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寒い夜だからあなたを抱きしめて

今日はこどもの授業参観があり、久々に平日に休みを取った。

金曜日は会議も多いし忙しいため、いつもなら午後出勤する。
でも今日は、正月以来お疲れ気味の実母と夫とランチに行った。

昼過ぎに帰ってからも持ち帰った仕事をする気が起きず、ちょこちょこ掃除をしたりテレビを見たりして過ごす。

やらなきゃまずいのは分かってるけど気分が乗らない。ここ数日、寒くなったせいか少し気持ちが落ちている。

「ただいまー」
子どもたちが帰ってきた。帰宅して私を見つけると子どもたちの顔がパッと明るくなる。

「珍しい〜!」
「今日なんで早いの?」
「仕事行かなかったの?」
「授業参観どうだった?」
「宿題、終わらせてるよ!」

矢継ぎ早に話す子どもたちを見ると、嬉しい反面、話し足りてないのだろうなと申し訳なくなる。

いつもは夫と風呂に入る息子が、ママと入りたいと言うので久々に一緒に風呂に入る。
少し前まで石鹸が顔につくのが嫌がっていたのに、ギュッと目を閉じて顔を泡だらけにして洗えるようになっていた。

「石鹸で洗えるようになってるねぇ」
思わず言うと
「もう、ずっと前からだよ」
と得意げに笑う。

「ママの知らないところでお兄ちゃんになってるねぇ」

つぶやいた声はシャワーの水と一緒に流れていった。

先に息子を風呂から出し、身繕いをしてリビングに行くと、息子はタオルで髪を拭いていた。

「ママやってよー」
いつもは在宅でも夕食ギリギリまで仕事をしているため、忙しいから自分でやりなさいと断ってしまう。

今日は仕事もしてないし、夕食も温め終わってるし、こんな日くらいはやってあげようと息子を膝に乗せてタオルで髪を拭いた。

「ママに髪ゴシゴシしてもらうの大好きなんだー」

本当に嬉しいそうに言う息子の言葉に、思わず胸が詰まった。

息子は小さい頃から頭をなでられるのが好きだった。
一緒に歩くと手をつなぐより頭に手を置いてほしがった。ワシャワシャなでられると、気持ちよさそうに笑っていた。

小さい頃の息子の姿を思い出していたが、目の前にいる息子も十分小さいのだ。
手をつなぎ、肌を寄せて、添い寝で寝ると喜ぶほどには小さいのだ。

仕事を優先して、成長も甘えも見逃している。
取り戻せない瞬間を失っている。

仕事は嫌いではないのだけど、やりがいのある仕事、人のためになる仕事をしているつもりだけど。

こういう瞬間はどうしても落ち込んでしまう。

育児と家事と仕事の両立は、どこに比重を置いたとしても諦めと後悔の連続だ。

それでも今の一番大切にしたいものを選びたい。

いつも仕事ばかり優先して申し訳ない。
働く私の姿を見せるのも、親の役目だ。
どちらも本音。でも、どちらかの気持ちに寄ってしまうと、落ち込んだり働きすぎたりしてしまう。

今日は申し訳ない気持ちに振り切れている

気持ちが落ちている寒い日は温かい子どもを抱き寄せて眠りたい。
たまっている仕事は明日の私に任せよう。
明日の私が元気で働けるよう、今日は息子と寝てしまおう。

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