として、私のこれを見つける旅に出る。
そうすれば、旅の途中でなりたい自分になっていくだろう。
これが見つかってゴールできるかはわからないけど、今までとは違う旅になりそうだ。
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